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らららクラシックコンサートVo9「躍動するバロック音楽」~大編成アンサンブルの絢爛なる響き』拝聴

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 10月14日(水)表記の音楽会に行って来ました。
 らららクラシックコンサートを聴くのは、今回が二回目です。
前回は、上原彩子さん達の三台のピアノを使った音楽会で、その他に三人のピアニストが参加、ソロ、二手、三手など、よりどりみどりの演奏、司会高橋克実さんとのトークもあって、普通のコンサートよりカジュアルで楽しい音楽会でした。今日の演奏会では、石田組という中編成室内楽団と、ゲスト出演としてフルート奏者の工藤重典さんとクラリネット奏者のイシュトヴァーン・コハーンさん(ハンガリー)たちのアンサンブルやソロ演奏が行われたのが特徴です。その概要は次の通りです。


【日時】2020年10月14日(水) 18:30~

【会場】東京文化会館大ホール

【出演】
◎石田泰尚(ヴァイオリン)
◎工藤重典(フルート)
◎コハーン(クラリネット)
◎石田組
(Vn:塩田脩、三原久遠、双紙正哉、山本翔平、田村昭博)
(Va:萩谷金太郎、鈴村大樹、小中澤基道)
Vc:門脇大樹、玉川克、田草川亮太)
(Cb:髙橋洋太)
(Cem.:松岡あさひ)
◎司会:高橋克典  金子奈緒

 

【 演奏者の略歴 】
◎石田泰尚(Vn)
神奈川県出身。国立音大卒、新星日本交響楽団コンマスを経て、2001年より神奈フィルソロ・コンマス。男性奏者のみの弦楽アンサンブル“石田組”を率いる。京都市交響楽団特別客演を兼任。
◎工藤重典(Ft.)
札幌生まれ。国立音大卒。パリ国立高等音楽院のランパル氏のクラスを一等賞で卒業。パリ国際フルートコンクール、ラ・ロッシェル現代音ミュンヘン国際コンクール、ランパル国際フルートコンクールなどに入賞。現在パリ・エコール・ノルマル、東京音楽大学、エリザベト音楽大学、昭和音大で後進を指導。

◎コハーン(Cl)
ハンガリー出身。音楽一家に生まれ、父の手ほどきでクラリネットを始める。12歳でバルトーク音楽院(高等学校)英才教育コースに入学。多くの国際コンクールで優勝・入勝。
リスト音楽院卒業後活動拠点を日本に移した。2013年第11回東京音楽コンクール第1位及び聴衆賞受賞。第84回日本音楽コンクール第1位及び岩谷賞(聴衆賞)、E.ナカミチ賞を受賞。2016年東京音大大学院修了。新日フィル、東フィルなどと協演。東京音大非常勤講師。
◎石田組 (弦楽アンサンブル)
〇塩田脩 (Vn) 8歳よりジュリアード音楽院プレカレッジに在学。2004年ニューイングランド音楽院卒。2014年東京都交響楽団に入団。
〇三原久遠 (Vn)桐朋学園音楽学部を経て、スイス・バーゼル音楽院修了。現在、東京都交響楽団、ウェールズ弦楽四重奏団 第2ヴァイオリン奏者。
〇双紙正哉 (Vn)桐朋学園大卒。篠崎永育、徳永二男、A.アレンコフに師事。2005年より東京都交響楽団第2ヴァイオリン首席奏者。
〇山本翔平 (Vn)桐朋学園大学、同大学研究科修了。現在、都響第2ヴァイオリン副首席奏者。
〇田村昭博 (Vn)国立音大ヴァイオリン専攻卒業。2004年日フィル入団。現在、第一ヴァイオリン奏者。
〇萩谷金太郎 (Va)東京音大卒、桐朋学園大学院大学修了。2017年8月より東京都交響楽団ヴィオラ奏者。
〇鈴村大樹 (Va)洗足学園音大を経て同大大学院修士課程修了。これまでに宮崎国際音楽祭等にソリストとして新日フィルと共演。
〇小中澤基道 (Va)
洗足学園音大大学院修了。現在、日フィルヴィオラ奏者。
〇門脇大樹 (Vc)東京芸大音楽学部卒業。現在東京音大伴奏科助手。神奈フィル首席奏者。
〇玉川克 (Vc)桐朋学園大学カレッジディプロマコース修了。客演首席奏者として国内の主要オーケストラから招聘。
〇田草川亮太 (Vc)
桐朋学園大卒、同研究科修了。現在は「石田組」などの室内楽の他、オーケストラ、レコーディング等の活動中。
〇髙橋洋太 ( Cb)
桐朋学園大学、2006年同研究科修了。東京都交響楽団入団。青島広志ブルーアイランド楽団等で活動。
〇松岡あさひ(Cemb.)
東京藝大作曲科卒。現在、東京藝大演奏藝術センター教育研究助手

