HUKKATS hyoro Roc

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サントリーホール/チェンバー・ミュージック・ガーデン(C.M.G.)オープニングコンサート

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C.M.G.オープニング・コンサート
        堤 剛プロデュース 2026

 
【日時】2026.6. 5.日(金) 19:00〜
【会場】サントリーホールブルーローズ(小ホール)
【出演】チェリスト4名、ピアニスト1名

◯堤剛(Vc.)

〈Profile〉Tsuyoshi Tsutsumi,

    名実ともに日本を代表するチェリスト。桐朋学園で齋藤秀雄に師事。1961年インディアナ大学(アメリカ)に留学、ヤーノシュ・シュタルケルに師事。63年ミュンヘン国際コンクール第2位、カザルス国際コンクール第1位入賞。2009年秋の紫綬褒章を受章。13年文化功労者に選出。24年には、クラシック音楽の器楽奏者として初めて文化勲章を受章した。20年秋、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団日本公演においてソリストを務め、反響を呼んだ。インディアナ大学教授などを経て、現在、桐朋学園大学特命教授(元学長2004~13年)、霧島国際音楽祭音楽監督。サントリーホール館長。日本芸術院会員。

◯笹沼 樹(Vc.)

〈Profile〉

   2022年第20回齋藤秀雄メモリアル基金賞受賞。全日本学生音楽コンクール優勝(2011年)。カルテット・アマービレとしてミュンヘン国際音楽コンクールで第3 位入賞および特別賞を受賞。東響、都響、新日本フィル、スロヴァキア・フィルなど国内外のオーケストラと共演。アルゲリッチ、ダン・タイ・ソン、ヴィトマンなど世界的アーティストとの室内楽でも活躍の幅を広げる。学習院大学卒業後、桐朋学園大学大学院修了。パリ・エコールノルマル音楽院、エリザベート王妃音楽大学(ベルギー) アーティスト・イン・レジデンスにて研鑽を積む。宗次コレクションより1771年製C. F. Landolfiが貸与されている。

◯横坂 源

〈Profile〉

    新潟市出身。桐朋学園女子高等学校(男女共学)、同ソリスト・ディプロマ・コースを経て、シュトゥットガルト国立音楽大学、ならびにフライブルク国立音楽大学で研鑽を積む。13歳で東京交響楽団と出身地である新潟で初協演したことをきっかけに、国内外主要オーケストラと多数協演を果たしている。2001年ビバホールチェロコンクール最年少優勝、10年ミュンヘン国際音楽コンクール第2 位。出光音楽賞、齋藤秀雄メモリアル基金賞、ホテルオークラ音楽賞受賞。現在最も幅広い演奏活動を展開するチェリストの一人である。

◯伊藤悠貴(Vc.)

〈Profile〉

    2011年イギリスにおいて、フィルハーモニア管弦楽団との共演でデビュー。ウィグモアホール史上初のチェリストによる「オール・ラフマニノフ・リサイタル」や、 チェロ協奏曲「カサノヴァ」(管弦楽版)を作曲者である巨匠ヨハン・デ・メイ指揮のもとサントリーホールで世界初演。弦楽器専門誌「The Strad』より「国際舞台の頂点で通用するチェリスト」と評され、世界的弦メーカー・ラーセンの公認專属アーティストに日本人チェリストとして初めて指名される。著書に『ラフマニノフ考』。第17回齋藤秀雄メモリアル基金賞など受賞歴多数。

◯須関裕子(Pf.)

    〈Profile〉

    桐朋学園大学音楽学部卒業、同研究科を首席で修了。16歳で第2回チェルニーステファンスカ国際ピアノコンクール第1位。第18回園田高弘賞ピアノコンクール第3位。第16回宝塚ベガ音楽コンクール第1位。第3回国際室内楽アカデミー(ドイツ)のグランプリを受賞。野平一郎によるピアノ伴奏法講座修了。ソリストとして数多くのオーケストラと協演。室内楽やアンサンブル奏者として国内外の演奏家の信望も厚い。桐朋女子高等学校および桐朋学園大学非常勤講師論(ナンバリズミック)。桐朋学園大学嘱託演奏員。


【曲目】
①ヘンデル(ベイヤー 編曲)『ソナタ ト短調 HWV 393(2つのチェロとピアノ用編曲)』

(曲について)

