HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

都響スペシャル『第九演奏会』

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【日時】2022年12月25日(日)14:00~
【会場】東京文化会館大ホール
【管弦楽】東京都交響楽団
【指揮】エリアフ・インバル

【出演】

・ソプラノ/隠岐彩夏

・メゾソプラノ/加納悦子
・テノール/村上公太
・バス/妻屋秀和
【合唱】二期会合唱団


【 曲目 】 

ベートーヴェン『交響曲第9番 ニ短調 op.125《合唱付》』

 

【演奏の模様】

 今年第九を聴くのは、先週のN響に続き二度目です。そしてこれが今年の演奏会聞き納めです、多分。(たまっている演奏会チラシを見て、急に聴きに行きたくなるものが、出てこないとは限りませんが。)

 さて今日(12 /25)の関東地方は快晴、穏やかに晴れ上がっています。風も無く蒲団干しにはもってこいの天気です。使っている敷き蒲団は、日本古来の綿入り蒲団なので、使っているいるうちに水分を吸収し、結構重くなっています。それをベランダに、ヨッコラショと持ち上げて干すなどの力仕事は、自分の担当になっています。出掛ける前に干す時間はあったのですが、午後取り込む時間(恐らくPM2~3時頃)までには、帰宅出来ないので諦めました。干し立ての蒲団に寝るのは、とても気持ちがいいものですが。

 今日のインバル都響は、四管編成弦楽五部16?型(Vn.30-Va.12-Vc10.-Cb.8)、第三楽章開始前に登壇した二期会合唱団は、男声30、女声34、計70人弱でした。文化会館大ホールは、開演直前には満員の聴衆で埋め尽くされました。

 先日のN響の時と比らべ、自分の気持ちがオーケストラ演奏を聴くのに集中出来たのか、第一楽章からのアンサンブルがストレートに頭に 入ってきました。N響の時は3楽章まで、何か気がそぞろで、集中して聴けなかった。原因不明です。
楽曲構成は、4楽章構成で、 

第1楽章Allegro ma non troppo, un poco maestoso(16~19分程度)

第2楽章Molto vivace - Presto(11~13分程度)
第3楽章Adagio molto e cantabile - Andante moderato(18~20分程度)

第4楽章Presto - Allegro assai …(24~26分程度)

 先ず冒頭のオーケストらの入り具合が何ともダイナミックで恰好いいですね。僅かに聞こえる弦楽トレモロ、Hrn.の微音、弦が急速にクレッシェンドし、Timp.に触発されたオケ全が強音を奏でるリズミカルな発音、今日は幸先いいぞーと心で叫ぶ。N響の記録にも書きましたが、Timp.が様々な打ち方で、後半Fl.のソロ音が響くところまでほとんど出ずっぱり、アンサンブルのリズムを牽引していました。この章、Cb.低音がズッシリ響いて来なかったのはどうしてでしょう?8艇あったのだから数的には揃っていたし、Cb.軍団のみ開演前から練習調成していた筈なのに。

 次いで次章開始では、合図はやはりTimp.。リズミカルな入りで、小刻みのVn.アンサンブルがクレッシンドして行き、ここでもTimp.は盛んに鉢を振り、弦と管の会話も巧みに再度繰り返されるVn.の力強くも綺麗なアンサンブル。舞曲由来らしいですが、どんな踊りを瞼に浮かべながらベートーヴェンは作曲していたのでしょうか?相当激しい踊りではなかろうか?この辺りではCb.低音も漸く効果を上げ始め、とても力強い聞きごたえのある演奏の箇所でした。

 そしてゆっくりとして優雅な旋律に覆われている第3楽章のスタートです。その直前に合唱団とソリスト4人が登場しました。二期会合唱団と言えば、いわば歌のプロから成りますから、人数的にはやや小ぶりかも知れませんが、これは期待出来そうと思いました。ソリストも日本を代表できる歌手ばかり、この3楽章を聞きながら歌い手たちは、自分たちの出番を心の中でチュ―ニングしていたのでしょう。

 結構長い緩徐楽章です。この章で目立ったのは、矢張り出番の多いVn.アンサンブルのとても美しい旋律と、それに合いの手を入れる管楽器(Cl. Fl. Hrn. etc.)のゆっくりした(眠気を催して目がとろけそうな)清明な響きでしょう。通常2楽章に置くことが多い緩徐章を3楽章に持ってきたのは、1~2楽章での力強い管弦楽法を踏襲してきた事への反省を込めしかも次楽章で、画期的なことをやるぞとここでベートーヴェンは静かに闘志を燃やしていたのではないでしょうか?そんな感じのする三楽章の演奏でした。

 そして最終楽章の「合唱付き」になだれ込んだ訳です。妻屋さんのバスの第一声は相当なハイレベルの歌声を張り上げました、素晴らしい。四人のソリスト達の重唱も纏まっている。続く合唱はと言うとやや男声が立ち上がり弱かったでしょうか?でも歌い込むにつれ女声と釣り合う部厚いハーモニーを醸し出していました。さすが声量のある団員ばかりなのでしょう。オケの全奏・強奏の轟音の中でも合唱の声は負けずに張り叫ぶばかりに響いていました。

 終演となった途端に満員のホールからはこれまた拍手の轟音、今日は耳が曲がるのではと思う程の轟音の中にばかり2時間弱使っていたので、文化会館の外に出たら、流れている車の騒音も物静かに感じる程でした。インバル都響の演奏は、相当なハイレヴェルでツボを心得た指揮指導の賜物なのか、満足度の高い演奏でした。


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