 

【演奏曲目】

 当初発表されたプログラムは当日、一部追加・順番変更されました。
①⇨④J.S.バッハ『ブランデンブルク協奏曲 第5番 BWV1050 より第1楽章
②ヴィヴァルディ『四季 より春、冬』
③C.P.Eバッハ『フルート協奏曲 二短調』
④⇨①J.S.バッハ『G線上のアリア』
⑤パッヘルベル『カノン』
⑥ヘンデル オペラ『リナルドより「私を泣かせてください」』
追加(⑦)マルチェロ『オーボエ協奏曲ニ短調より第2楽章』
⑦⇨⑧コレッリ『合奏協奏曲第5番「クリスマス協奏曲」』

 

【演奏の模様】

先ず司会者より「石田組」という名称についてのトークがありました。何か’怖い’人達と誤解される側面がありますが、どうも強面を一つの売りにして、世間の注目を引くこうという意図を感じました。コンマスの石田さん自体も、ヘアースタイルからその言動まで、通常の音楽にはない個性的なものを漂わせており、”組員”である弦楽アンサンブルのメンバーには、見た目絶対服従を求めている様な仕草をしていますが、その実かなりの信頼関係を築いているのではなかろうかと思われました。司会者の質問にもぶっきら棒な受け答えをするものの、的は外れておらずどこかコミカルなので、会場の笑いを誘う場合もたびたびありました。人気は相当ありますね。しゃべり声も男っぽく低めのいい声をしている。当日の会場を見渡すと、圧倒的に女性客が多く、特に中年以上のご婦人方が目に付きました。

 さて演奏の方は、曲目によってアンサンブルの規模(演奏者数)を変えて調節しているのが、石田組の特徴の一つの様です。


①の曲はVn(6) Va(3) Vc(3) Cb(1) Cemb(1)で演奏。いつ聴いても良い曲ですね。弦のアンサンブルが曲の心地良さをよく引き出しています。残念なのはCembがほとんど聞こえなかったこと。もともと音の小さい楽器ですが、舞台近くの中央の私の座席でそれですから、大ホールの後ろまで果たして聞こえたのでしょうか?

②四季は、年に何回か聴く曲です。昨年10月にイ・ムジチ合奏団が来日した時に聴きに行きました。また今年2月に鎌倉のホールで行われた『鎌倉ゾリステン』の演奏会で徳永さん達が弾いたのを聴きました。参考までイ・ムジチ来日公演の時の記録を文末に引用して置きます。

③この大バッハの息子エマニェル・バッハのフルート協奏曲は、余り聴かない曲ですが、工藤さんは、素晴らし演奏で殆ど完璧に吹き終えました。あれはもう何十年前のことでしょう、若い頃の工藤さんの演奏を聴いたことがあります。「未完の大器」といった記憶しか残っていないのですが、今日の演奏は、テクニックも音質も非の打ちどころが無いくらいの変貌振りで、大変驚きました。素晴らしかった。今度工藤さんの吹くエマニェル・バッハの『無伴奏フルートのためのソナタイ短調(Wq132)』やバッハのフルートソナタ集を聴いてみたくなりました(時々ニコレの録音で良く聴く気に入った曲達です)。