    ジョージ・フリデリック・ヘンデル(1685~1759)のソナタ ト短調 HWV 393は、1719年頃に作曲されたと推測されている(ただし真正な作品かどうかは不確かとされている)。 オリジナルは、2つのヴァイオリンと通奏低音のための作品であるが、本日は、20世紀前半にハインツ・ベイヤーによって編曲された、2つのチェロとピアノのための版が演奏される。バロック時代の器楽曲の形式の一つである教会ソナタの構成に従い、緩→急→ 緩→急の4つの楽章からなっている。ゆったりと美しい旋律が奏でられる第3楽章は単独でも演奏される。

 

②ビゼー(山本祐ノ介 編曲)『カルメン幻想曲』(チェロ四重奏用編曲版)

(曲について)

    ジョルジュ・ビゼー (1838~75)のオペラ『カルメン』の舞台はスペインのセビリャ。恋多きロマの女、カルメンは、衛兵ホセを誘惑するが、闘牛士エスカミーリョに心変わし、最後はホセに殺されてしまう。

本日は、チェロ奏者で指揮者、作編曲家でもある山本祐ノ介が編曲したチェロ四重版『カルメン幻想曲』(「前奏曲」「闘牛士の歌」「アラゴネーズ」「ハバネラ」「ジプシー(ロの踊り」などを含む)が演奏される。


③ポッパー『レクイエム 作品66(3つのチェロとピアノ版)』

(曲について)

    ダーヴィト・ボッパ(1843~1913)は、プラハに生まれ、チェリストとしてウィーン宮狂歌劇場管弦楽団やヘルメスベルガー弦楽四重奏団などで活躍した。この「レクイエム」 は、楽譜出版社を経営し、ポッパーの友人でもあった、ダニエル・ラーターの思い出に捧げられている。作曲は1891年頃。オリジナルは3つのチェロとオーケストラのための作品であるが、本日は3つのチェロとピアノの版で演奏される。


④リムスキー゠コルサコフ(ヴァルガ 編曲)『熊蜂の飛行』(チェロ四重奏用編曲版)

(曲について)

    リムスキー・コルサコフ(ヴァルガ編曲): 「 熊蜂の飛行」(チェロ四重奏用編曲)

「熊蜂の飛行」は、もともと、ロシアのニコライ・リムスキー・コルサコフ (1844-1908) のオペラ『皇帝サルタンの物語』で、グヴィドン王子が魔法の白鳥の力で熊蜂に変身し、 父親であるサルタン皇帝のいる宮殿へと向かうシーンの音楽として書かれた。無窮動的な16分音符の半音階の動きが熊蜂のブンブンという羽音を模倣している。本日は、ハンガリー出身で、ニューヨーク・フィルの首席チェロ奏者も務めたラースロー・ヴァルガ (1924~2014)による編曲版をチェロ4人で弾く。


⑤ピアッティ『セレナード ニ長調(2つのチェロとピアノ版)』

(曲について)

    アルフレード・ピアッティ (1822~1901)は、イタリアのチェリスト、作曲家。セレナードニ長調は1885年頃に書かれたと推測されている。2つのチェロが幅広い音域を奏でる序奏のあと、アンダンティーノの主部に入り、ベルカント・オペラのような美しい旋律が歌われる。

 

⑥フィッツェンハーゲン『アヴェ・マリア』作品41

(曲について)

    ヴィルヘルム・フィッツェンハーゲン(1848~90)はドイツ出身のチェリスト、作曲家。

モスクワ音楽院教授を務め、チャイコフスキーの『ロココの主題による変奏曲」の初演者 (及び改訂者)として名を残している。フィッツェンハーゲンは、チェロのための作品を数多く残したが、彼の『アヴェ・マリア』は、それほど多いとはいえないチェロ四重奏のために書かれたオリジナルの作品の一つとして、広く演奏されている。心温まる旋律がゆったりと歌われるアダージョの小品。


⑦J. S. バッハ(ヴァルガ 編曲)『無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調 BWV 1004』より 第5曲「シャコンヌ」(チェロ四重奏用編曲版)

(曲について)

     ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685~1750)の「シャコンヌ」は、無伴奏ヴァイオリン・ パルティータ第2番の終曲(第5曲)にあたる。シャコンヌとは古い舞曲の一種であり、 低音の主題が繰り返されるなかで変奏が展開される。この「シャコンヌ」では、冒頭のニ短調の重厚な主題が変奏され、中間部ではニ長調に転じ、圧倒的な音の構築物が作り上げられていく。これも、『熊蜂の飛行』と同じく、ヴァルガによるチェロ四重奏版で演奏される。

 

【演奏の模様】

①ヘンデル(ベイヤー 編曲)『ソナタ ト短調 HWV 393(2つのチェロとピアノ用編曲)』

    一般的には2つのヴァイオリン(またはオーボエ、フルート)と通奏低音のために書かれた室内楽ですが、ハインツ・ベイヤー(Heinz Beyer)の手によって、チェロ二重奏や他の楽器のアンサンブル向けにトランスクリプション(編曲)された版が存在します。 
    この編曲版は、ヘンデルの美しいバロック音楽の対位法や旋律の美しさを、弦楽器などの特定の編成で効果的に響かせるよう構成されています。

舞台向かって左:伊藤(Vc.)

舞台向かって右:横坂(Vc.)

舞台向かって奥:須関(Pf.)

(敬称略)

 

◯全四楽章構成

第1楽章Andante 
第2 楽章Allegro

第3楽章Largo  

第4楽章Allegro 

    伊藤さんが高音域を弾く時が多かった様に思います。横坂さんが低音域を担当、その逆の場合でも、二人のアンサンブルは息が合い、須関さんの伴奏も適宣、的確に 入っていました。ただ最初の曲だったからか、伊藤さんの音色に繊細さがやや欠けていた様に思え、また曲全体としてヘンデルの曲らしさが十分に出ていなかった様に思われました。


②ビゼー(山本祐ノ介 編曲)『カルメン幻想曲』(チェロ四重奏用編曲版)

    左から、堤、横坂、伊藤、笹沼という布陣のチェロカルテットでした。

『カルメン幻想曲』という曲名から、ヴァイオリンの『カルメン幻想曲』のチェロ編曲版か、とはやとちりしてしまいました。そしたら演奏から流れ出てきた調べが、よく知っているオペラのアリア等だったので、プログラムを良く見ると❝ビゼー作曲❞と書いてあるではないですか。ヴァイオリンの方はサラサーテ作曲ですからその曲の「幻想」だと思ったのは幻想だった訳です。

    よく知られたオペラ・カルメンの

有名アリアや有名オケ曲の変奏のオンパレードで、各奏者の(カノン的)リレー奏で軽快に楽しそうな雰囲気が出ていた演奏でした。中でも最高齢(83歳)の堤さんが、テーマを主導で弾く時や合の手の処々で音程を(恐らく意図的に)少しずらしてすぐに戻す調べは、如何にも年期が入った感じが出ていて、味深い趣きを醸し出していました。

 

③ポッパー『レクイエム 作品66(3つのチェロとピアノ版)』

    左から横坂、伊藤、笹沼、三チェリスト、そして中央奥にピアノの須関さんが登場しました。

 

  冒頭の横坂+伊藤の二者に加え、少しおくれて入った笹沼の三者の調べは如何にも何かに対しての哀悼の意の表現といった風の、ゆったりと進む沈んだ調べでした。Vc.三者のアンサンブルは、大分溶け合った美しいいい響きでした。その後のビアノの高音もいい音。10分もかからない比較的短い曲でしたが、しめやかに閉じたのです。チェリスト三者は本領を発揮し初め、特に伊藤さんの調べが、立ち上がり時より遥かにいい音

を立てていました。


④リムスキー゠コルサコフ(ヴァルガ 編曲)『熊蜂の飛行』(チェロ四重奏用編曲版)

    四チェリストによるカルテット、左から、笹沼、伊藤、横坂、堤の順に席に並びました。これは、四者による、猛烈な速さの調べのオンパレードで、旋律奏にPizzicato奏も絡めたりカノン的変遷や、旋律も速いパッセッジを上行・下行させたり、確かにヴァイオリンの高音の「熊ん蜂」より、チェロに依る音の方が、体のズングリした熊ん蜂の飛行らしいものでした。2分にも満たない非常に短い曲でした。

 

《20分の休憩》


⑤ピアッティ『セレナード ニ長調(2つのチェロとピアノ版)』

    左から、笹沼、横坂、そして奥にピアノの須関さんです。

   先ず切れ味の良い須関さんのピアノの調べでスタート、次いで笹沼さんがおもむろに、クネクネと第1Vc.

