HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

『佐藤玲果ヴァイオリン・リサイタル(2020.8.14.19h~)』 を聴いて来ました。

 盆休みの中日ですが、パリ留学中の若手演奏家が、オールフランス曲のプログラムで臨むということなので、かなり以前から聴きに行きたいと思っていました。

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 コロナ動向は非常に気になる点なのですが、報道によれば、今年は、帰省ラッシュもなく、駅は人出が少なく、この様子では電車もすいているだろうと考え、上野の文化会館に少し早めに出掛けたのです。思った通り図星でした。時間があったので、一つ手前の御徒町で降りました。デパートの辺りも、アメ横の方も、上野小路も、人出はかなり少ない様子です。帰りは買い物する時間がないので、うさぎやでうさぎ饅頭などを買い(これは、明日の墓参りのお供え物にします。亡き母がうさぎ年だったもので。)、鈴本演芸場の前を通り、上野の森方向に、歩いて行きました。文化会館に着いたのは、開場5分前、十人位並んでいました。今日は自由席なのです。ホールに入って、出来るだけ他の人から距離が離れている(通路側の)席を選びました。
 さて演奏曲目は、以下の7曲でした。代表的な有名曲ばかりでオールフランスっていうところかな。

①ドビュッシー『亜麻色の髪の乙女』

②イザイ『無伴奏ヴァイオリンソナタ6番』

③ドビュッシー『ヴァイオリンソナタ』

④ショーソン『ポエム』

≪休憩≫

⑤マスネ『タイスの冥想曲』

⑥フランク『ピアノとヴァイオリンのためのソナタFWV8』

⑦ラヴェル『ツィガーヌ』

 佐藤さんの略歴をみると、芸高から藝大に進学しないで、パリ音楽院に留学した様です。ピアノ伴奏は山崎早登美さんと言う年配の方で、演奏前のトークによると、佐藤さんが10歳の頃からピアノをお願いしている先生とのこと。
 パリ仕込みの演奏は如何にと興味津々にきいていたのですが、細かい改善点はあるのでしょうが、総じてテクニックも曲造りも素晴らしい才能を感じる演奏でした。難しいイザイの曲の弾きこなしも見事でしたが、特にフランクが良かった。ピアノもこの日一番光っていました。それもその筈伴奏ではないのですから。
 タイスの瞑想曲は、堂々と完璧に弾き終えましたが、若干平坦かな?メリハリが更に強くてもいいのでは?
 最終曲、ツィガーヌは、ラベルの怨念のような強い感情表現があれば、申し分ないのですが。

 佐藤さんは高音から低音、重音、ピッツィカート、超高音までいい音で演奏していました。特に中~低音の楽器が全幅で大きく共鳴する音が、とても本物感が強くていい音なのですが、さらに磨きをかけそれに潤いが出る様になれば、一流ヴァイオリニストの仲間入りとなるかもしれません。
 尚アンコールがあり、ショパンのノックターン嬰ハ短調(遺作)からでしたが、いつもピアノで聴く曲がヴァイオリンに編曲されると、この様な風になるのかと感心しました。もう1曲あったみたいですが、遅くなるので帰宅を急ぎ、会館を後にしました。