今週七日(火)にルイージ指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏で、ウェーバの「オベロン序曲」他を聴きましたが、ベルリンフィルをキリル・ペトレンコが指揮して、同じ「オベロン序曲」とチャイコフスキ「交響曲第6番」を演奏した配信を、ベルリンフィル・デジタルコンサートホールで見ましたので、その様子を以下に記します。
【鑑賞日時】2023.11.9.
【会場】ベルリンフィル・デジタルコンサートホール
【管弦楽】ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
【指揮】キリル・ペトレンコ
【曲目】
①ウェーバ『歌劇オベロン序曲』
②チャイコフスキー『交響曲第6番<悲愴>』
【演奏の模様】
①ウェーバー『オベロン序曲』
冒頭のかすかなHr.の調べは、シュテファン・ドールさん、こんなに弱い音を安定して出すのは高等技術の一つなのでしょうね。
すぐVn.弦楽奏が続きます。
Va.奏が続き、Trmp.とTimp.が、
ここで注目なのは、曲半ばでAllegro con brioの速いテンポの強奏に入る時のペトレンコの指揮振りです。一瞬狙いを定めた鷹の様に体を高みから急降下、体を折り曲げて思いっ切り渾身の力を込めてタクトを一振りし、ジャンの一声、オケを速い全楽奏に導いた箇所です。ホンの一秒、いや一瞬、須臾でした。動画で見ればよく分かるのですが、動画をコピーし貼り付けるのは、よく考えれば著作権侵害の恐れが有りますし、連続画像では速すぎてその瞬間、瞬間が捉え難いですね。
勢いよく各パートに伝播して行くアンサンブル、Vc.のタララッタター、タララッタターと二回繰り返される短調旋律とテンポが何故か印象にのこります。
この旋律とリズムは、弦楽アンサンブルのテーマとなり上行し浮遊すると、再びドールがHrn.の渋い調べを響かせると、Cl.が騎士ヒュオンのアリアのテーマソングを地味に響かせるのでした。
r
その後管楽器と弦楽の掛け合いとなり、先ず弦楽器が小刻みな速いリズムで旋律を奏でてクレッシンドしていくとTrmb.が頭を抑え
続いてFl.と弦楽奏の掛け合いとなりました。
この軽快な弦楽アンサンブルの調べは、何回も繰り返され管楽器共々最後まで駆け抜けるのでした。
以上のペトレンコ・ベルリンフィルの演奏と先日のルイージ・コンセルトヘボウ響の時とを比較すると、その素晴らしさは甲乙つけ難いですが、敢えて言うならば、ベルリンフィルの全体的な安定性がやや優位だったかなと思いました。
もうキリル・ベルリンフィルは既に来日したか或いはする間際でしょう。来週初めからは、高松、名古屋、姫路、大阪と南を攻めて、それから首都圏に迫り、11/21にはミューザ川崎、そして東京に上京しサントリーで五日間の演奏をすることになっているのです。待ち遠しいですね。そしてそれに先んじるのはウィーンフィルの演奏会。既に名古屋公演は済み、大阪が今日(11/11)、そして明日から東京、横浜です。曲目は異なりますが、ベルリンフィルとウィーンフィルの響きを日本国内に居ながらにして、ほぼ同時期に聞き比べられるとは、こんな贅沢は二度とないかも知れません。