【主催者言】
PMF初参加となるトーマス・ダウスゴーが指揮者に登場します。数多くの作品録音に意欲的に取り組み、シアトル交響楽団首席客演指揮者、同団音楽監督などを歴任。
コンサートの前半は、昨年PMFオーケストラとの共演、室内楽の演奏でPMFデビューを飾り大変好評を得た金川真弓をソリストに迎え、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲をお聴きいただきます。
教育への高い関心をもち、独創性と革新性に満ちたプログラムを得意とするダウスゴーが、PMFオーケストラと挑むメインプログラムは、ブルックナーの交響曲第9番(第4楽章付)。今回演奏する補筆完成版(SMPC編、1984-2012)は、原典に基づき丁寧に作成されたことと、サイモン・ラトルの提唱によりベルリン・フィルが録音したことで、世界的に注目が集まっています。80分余りの大曲に挑戦する若き音楽家たちの渾身の演奏をご堪能ください。
【日時】2023.8.1.19:00~
【会場】サントリーホール
【管弦楽】PMFオーケストラ
【指揮】トーマス・ダウスゴー
<Profile>
デンマーク生まれ。独創性と革新性に満ちたプログラム、教育への高い関心、賞賛された70作品以上の録音、そして鋭い洞察力が高く評価されている。1988年シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭にてバーンスタインのマスタークラスを受講。90年には岩城宏之に師事し、その後小澤征爾の指名によってボストン交響楽団のアシスタント・コンダクターをつとめた(93-95)。スウェーデン室内管弦楽団首席指揮者、同団桂冠指揮者、トスカーナ管弦楽団名誉指揮者、BBCスコティッシュ交響楽団首席指揮者、シアトル交響楽団首席客演指揮者、同団音楽監督などを歴任。2009年、デンマーク国立交響楽団首席指揮者として豊田泰久と密接に連携し同団の新しいホールであるDRコンサートホールの音響設計を行い、ホールのこけら落としを指揮した。デンマーク女王より騎士道十字章を授与され、スウェーデン王立音楽アカデミー会員にも選出されている。
【独奏】金川真弓(Vn.)
<Profile>
金川真弓は、ドイツ生まれ。4歳から日本でヴァイオリンを始め、その後ニューヨークを経て、12歳でロサンゼルスに移る。現在はベルリンを拠点に演奏活動を展開させている。 ハンス・アイスラー音楽大学でコリヤ・ブラッハーに、また名倉淑子、川崎雅夫、ロバート・リプセットの各氏に師事。
使用楽器は、日本音楽財団貸与のストラディヴァリウス「ウィルへルミ」(1725年製)音楽への専心と、豊潤かつ深い音色で奏でられる音楽性が聴衆を魅了している。2019年チャイコフスキー国際コンクール第4位、18年ロン=ティボー国際音楽コンクール第2位入賞および最優秀協奏曲賞を受賞し、一躍注目を集める。
これまでに、プラハ放送交響楽団、マリインスキー劇場管弦楽団、ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団、フィンランド放送交響楽団、ベルギー国立管弦楽団、フランス国立ロワール管弦楽団、モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団等と、日本では、NHK交響楽団、読売日本交響楽団、東京都交響楽団、東京交響楽団他多くの管弦楽団と共演
【曲目】
①メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op. 64
②ブルックナー:交響曲第9番ニ短調(補筆完成版 SMPC編)
(曲について)
ブルックナーが取り組んだ最後の交響曲。1896年10月11日に作曲者が他界した際に完成していたのは第3楽章までであり、最後の第4楽章は未完成のまま残された。実際の演奏では、実演・録音とも、完成している第3楽章までで演奏されることがほとんど。第4楽章の草稿が少なからず残されているため、それに補筆して完成させる試みも行われている。
1983年に始まった、ニコラ・サマーレ、ジョン・フィリップス、ベンジャミン=ギュンナ―・コールス、ジュゼッペ・マッツーカ(以降「SPCM」という。)の編集チームによる終楽章・フィナーレ復元の取り組みは、フィリップスによるブルックナー自筆譜の復元(1994年、1999年)および原稿の複製版の出版(1996年)として結実し、ブルックナー全集において憶測ではなく資料に裏打ちされた音楽学的見解に革命をもたらした。フィリップスとコールスはそれぞれ第9番に関する博士論文を執筆した。