 前半終了で休憩です。

 後半最初の曲は、

④『ブランデンブルク協奏曲第5番』 この曲に合わせてCembがステージの奥から前方へ出されました。Cembの長い独奏があるからでしょう。

 Vn(4)Va(3)Vc(3)Cb(1)Ft(1)Cemb(1)の構成。

 ヨハン・ゼバスチャン・バッハが作曲した6曲からなる合奏協奏曲集(Six Concerts Avec plusieurs Instruments (仏語))の中の一つです。ブランデンブルク辺境伯に献呈されました。
 このフランス語での曲名は、バッハ自筆の楽譜に記載されているそうですから、バッハはフランス語も達者だったのでしょうか?この時期のバッハは、ケーテンという都市の宮廷楽長を勤めていて 年後には、ライプチッヒの教会に転出しているので、いろいろ対外活動をしていたのでしょう。何れにせよバッハの教会音楽以前の世俗的な曲で、かなり宗教音楽とは違った印象をうけます。特にこの5番は六曲の中では一番有名と言ってよいでしょう。よく演奏されます。           
 聞き慣れたメロディが流れ出しました。5番の出だしが他の出だしと比べて1番厚みがありますね。特に低音弦が、ズッシリと腹に響きます。石田Vnと工藤Ftがソロ的パートを弾き、10人の石田組が伴奏を勤める。石田、工藤は相変わらず、見事な音を奏で、伴奏アンサンブルの響きも良い、特に3人のVnの響きが。終盤近くCembのソロ演奏が結構長く続きました。ここのところは見せ場、聴かせ処なのでしょうが、残念ながら、ソロの前半は音量不足、後半はやや大きくなったものの、リズムが不安定感がありました。第1楽章のみの演奏。

⑤パッヘルベル『カノン』は様々にな楽器で編曲された曲を日常良くラジヲやテレビでも耳にします。ヨハン・パッヘルベルはコレッリとほぼ同時代で、ヴィヴァルディより20年位早い17世紀後半から18世紀初頭にかけてドイツで活躍したバロック音楽作曲家です。神聖ローマ帝国時代と言いますから日本で言えば、徳川時代の家光の後の家綱の時代に相当します。日本でもその単純で魅了的旋律の繰返しがゆえにコマーシャルや各種の分野で利用されている様なのです。

⑥ヘンデルのこの曲はオペラ・リナルドの一節で、アルト歌手が歌うしんみりとした曲です。今回はクラリネットのコハーンさんが石田組の伴奏で演奏しました。その前のトークで、司会の高橋さんが ”コハーンさんは、多彩な人でNHKにも楽器を積んで自転車でやってきたり、ビデオ編集も得意” という話と、もともとハンガリー出身でリスト音楽院卒で、奥様が日本人、今回が日本での演奏、初デヴュー”  といった説明をしていましたが、その経歴には2013年、東京音楽コンクール、201620年16には日本音楽コンクールで優勝し、その後s魔ざまな演奏活動をしているので ”デヴュー”は当らないですね。

 クラリネットによるこの曲は、全く違った雰囲気に聴こえ、こうしたものも有りかなと思いました。コハーンさんの演奏は立派でしたよ。

⑦マルチェロ(伊)作曲の『オーボエ協奏曲』は、アダージョの第2楽章のみの演奏でしたが、コハーンさんの表情豊かなゆったりとした、切々としたメロデイが良かった。息が随分長く続くのですね。

