HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

NHK『ららら♪レストラン』を見ました

 NHKEテレで金曜日の21時から「ららら♪クラシック」という番組を放送していますが、先週1月17日は・「ららら♪レストラン」と題してピアニストの清塚信也が、作曲家の愛したクラシック音楽に纏わる料理を紹介し、作曲家のエピソードを交えて、ピアノ伴奏で歌手が歌も歌うという興味のある面白い番組です。1/17(金)のその時間はコンサートに行っていて見られなかったので、録画しておき日曜日に見たのでした。
 山本さんという一流シェフがフルコース料理を用意し、前菜からデザート、コーヒーまで、独、仏、伊のクラシック音楽作曲家の好んだ料理を並べていました。
 中でもロシーニの美食家振りは有名ですが、早期の引退後、料理道を根を詰めて
追求し活躍したということから考えると、才能ある人には“天は二物を与える”ものなのですね。 貧しいシューベルトが恐らく好物だったらしい質素な「グラーシュ」を、山本シェフが素晴らしいメインディシュに変貌させ、出演者(髙橋克典司会、石橋亜紗アナ、清塚)の三人が美味しい美味しいと食べていました。その中で清塚さんが“シューベルトは貧しかったので(こんなに美味しい料理を)食べさせてあげたかったですね”と言っていましたが、私もその通りだと思いました。2020.1/18の記事『室内楽演奏会』の中で、シューベルトに関して書きましたが、言いたかったことは将にそう言う事なのです。
 最後のコーヒーカンタータも興味深く聴きました。私の日常生活の一部になっている
曲なので。と言いますのも、大体一日おきくらいに夜コーヒーを入れるのですが(朝は忙しいので)、もう何年になるかな?コーヒーマシーンを買ってからコーヒー入れが随分と楽になりました。以前は豆を小さな木箱に入れ、ガリガリ手回しで粉に挽いて、粉にポットの湯を手で注いで、一杯、一杯手で入れていたのですが、だんだん面倒になって来て、数人分一気に入れられるメリタというメーカーのコーヒーマシーンを導入したのです。その手で入れる時期(もう何年になるかな20年は経つかな?)からコーヒーを入れる時は大体は『コーヒーカンタータ』をかけるのです。ブダペストのFailoni Chamber OrchestraでSopranoはIngrid Kertesiの演奏。30年近く前の随分古い録音で、20年以上前にバッハの世俗カンタータに興味を持った時購入したものでした。当時のドイツで女性がコーヒーを禁じられていた話は今では信じられないですね。
 さて清塚さんは様々な試みをしていることで有名です。テレビ出演は勿論のこと、昨年夏には武道館でのコンサートも開きました。その後「名曲宅配便」と称して都道府県の各地ツアー演奏に精を出されているみたいですね。東京まで音楽を聴きに来られる人は非常に少ないでしょうから、これは大変意義深いことです。地道な活動を積み重ねることにより、クラシック音楽の理解と普及に努めている清塚さんを強く支持します。
 