失われたページがあるという事実は変わらないが、終楽章についてはかつて信じられていたよりもはるかに多くの原稿が残っており、そこには完全なコーダの手稿も含まれている。残された手稿からは、作品の基本的なモティーフや和声の継続性が明確である。欠けた部分のほとんどは、作曲の前段階や途中で残したスケッチから再構築することができた。和声と対位法を教えていたブルックナーは、非常に方法論的かつ理論的な見地に富んだ作曲家であり、彼の芸術的な決定は解釈可能な作曲の論理に従っていた。そのため、作曲の連続性やオーケストレーションの再構築は、見かけほど主観的ではない。今回はこのSPCM輔弼版で全四楽章が演奏される。
(PMFオーケストラについて)
国際オーディションで選抜される18歳から29歳、国籍もさまざまな若手音楽家で編成する「PMFオーケストラ」は、世界トップレベル・アジア随一のユースオーケストラと評され、そのみずみずしく熱のこもった演奏は、多くの人から評価されている。
1990年に20世紀を代表する指揮者、作曲家のレナード・バーンスタインがロンドン交響楽団とともに北海道札幌市で創設した国際教育音楽祭、フェスティバル札幌(Pacific Music Festival Sapporo 略称:PMF、ピー・エム・エフ)の中核オーケストラとなっている。
最初の構想では開催地は北京であったが、1989年6月の天安門事件の発生により、当地での開催を断念。 PMFアカデミーの研修場所にふさわしい札幌芸術の森やオーケストラの演奏会ができるホールの存在、北海道には予定した開催時期に梅雨がない、などの理由によって札幌が開催地に選ばれた。
【演奏の模様】
①メンデルスゾーン『ヴァイオリン協奏曲』
楽器構成 二管編成弦楽五部12型(12-10-8-8-4)
演奏時間約30分 全三楽章構成。
第1楽章 アレグロ・モルト・アパッシオナート ホ短調ソナタ形式
第2楽章 アンダンテ ハ長調三部形式
第3楽章 アレグレット・ノン・トロッポ 〜 アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ ホ短調→ホ長調ソナタ形式
金川さんのこの曲の演奏は、今年4月の都響の演奏会の時、聴いたばかりで、聴いた感想は今回も似たり寄ったりのものでした。参考までその時の記録を、文末に《抜粋再掲》して置きます。
金川さんのVn.の音色は、伝統的な潤いある甘い流麗なものというよりも、すっきりした切れ味の良いかなり乾いた調べで、例えれば、現代組織のオフィスでバリバリ 力を発揮して活躍するWoman Powerを感じさせられる様な力の籠った音です。特にカデンツァでの重音演奏は力強さが出ていて魅力的、欲を言えば低音演奏がさらに重さを増し太い音で鳴れば魅力倍増だと思います。ただ上記《抜粋再掲》でも記している様に、高音部ですこし不安定になる時がありました。例えば、今回は、第1楽章の終盤部など。又ハーモニックス音が金属的すぎる箇所もあり。全体的にかなり高度の技術を遺憾なく発揮していました。
第2楽章は前楽章のFg.の響きが続きそれを木管楽器が引き継いだ辺りでソロVn.が入りました。ややテンポが速いかなと感じた。オケの全奏の後の重音が少し不鮮明に聞こえる箇所有り。Pizzicato奏の後の重音演奏は問題有りません、綺麗に聞こえました。
最終楽章の速い勢いのあるパッセジも、金川さんは前楽章より益々勢いに乗って軽々と弾き切りました。この楽章、Timp.の活躍がリズムを刻みオケを鼓舞して、華ばなしいフィナーレへと突入したのでした。Timp.は女性奏者でした。
金川さんは最後まで管弦楽との相性が良いと見えて、オケもソリストも、指揮者も相手をしっかり見ながら(音を聞きながら、動きを察知しながら)発音していたのは、若い楽団員達とは言え、流石だと思いました。高レベルの選抜を経て、高い指導を受けて来たオケ団員と一流ソリストと名伯楽の牽引力の総結集された演奏は、大変見ごたえ、聴きごたえが有りました。それが次のブルックナーの演奏に遺憾なく発揮されることになるのです。
尚、コンチェルト演奏後金川さんは、何回か舞台と袖を往復した後、ソロアンコール演奏をし始めました。
《アンコール曲》ガーシュウィン(ハイフェッツ編)『サマータイム』
短い曲ですがしみじみとし、しかも音階の変化が連続的な箇所も数回見られ大変面白い演奏だと思いました。
金川さんは大変人気があるのですね。大入りの観客席からは盛大な拍手と歓声も飛んでいました。
ソロカーテンコールに応じる金川さん
②ブルックナー『交響曲第9番』
ブルックナーの交響曲は最近あちこちで演奏されているので、ここ一年間でも結構聴きに行っています。
2022.10.『7番』ラトル・ロンドン響、2022.12.『2番』ルイージ・N響、2022.12.『4番』インバル・都響、2023.3.『4番』飯森・パシフィックフィル、2023.3.『8番』上岡・新日フィル、2023.6.『5番』ミンコフスキ・都響、 2022.7.『9番』ダウスゴー・PMFオケ、