最後の曲は

⑧コレッリ『合奏協奏曲第八番』よりの「クリスマス協奏曲」

演奏の前のトークで、司会者がこの曲について訊いたのに対し、石田さんは “ヴァイオリンやチェロのソロ的演奏もあるし、昨日リハーサルやった時もいい曲だと思った”旨を話していました。 演奏は石田さんの綺麗な音色が卓越していて、VcもVa   もアンサンブルとして良く合わせる役回りの曲と見ました。あたかもヴァイオリンの独奏曲の様でした。それもその筈、コッレリは作曲家であると同時に優れたヴァイオリニストだったからだと思います。Cbの音がずっしりと下支えをしていて、アンサンブルに厚みを加えていました。

 総じて石田さんはかなり個性の強い演奏家だということが良く分かりましたが、その強烈な印象も確かな技術と音色の美しさの上に成り立っていると思います。強面なイメージがありますが、割とシャイなのではないか、言説の表現が直截的(ぶっきら棒)に太い低い声で発するのもその現われの一つなのでは?と思えました。今回の会場を見渡すとほとんどが女性客、それも中年以上の主婦と言った感じの観客が多かった。石田さんのファンが多く来ているという周囲の声が聞こえる程で、きっと彼のそうした男らしいキャラクターが母性本能をくすぐるのかも知れません。

予定の曲が終わり、アンコール二曲の演奏がありました。

 ⑨ピアソラ『ブエノスアイレスの四季』は、バンドネオン奏者の作曲家がアルゼンチンタンゴにヴィヴァルディの四季などを融合したもので、石田さんの不協和音的重音や伴奏ヴァイオリンの弦を押さえながら指を弦上を滑らせヒューという音を立てる演奏が目に留まりました。石田さんは膝を折り曲げ、時として足を踏み鳴らし背中をかがめて、かなりの強奏をしていました。

アンコール二曲目はロック曲の『紫の炎』。この演奏にはフルートやクラリネットがソロ的に加わり、アンサンブルの皆さんも必至の形相で、力を振り絞って、クラシック的表現も入ったハードなロック的曲を演奏していました。クラシック的ロックというよりもロック的クラシック曲の印象もあります。割と品が良かった。演奏者がクラシック音楽家だからかな?工藤さんも背に漫画を描いたシャツを着て演奏、貫禄を発揮していました。またコハーンさんはソロ部で勢いが有り、力演していました。この演奏途中で拍手が起きた位です。  

 尚今回のコンサートは、ネットで有料同時配信を行っているというアナウンスがありました。アーカイブ配信もやる様で詳細は以下の通りです。

【ライブ中継】
2020年10月14日(水)開場18:00 開演18:30 〜 公演終了まで
【アーカイブ配信】2020年10月15日(木)18:30 〜 10月21日(水)23:59まで

※ライブ中継はリアル公演の開演と同時にスタートします。

※アーカイブ配信では著作権の関係からアンコール曲は配信されません。
リアル公演終了後、アーカイブ配信期間中何度でも視聴可能です。

※配信時間は変更になる可能性があります。

※PC、タブレット、スマートフォンで鑑賞いただけます。

視聴チケット:2000円

チケットは次のサイトから申し込み可能です。

 

【楽天チケット 楽天チケット配信サービス】
●申込先URL:http://r-t.jp/lalala_vol9
●配信に関するお問い合わせ:メールticket-concert@mail.rakuten.com

【チケットぴあ PIA LIVE STREAM
●申込先URL:https://w.pia.jp/t/lalala-pls/
●視聴環境等ご案内
●視聴に関するお問い合せ:電話017-718-3572 メールevent@linkst.jp
平日10:00-18:00 ※公演当日のみ終演1時間後まで対応

【イープラス Streaming+
●申込先URL:https://eplus.jp/lalala-st/
●視聴に関するお問い合わせ
●チケット購入に関するお問い合わせ

 

 

 

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(参考)