<訂正>1/20付け記事『残り実、残り葉、残りばな』の中で「Vioretta」と書いたのは「Violetta」の誤りでした。  

 尚、参考まで、武道館のコンサートを聴きに行った時、記録を書きましたので以下に再掲します。

 確かに新聞(うちは朝日ですが)のニュースはしばらくたって、「あれ、あのニュースはその後どうなったのかな?」と時々思うことが有りますね。ネットニュースや週刊誌、テレビでは大分経ってから「・・・のニュースのその後」とか「・・・で世間を騒がせた・・・のその後」などと特集することもある様ですが稀です。新しいニュースが多すぎて、ニュースのフォローニュースを書く暇が無いのかも知れません。
 ところで昨日、8月16日(土)武道館のピアノコンサートに行って来ました(18時~『清塚信也 KENBANまつり』)。以前ネットか何かで「ピアニスト」「武道館」「初公演」という単語が踊っているのを見かけ‘何これ?ポップスかロックコンサート?清塚って誰?’とあまり気にしていませんでしたが、家内なんかの話を聞くと、テレビの音楽やワイドショーの番組では、結構よく見る若手のクラッシックピアニストらしいのです。私はその種の番組はほとんど見ないし、宣伝広告に大々的にのせられている音楽家や、マスコミ露出度の高い派手な音楽家には余り興味が湧かないので、「フーン」と聞き流していました。でもその後いろいろな情報を組み合わせてみると、ピアノの訓練は一応それ相当な経歴を有している様だし、クラシックピアニストの立ち位置で武道館公演をするそうだし、1万人以上も収客力のある武道館でピアノコンサートをするということは、確かにこれまでのクラシック界では無かったことだし(昔、ブーニンが国技館で開いたコンサートを聴きに行ったことがありますが、土俵周りの特設会場は満杯で5000人以上の観客はいたと思う。あの異様な雰囲気の『ブーニン現象(その後萎んでしまいましたが)』は今でも忘れられません。)、これは聴きに行かなきゃーと思い直し、遅まきながらチケットをゲットしました。2階のスタンド席しか取れませんでしたが。公演当日は連日の様に暑い日差しが北の丸公園を覆い、会場を待つ人々を、照り焼きにせんとばかりに夕日が降り注いでいました。開場30分くらい前に入場待ち行列に並んだのですが、入場時間の17時を回っても開場せず暑い中随分と待たされ、17:30分近くになってやっと入場出来たのでした。座席は二階の東側の割りといい席で、ステージの辺りに並んだピアノ2台やその他の楽器を良く見下ろせる場所でした。YAMAHA後援なので、きっとヤマハのグランドピアノなのでしょう、1台がステージ前面のアリーナ座席の真ん前に(ステージ下に)、もう1台がステージの上、真正面に置かれ、前者は響板で蓋をされ、後者は響板が取り払われ調律師が調整の最中でした。ステージにはアップライトピアノ又は電子ピアノもあり、その他、シンバル等の付いたドラムセット、左右に大型映像ディスプレイが1台づつ、ステージの奥の方に暗くて良く見えないのですが、カヴァーをしたグランドピアノらしきものが数台置いてあります。座席についてすぐ場内を見渡した時には心細い位の観客数でしたが、開演時間の18時になると、見た限りでは7~8割方座席は埋まったと思われる。7~8千人もの観客が集まったのでしょうか?でも開演時間が過ぎても公演はなかなか始まりません。5分、10分過ぎてもまだ動きが無い。20分近く過ぎてやっと会場は真っ暗になり、ピアノの音がし出しました。スポットライトがステージのピアニストを浮き彫りにする。①ガーシュインの短曲集のメドレー曲演奏。音が次第に大きくなり、SUMMERTIME, I GOT RITHUM RAPSODY IN BLUEなどと進むにつれて大きな音が会場にあふれ出す。ガサついた聴いたことが無いピアノ音、これってピアノの音?連射砲の様にものすごい速さで音が打ち出され、バンバン、ガンガン、まるで打楽器。そうか、ピアノはもともと打楽器だったんだ!と妙に納得。勿論マイクを通しての増幅音でしょうが、チューニングがうまくいっていないのかな?ピアニストの演奏の仕方なのかな?とてもクラシックピアノ演奏とは思えない。次に奏者はステージから下に降りて1階席に於いてあるピアノに向かいました。②テレビドラマ「コウノドリ」の自作のテーマソング他のリレー曲演奏。これは随分とクラシック演奏らしい、綺麗なメロディー。