暦の上ではもう夏なのでしょうか。歴書によれば、❝立夏は旧暦四月の巳の月の正節で、新暦五月五日頃(今年は5/6)です。山野に新緑が目立ち始め、風も爽やかになって、いよいよ夏の気配が感じられてきます❞との記載がある。確かに新暦(太陽暦)は旧暦(太陰暦)よりも一ヶ月近く早い暦なので、日本古来からの季節感では、まだまだ早いと感じる事が多かったのですが、それも当てはまらなくなって来ている昨今です。作日の全国の天気概況を見ても、ホントにもう夏かなと錯覚する程の暖かい太陽の日差しが照りつけ、しかも爽やかな緑風が心地良く吹いた地域も多かったでしょう。矢張り温暖化の影響があるのでしょうか?温暖化、温暖化と騒がれ始めて久しい気がします。暑くなると(猛暑の年なぞ特に)温暖化が懸念されても、時には季節外れの寒い日も結構あったので、そうすると温暖化は忘却されてしまう、その繰り返しだったような気がします。でも様々な指標を平均すると、地球はじわじわと温暖化の方向に向かっている事に間違いはないでしょう。世界的に温暖化と騒がれ始めたのは、1988年頃からでした。IPCCという国際機関が設立され、各国の研究機関が気候予測のシュミレーションをし、その温暖化予測計算(今で言えば天気予報の世界規模版といったところ)結果を初めてまとめて公表することになったのです。計算結果はやはり温暖化の方向を示し、主要国、特に米国では、炭素燃料の消費抑制のための「炭素税」の是非を議論していました。当時たまたまワシントンに行っていて、そうしたことが検討されていると帰国後話しをしても、当時の大企業の経営者は、❝炭素税?何んだそれは?❞と歯牙にもかけぬ雰囲気でした。要するに日本の常識はガラパコス化しているにもかかわらず、自分たちは優れた制度やシステムを持っていると過信してしまっていた訳です。その傾向は多くの分野で現在の日本の低迷につながる原因の一つになったと、今更ながら痛感するのです。太陽の動きや地球の動きは、科学技術をもってしても未だ未知なことが多いです。でもある日突然、氷河期がやって来ることは無いでしょう、温暖化が急激に減殺されることはないでしょう。でもそうは言っても全く可能性が無いとは言えないかな?「核の冬」だって「数百m級の隕石の衝突」だって無いとは言えませんからね。そうなると温暖化を心配するよりも、人類の滅亡を心配した方が適切なのかも知れません。
中国北宋の詩人蘇軾に次の言葉があります。
『蓋將自其變者而觀之,則天地曾不能以一瞬。自其不變者而觀之, 則物與我皆無盡也』(前赤壁賦 蘇東坡)