ご案内の様にブルックナーの交響曲に関しては、特に死後、修正版、改訂版、補遺稿などが多く出されており、これは彼の生前の作曲手法の一手法が弟子や関係者に引き継がれたと言って良いでしょう。
今回の演奏は交響曲9番です。 この曲について、若干捕捉します。
作曲着手は、1887年8月で、この時、第8番の第1稿は完成していましたが、演奏拒否により初演できず、そのため交響曲第9番の作曲は延期し、第8番の改訂やミサ曲の改訂、またさらに以前の交響曲の改訂などを行ったため第9番の作曲ができないまま、主に改定作業で数年間が過ぎてしまい、第9番の作曲は1891年になってやっと再開することが出来ました。そして1894年に第3楽章まで完成させます。再開した後も、かなり時間がかかっています。
この間ブルックナーは健康状態が思わしくなく、5階の部屋への階段の上り下りにも苦労する状態でした。そこで、オーストリア皇帝の配慮でベルヴェデーレ宮殿の平屋の管理人用住居が与えられました。その場所で最後の第4楽章の作曲を続けましたが、完成する前に世を去ってしまいます。1896年10月11日のことでした。
死期を悟ったブルックナーは、第4楽章の代わりに『テ・デウム』を演奏することを希望しました。しかし、各楽章とも20分以上の大作であり、規模が大きく完成度も『テ・デウム』より高いことから、第3楽章までで演奏を終えるのが普通でした。
初演は1903年2月11日に、ブルックナーの弟子の一人であるレーヴェの指揮によるウィーンフィルの演奏で行われました。しかし、この時、演奏されたのはレーヴェにより改訂されたヴァージョンでした。この曲の特徴であるグロテスクさのある不協和音などは、変えられていました。
その後、弟子たちの改訂を取り除いた原典版を作成することが出来て、これは1930年代になってやっと演奏されました。
現在の1楽章から3楽章のバージョンはハース版とノヴァーク版がありますが、ブルックナーの書いた原典版をもとに作成されており、極端な差はありません。第4楽章は、最近になって色々な人により輔弼復刻の試みがされており、今回はサマーレ、フィリップス、コールス、マッツーカの人達による補筆完成版 (2012年)に従って演奏されます。
第1楽章Feierlich, misterioso
第2楽章. Scherzo. Bewegt, lebhaft – Trio. Schnell
第3楽章. Adagio. Langsam, feierlich
第4楽章Finale. Misterioso, nicht schnell
三菅編成弦楽五部14型。
トレモロの響き次第に大きな音に鳴って行くと金管群が堂々と分厚い斉奏を響かせ次第に全管弦の全奏に至りそれが下行していきます。これは将にブルックナーの醍醐味。その後Fg.の合いの手が入ると曲相が変わり、弦の穏やかな調べ(第2主題)が滔々と流れCb.がずっしりと低音部を押さえ、非常に耳当たりが良い箇所でした。続いて1Vn.中心のアンサンブルにFl.が合の手を入れ、さらに⇒弦楽⇒Hrn.⇒Vc.アンサンからゲネラル パウゼ(以下G.P.と略)に至る弦楽の美しさも素晴らしい。この楽章でも何回かG.P.と予期せぬ曲相の変化があり、この楽章だけで約30分もかかるという壮大な建築物の予感がしました。2楽章、3楽章、さらには4楽章と続くのですから気が遠くなる様な思いもしました。
第2楽章はスケルツォで、打って変わってテンポが速い軽快な音楽になります。木管の調べを背景に弦楽の速いPizzi.が縦横な音の動きを示したかと思うと、次に全楽の全奏でジャジャジヤツジャツジャンジャンジャンジャンといきなりエンジンがかかったポンプの様に大きく音を吐き出した。こりゃ迫力満点。この楽章、それが何回か(確か3回?)繰り返されました。このリズムと旋律が一番印象が深いです。
第3楽章、1Vn.アンサンがゆっくりと低音から高音さらに低音へとうねるが如き動きを見せ、背景ではHrn.の静かな調べが響き、途中からVc.アンサンブルの太い調べが鳴り始めるとFl.音が合の手を入れ再度Hrn.が滔々と鳴らされるのでした。
最終部の強奏では天と地がひっくり返るのではと思われる程のオーケストラの鳴らす轟音に、一種魂の叫びを感じる程でした。
最後は、自身の交響曲第8番第3楽章の冒頭や第7番第1楽章の第1主題などが、回想され、平穏な雰囲気で曲を閉じます。
第4楽章:
さて、補筆の第4楽章です。唐突に始まりました。ダイナミックで、斉奏が主題を表示します。輔弼者たちはあたかもジグソーパズルを組み合わせるようにブルックナーの素描(スケッチ)を組み合わせて編曲・補足していったのでしょうか?推敲には気が遠くなる様な時間が掛かったでしょう。
