HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

『砂川涼子ソプラノ・リサイタル』

 今日(2019.12.5.木)ソプラノリサイタルを聴いてきました(19:00~@東京紀尾井ホール)。
 演奏が始まる前、ホワイェや会場内で「オヤッ、オーケストラの演奏会などと雰囲気がチョット違うな」と思ってよく見ると、数人のグループや隣同士でお喋りをしている人が多いのです。歌に関係することが多いみたい。きっと歌手の関係者も多く来ているのでしょう。(歌の観客は、歌うにせよ喋るにせよ、声を出すのに慣れている?)
 前半は、ヴィヴァルディとヘンデルのオペラからのアリア、それぞれ2曲、中田喜直さん達の歌曲2曲、知らない作曲家ドナウディの3曲、最後にロッシーニの『ヴェネツィアの競艇』より3曲でした。
 ヘンデルのオペラ「セルセ」や「リナルド」では、『オンブラ・マイフ』『泣かせてください』が有名で聴く機会も多いですが、砂川さんの歌った『喜び満ちて小川は』と『なんて素敵な喜び』は初めて聴きます(正確に言うと初めてでは無いはず、何故ならセルセもリナルドもCDを持っていて、何回か全曲を聴いたことがある筈だからです。)いい曲ですね。今度注意してCDを聴いてみましょう。何を歌うかは、プログラムを貰うまで分からなかったのですが、ロッシーニの曲も入っていることを知って、”これは、コロラテューラが聴ける”と期待したのですが、3曲のうち、二つには、明瞭な箇所は殆ど無かった。第三曲には、あちこちにそれらしい箇所があったと思いますが、ハッキリは聞こえませんでした。
 休憩を挟んで後半のプログラムは、モーツァルト、ドニゼッティ、グノー、ビゼー、各1曲、プチーニ2曲でしたが、ドニゼッティの「ドン・パスクワーレ」より、『準備は出来たわ』をゲスト出演のバリトン歌手上江隼人とデュエットで、歌劇の一節として歌い、大きな拍手を浴びていました。このバリトンは日本人離れした大きな声量を持ち、やや安定しない時も有りますが、将来の活躍が楽しみな歌手ですね。個人的には「カルメン」のミカエラの歌が地味ではあるが、その切ない気持ちが良く歌に表現で来ていて良かったと思います。しかし何といってもすごかったのは、アンコールに歌った「椿姫」でした。ジェルモンとヴィオレッタの有名なやり取りが、演奏会形式のオペラ演奏会といっても良い程長時間に渡り歌われ、素晴らしアンコールでした。歓声と拍手の嵐が沸き起こりました。砂川さんは今回初めて聴きましたが、想像以上のソプラノで、わが国でも指折りのオペラ歌手と言えるのではないでしょうか。