昨日(2019.10/4)ミューザ川崎でイ・ムジチ合奏団(Vn6名、Va2名、Vc2名、Cb1名、Cemb1名構成)の演奏会を聴いてきました。  イ・ムジチはそれこそ何十年も前に聴いたことがあるのですが、勿論メンバーは、今とは全く違います(今回は女性Vn奏者が2名)。11月に来日するウィーンフィルやベルリンフィルがマーラーやフルトベングラーの時代のメンバーと全く異なると同様に。オケや室内楽団は名称は同じでも個人演奏家とは違って、当然新陳代謝があります。しかし現在でもイ・ムジチはイ・ムジチ、ベルリンフィルはベルリンフィルなのです。即ちネームバリューは変らない。何十年にもわたって価値を維持する努力は並大抵ではないでしょう。ブランドの維持の問題は例えば音大なんかでも同様だと思います。ブランド力があるから、優秀な学生が集まる、優秀な教育陣を揃えられる。ただし油断するとそこには落とし穴があります。相対的に他より力が落ちていることに気が付かない。学生と教師の力量の相互作用が上昇気流に乗らない場合があるからです。最終的には社会の評価です。あの往年のブランド大学は何処に?という例は何も音大に限りませんが有りますね。話しをイ・ムジチに戻しますと、購入したプログラム冊子によりますと、この楽団の要めであったコンマスが最近若くして急逝したそうです。とても音の綺麗な演奏家だった様です。急遽代役のヴァイオリニストを立てたと書いてある。代役というと先日の英国ロイヤルオペラ最終日のグリゴーロ降板を思い出してしまいました。新しいコンマスどうかな?幾ばくかの危惧を抱きながら演奏会場に入りました。久しぶりの大ホール。演奏者を斜め前から見下ろせる二階席でした。コンマスの顔が良く見える位置。プログラム初めの曲は①コレッリ『合奏協奏曲ヘ長調op.6-2』です。心地よい軽妙な調べが耳に響き始める。今回は前半が所謂バロック音楽の代表選手たちの4曲(②サンマルティーニ『合奏協奏曲ニ長調op.2-6』③エイヴィソン『合奏協奏曲第5番ニ短調(スカルラッティ原曲)』 ④ヴィヴァルディ『4つのヴァイオリンのための協奏曲ロ短調「調和の霊感」』)で、休憩を挟んだ後半が⑤ヴィヴァルディの『四季』でした。イ・ムジチの来日公演は全国七か所を回るツアーで9月下旬から行われており、ミューザ川崎は最後から二番目となる公演でした。各地でのプログラムは後半に『四季』を演奏するのはどこも同じですが、前半が異なり、モーツァルトやヘンデルの歌の処(東京他)も有ればロッシーニ、プッチーニ、ヴェルディの曲目の処(大阪など)、バンドネオン演奏も入れた現代音楽プログラム(金沢)の処も有ります。これらを比較するとミューザ川崎での演奏曲目が一番イ・ムジチの本領を発揮出来て、聴衆にとっても聴きたいプログラムではなかったかと推測されます。

 さて第一ヴァイオリンの新コンマスはどうだったでしょうか。それが最初から最後まで見事な弓さばきで、超絶技巧の速いパッセージも緩やかに鳴らす箇所ももう何千回、何万回も弾いた事があるかのような、これ以上のテクニッシャンはいないのではと思われる程の演奏でした。(もう目をつむっても寝ていても弾けるといった感じ。そうそうこの感じは、過去にリパッツイのピアノ録音演奏を聞いた時の指裁きにもありましたっけ。)兎に角四季もそれ以外の曲も第一ヴァイオリンが大活躍する曲ばかりですね。勿論ヴィヴァルディの曲では各奏者にも活躍の場を設けていますけれど。④では第一から第四ヴァイオリンまで同じテーマを次々と遁走させたり、またチェロと第一Vnが掛け合う曲、それから四季の冬だったかなチェンバロが一人活躍する箇所等々、孤児の合奏団を育てたというヴィヴァルディらしい演奏者を慮る表現、また(今日の演目とは別の曲ですが)バッハに変曲したいと思わせた程多くの表現箇所を有するヴィヴァルディの曲、将に『やはり四季はイ・ムジチ』と再確認出来て大満足のコンサートでした。