奏で入り、それに続いた横坂さんが同じパッセッジを繰り返して、更に横坂⇒笹沼でアンサンブルは力強く且つとても良く溶け合っていました。ピアノが高音域の音を立て、下行した辺りでは、笹沼さんが立てた調べを、横坂さんが笹沼さん以上の軽やかさで繰り返し、更にピアノが入った後、両チェリストが速い掛け合いを力強く展開、ソロ旋律も、二重奏もとても美しく響きあいました。

    この曲の演奏がこの日一番の素晴らしい演奏だと思いました。これを聴いた満員のブルーローズの観客も同様に思ったのでしょう、それまで以上の拍手・喝采で応えていました。

 

⑥フィッツェンハーゲン『アヴェ・マリア』作品41

    この曲は、チェロのみの重奏で弾かれ、チェロの台数は様々、2〜多い時は8台もの編成(カルテット✕2)になることも有る様です。今回は、

左手から、横坂、伊藤、堤、笹沼の布陣でチェロカルテットの演奏開始です。

  非常に重厚な落ち着いたアンサンブル(重奏)が続き、如何にも聖マリアの面前で、マリアさま、お会いして感激ですとひたすらお祈りする姿を彷彿とさせる敬虔な演奏でした。この曲も数分の短い曲でした。


⑦J. S. バッハ(ヴァルガ 編曲)『無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調 BWV 1004』より 第5曲「シャコンヌ」(チェロ四重奏用編曲版)

    いよいよ最後の曲です。このシャコンヌは、バッハの名曲中の名曲で様々な楽器の編曲版で演奏されます。つい最近ですと、6月1日(月)に、横浜みなとみらいホールで、ロシアのピアノの巨人マツーエフが、来日公演し、ブゾーニ(伊→独の作曲家兼ピアニスト)編曲のピアノ版「シャコンヌ」を弾いたのを聴きました。ピアノ版でも、とても素晴らしく聴き応える曲ですから、四人のチェリスト用の編曲は、元々のヴァイオリン曲よりも重厚で、分厚いフーガの響きを予想していましたがやはり思った通り、あのもともと非常に宗教的な深い響きが、今回の四人のチェリストにより一層深められ、また膨らませられた感がして、今回のオープニングの最後を飾る曲として最高の選曲だったと感動しました。

演奏が終わると、満員のブルーローズの観客からは、大きな拍手が沸き起こりました。

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尚、その後アンコール演奏が二曲ありました。何れも短い曲でしたが、素晴らしかったです。

《アンコール演奏曲》

1、ポッパー:『妖精の踊り』作品39
2、カザルス(石島栄一編曲):「鳥の歌」

 

    処で、先月エリザベート国際コンクールで、ファイナルに進出した北村陽さんに関して、以下の様な記事が、朝日新聞の6月1日付朝刊に掲載されました。以下の通りです。

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//チェロ 北村さん5位エリザベート国際コン//

    世界3大音楽コンクールのひとつ「エリザベート王妃国際音楽ンクール」のチェロ部門で、兵庫県出身の北村陽さん (22)が5位となった。ベルギー・ブリュッセルでの最終選考後の5月31日未明に発表された。

同コンクールはチャイコフスキー、ショパンと並ぶ最高峰の国際コンクールと位置づけられている。18歳から30歳までの若手音楽家が対象で、国際的な演奏家への登竜門のひとつとされる。

北村さんは「率直に喜べる結果ではないので、原因を探っていきたい」と悔しさをにじませつつも、 「熱狂的なお客さんに自分の音楽を覚えてもらい、うれしい言葉をたくさん頂いた。これからの音楽人生にいかせるように頑張っていきたい」と話した。

〈最終選考で演奏する

  北村陽さん=5月26日〉

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ベルギー・ブリュッセル、エリザベート王妃国際音楽コンクール提供〉

 

(ブリュッセル=西尾邦明、編集委員・吉田純子)

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    北村さんは、世界の若手チェリストの俊英達が集まるコンクールで、5本の指に入ったのですから大したものです。今後の益々のご活躍と、更なる高みを目指して、精進される事を祈念します。