近代絵画特にピカソの絵画でも見ている感じです。以前も書きましたが、ブルックナーの交響曲は、一種モザイク画のようです。曲のG.P.で区切られる曲の断片、若しくは短い息継ぎの後の曲相の変わる一つの断片から別な断片へと変遷する、この断片を大きなカンバスに嵌め込んで、全体としての構築物を作曲していく手法、この手法は見方によってはカタルニアのサグラダ・ファミリアの建築物造成の手法に類似しているかも知れない(時系列駅にはその逆かも知れない)。先だってNHKで放送していたのを見ると、あの巨大な建造物をほんの一部の入り口の石組や飾り立ての彫刻をどの様にするか、全体設計図のない中で詳細設計を時には図面無しで職人技で部材を組み立てて構築する、その気が遠くなる様な作業が遂には終わりに近づき、壮大な寺院の完成に至るという道筋です。ブルックナーは、特に教会と密接につながりを持った人ですから、幾多の教会でオルガンの音を就中「即興」で弾いて出した時、その様々な響きの変化を心の中に沢山しまい込んでいたに違いありません。そうした部材を交響曲の作曲の際に持ち出して利用し、しかもG.P.とは、次の素材をどう弾き出してどの様に使うか考えた痕跡なのかも知れません。
実際この4楽章を聴いてみても、G.P.が何回も出て来ていて、その直前の曲素材の終盤は、旋律、和声、リズム、何れかに於いて素晴らしい響きを持ったものばかりで、しかも1楽章〜3楽章と比べてもいくばくの齟齬も違和感もない、最終楽章としての風格を感じる曲でありました。これを補遺・補筆した人々の苦労と工夫は将にブルックナーが作曲に際して生みの苦しみを味わったのと同じ様なものではなかったでしょうか。
何れにしても今回のPMFオーケストラという常設ではないですが、その素晴らしい伝統を引き継いで来て、又今後も引き継いで行くであろう楽団の、素晴らしい技量と若さ溢れる勢い、さらにはそれを現実の音として発現させたトーマス・ダウスゴーという指揮者に脱帽です。
////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////2023.4.26.HUKKATS Roc.《抜粋再掲》
【日時】2023.4.26.(水)14:00~
【会場】池袋・東京芸術劇場
【管弦楽】東京都交響楽団
【指揮】小泉和裕
【出演】金川真弓(Vn.)
【曲目】
①ヴェルディ/歌劇『運命の力』序曲
②メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 op.64
③メンデルスゾーン/交響曲第3番 イ短調 op.56 ≪スコットランド≫
【演奏の模様】
今日の芸劇は、平日の午後早い時間帯にもかかわらず、正面の高台席の空席が目立つ他は、各ブロックとも多くの聴衆が詰めかけて8~9割の入りでした。熱気を感じる程です。
①ヴェルディ/歌劇『運命の力』序曲
<割愛>
②メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 op.64
楽器群は協奏曲シフトで幾つか減ぜられた。Cb.(8→6)Vc.(8→6)Hrn.(4→2)Vn.は2減か?打はTimp.のみ。Hp.、大太鼓、シンバル等は去る。 三楽章構成。
・第1楽章 アレグロ・モルト・アパッシオナート ホ短調
・第2楽章 アンダンテハ長調
・第3楽章 アレグレット・ノン・トロッポ 〜 アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ ホ短調→ホ短調
この名立たる名曲は大抵のヴァイオリニストであれば、練習を含め数え切れない程弾いてきている筈だから、完全無謬に弾くことが求められるのでしょう。今日の金川さんも将にそうでした。全体として目立った欠点はほとんど見当たらなかった。敢えて言えば、冒頭の出だしはやや金属音が残っていたかな?金川さんの音の性状は粘性のものでは無く、さっぱりとしたあっさりとまで言えるものでした。これは決して軽いという意味ではなく、例えば第一楽章のカデンツァにおける冒頭のくねくねに続く低音部のズッシリした響きや低音重音の深い音は素晴らしかったし第三楽章冒頭の低音部のソロ音から始まる演奏は見事でした。ただ高音部で僅かに不安定な時も散見されましたが、どうと言う程の事ではなく、総じて高音域でも綺麗な音が出ていました。例えば第二楽章で、テーマソングを繰り返す二回目の演奏での高音パッセッジの箇所や、特に第三楽章では後半の速い小刻みの縦横に音が乱高下する旋律の高音部分ははっきりとしっかりと音が出ていたし、演奏自体もこの終楽章が波に乗っていたというか、馬力も十分残っていて一気に弾き切りました。会場からは大きな拍手がいつまでも鳴り響きました。歓声もあったと思います。
《20分の休憩》