奏者によると‘今回のこの後援のヤマハCFXグランドピアノを弾くに際し、響板を取り除きかったのだけれど、マイクで音を拾う都合上、響板があった方がいい音が出るそうなのでそのままになった’との趣旨のことを説明していました。そう言えば最初の演奏はステージの上の響板が無いピアノでした。そのせいかな?音が随分荒っぽかったのは。②では学生時代の自作という「いのち」「ポプラの秋」など続く。桐朋高の級友のVcとのデュオ演奏、それに幼な馴染みのVnを加えたトリオ演奏を各人の挨拶、トークを交えて会場の笑いも誘ながら行っていました。まだまだ青臭い語り口は有りますが、仲々のエンターテイナーですね。重奏自体はそういうものかといった感じでした。重奏の時、パーカッションのドラマーが加わる時もあった(演奏者のドラマーは、バンド出身者の様です。)。その迫力はオーケストラの打楽器群の音に比べ、随分存在感が有りますね。電気増幅で迫力が出ている。清塚君、ピアノもポップス、ジャズ、ロックとは違った新しいクラシックの打楽器としての存在感を強めるみちを拡大出来ないものでしょうかね?そういった楽曲を多く作曲して、また新たな演奏法を確立するとか?
 次にスペシャルゲストとして、ポップスのVn奏者「NAOTO」(ダンサーとは別人)が登場、金髪に染め、こうした大会場での演奏にも慣れているのか堂々とした態度で自曲「SANCTUARY」を弾き始めました。流麗な感じのいい曲で、先程の重奏Vnよりか余程クラシック的音が出ていました。それもその筈ポップス奏者と言っても元は藝大出のクラシック奏者だったそうで、今回の主演者の強い要望で、伴奏するから一緒にクラシック的演奏をしようと誘われたそうな。演奏後「清塚さんへ」という今回のコンサートへのオマージュとして書いたと思われる手紙を読み上げました。ここでも清塚節がさく裂、漫才のツッコミ、ボケ的やり取りで開場を沸かせた。NAOTOが‘演奏中に観客が手拍子、手振りをする合図をするから’と求めると清塚は‘そういったロックやポップスの大観客の様なパーフォーマンスは嫌いだから’と嫌がり、また自分を先輩と見ていない(実際はNOTOより一つ年上か?)と嘆いたりして、歯に衣を着せない語りで笑わせていました。これは多分NOTOのポップスの色彩に自分のコンサートが引っ張られてクラシック調が薄まってしまうことを懸念しての発言だったと思います。あくまでクラシックコンサートの基本は死守したいとの願望があるのではと思われた。そうだったら、一曲、純クラシックピアノ曲で、この曲だけはどんなピアニストにも負けないという『おはこ』の持ち曲を身に着け、演奏すべきではなかろうか?ショパンでもベートーベンでもラフマニノフなど何でもいいので。自分の原点をしっかり固め、その上に立った新しいクラシックの領域の開拓を探求するのであれば大いに賛成です。兎に角、作曲もするし器用で、頭が良くて、指は良く動くし、話しも出来る(やや直截的で青臭いけれど)、体力も有りそう、何よりも若いという事(まだ30歳代でしょう)が強い味方。どんどん進め!!かな?(でも、ポリーニの様にコンクールで優勝しても天狗にならず、その後数年間は地道に練習に励んだ、というピアニストもいたことも頭の隅に置いておけば、何かの役に立つかも知れません。)
 さてコンサート次の演奏は、自前のバンドSEEDINGを結成したそのメンバー紹介を兼ねながらの演奏、ここでハッと気が付きました。時間が開演から既に3時間も経っており9時になんなんとしています。実は演奏会に来る前に、親友(もちろん男性、女房より古い付き合い)に「演奏会は通常2時間位だから、夜8時前後には終わるので都内で会えるか?」と電話したら「その時間では遅くて開いている飲食店も少なくなるので、田安門まで行くからそこで午後8時半に待合わせしよう」という約束をしていたのでした。これはまずい遅刻する、私は『有言実行』を旨としているので、延々と続くメンバー紹介を後にして会場を急いで出て、友人に会いわびたのでした(何台ものピアノを使った演奏が聴けなくて残念でしたが)。その後は九段下界隈で、いつもながら軽く一杯やりながらの会食と相成りました。以上、大変変わったクラシックコンサート、でもその発展的意欲性には共感も覚えるコンサートの観戦(清塚さんの顔には喜々とした喜びの中に将に戦っているという苦悩の色も感じた)記録です。