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綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

東京春祭・都響『ブルックナーミサ曲3番』他を聴く

【日時】2024年4月13日 [土] 14:00〜

【会場】東京文化会館

【管弦楽】東京都交響楽団

【指揮】 ローター・ケーニヒス

 

<Profile>

2009~16年までウェールズ・ナショナル・オペラの音楽監督を務めた。アーヘンで生まれ、ケルンでピアノと指揮を学ぶ。1999~2003年までドイツのオスナブリュック歌劇場で音楽監督を務め、03年以降はウィーン国立歌劇場、ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場、ミュンヘン、ドレスデン、スカラ座、ハンブルク、ブリュッセル、リヨン等の歌劇場に客演する。モーツァルトからベルクまで幅広いレパートリーで、特にワーグナー、シュトラウス、ヤナーチェクのオペラに力を入れている。ウェールズ・ナショナル・オペラ在任中の主な出演には、10年にブリン・ターフェルがハンス・ザックスを演じたリチャード・ジョーンズ演出の《ニュルンベルクのマイスタージンガー》があり、これは同年BBCプロムスでもテレビ放映された。他に12年にエディンバラ・フェスティバルで《トリスタンとイゾルデ》、15年にコヴェント・ガーデンのロイヤル・オペラ・ハウスで《モーゼとアロン》等がある。
 これまで指揮したオーケストラには、ハレ管弦楽団、ボン・ベートーヴェン管弦楽団、ルクセンブルク・フィルハーモニー管弦楽団、読売日本交響楽団、ブレーメン・ドイツ室内フィルハーモニー管弦楽団、ザールブリュッケン放送交響楽団、トリノ・RAI国立交響楽団、ベルリン・ドイツ交響楽団、ローマ聖チェチーリア国立アカデミー管弦楽団、ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団、サンパウロ交響楽団、ベルリン放送交響楽団、ウィーン交響楽団、ヴェローナでドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団の他、シドニー交響楽団、タングルウッド音楽祭でボストン交響楽団等がある。
 近年の主な活動としては、コヴェント・ガーデンのロイヤル・オペラ・ハウスと21年のエディンバラ・フェスティバルで《ナクソス島のアリアドネ》、チューリッヒ歌劇場で《エレクトラ》、ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場で《皇帝ティートの慈悲》、新制作の《ルル》、《魔笛》、ミュンヘン・バイエルン国立歌劇場で《ヴォツェック》、《ナクソス島のアリアドネ》、《ローエングリン》、シュトゥットガルト州立歌劇場で《サロメ》、ワルシャワで《死の都》、ブリュッセルのモネ劇場で《エレクトラ》、《ダフネ》、《カプリッチョ》、《死の都》、マドリードのテアトロ・レアルで《モーゼとアロン》、オスロで《ヴォツェック》、《スペードの女王》、ブリテン《戦争レクイエム》、《エフゲニー・オネーギン》、リヨンで《白墨の輪》、《アリアーヌと青ひげ》、コペンハーゲンで《トリスタンとイゾルデ》、フランクフルトで《カプリッチョ》等があり、ウェールズ・ナショナル・オペラでは《トリスタンとイゾルデ》、《ローエングリン》、《ドン・ジョヴァンニ》、《カーチャ・カバノヴァー》、《フィデリオ》、《ナクソス島のアリアドネ》、《トゥーランドット》、《ペレアスとメリザンド》等が挙げられる。
 最近および今後の予定としては、ミュンヘンで《トリスタンとイゾルデ》、《魔弾の射手》、《さまよえるオランダ人》、新制作の《カプリッチョ》、ルクセンブルクで《トリスタンとイゾルデ》、フランクフルトで《ダフネ》、ウィーン国立歌劇場で《エフゲニー・オネーギン》、韓国国立劇場で《死の都》等がある。

 

【合唱】東京オペラシンガーズ

【合唱指揮】エベルハルト・フリードリヒ、西口彰浩

 

【キャスト】

〇ソプラノ:ハンナ=エリーザベト・ミュラー

<Profile>

「水晶から切り出したような声」(ザルツブルガー・ナッハリヒテン紙)を持ち、リートやコンサート・レパートリーにおいて今日屈指の演奏者であるとともに、最も人気があるオペラ歌手の一人でもある。ソプラノとして世界的に注目を浴びたのは2014年のザルツブルク復活祭音楽祭で、R.シュトラウス《アラベラ》ズデンカとしてクリスティアン・ティーレマン指揮のもと、ルネ・フレミングやトーマス・ハンプソンと共演した。

この役によって、オペルンヴェルト誌の「ヤング・アーティスト・オブ・ザ・イヤー」にも選ばれた。さらに、このプロダクションはC Majorとの提携により、Unitel ClassicaからDVDとしてリリースされた。世界の主要なオペラハウスや音楽祭にも頻繁に客演しており、バイエルン国立歌劇場、ウィーン国立歌劇場、メトロポリタン歌劇場、ドレスデン・ゼンパーオーパー、スカラ座、コヴェント・ガーデンのロイヤル・オペラ・ハウス、チューリッヒ歌劇場、ザルツブルク音楽祭等が挙げられる。
2023/24年シーズンは、ウィーン国立歌劇場に再登場して比類のない多才さを示し、セバスティアン・ヴァイグレ指揮でR.シュトラウス《ダフネ》タイトルロールに役デビューする。また同歌劇場では、昨シーズン絶賛を浴びたデビューに続き、《ニュルンベルクのマイスタージンガー》エファでさらなるパフォーマンスを行なう。バイエルン国立歌劇場では《イドメネオ》エレットラを再演し、ザルツブルクのモーツァルト週間では《皇帝ティートの慈悲》ヴィテッリアに役デビューする。コンサートでは、十八番でもあるR.シュトラウス《4つの最後の歌》を、アンカラのCRRコンサート・ホール、モーツァルテウム管弦楽団とのザルツブルク公演、クリストフ・エッシェンバッハ音楽監督によるバンベルク公演、と三度歌う。また、ソリストとしてヤープ・ヴァン・ズヴェーデン音楽監督のニューヨーク・フィルハーモニックに初登場し、マーラーの交響曲第2番《復活》を歌う。同公演はケルン・フィルハーモニーでも上演される。さらにチューリッヒでブラームス《ドイツ・レクイエム》、フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団とベートーヴェン《ミサ・ソレムニス》、ヘルシンキでベルク《7つの初期の歌》、ドレスデンではマレク・ヤノフスキ指揮でドヴォルザーク《スターバト・マーテル》も歌う。加えてドレスデン聖母教会の2023年クリスマス・コンサートでは、クリスティアン・ティーレマン指揮でピョートル・ベチャワと共演。このコンサートはZDFによりライブストリーミングされる。
昨シーズンは、ウィーン国立歌劇場の《ニュルンベルクのマイスタージンガー》エファで幸先のよい役デビューを果たし、同歌劇場では新制作の《フィガロの結婚》アルマヴィーヴァ伯爵夫人や、バリー・コスキー演出の《ドン・ジョヴァンニ》ドンナ・アンナでも活躍した。同役ではさらにバイエルン国立歌劇場や、パブロ・エ゙ラス=カサドの指揮とロバート・カーセンによる記念碑的な演出でスカラ座にも出演した。
近年のシーズンの主なオペラ出演としては、《フィデリオ》マルツェリーネでメトロポリタン歌劇場にデビューし、続いて《フィガロの結婚》スザンナと《魔笛》パミーナで再登場した。チューリッヒ歌劇場には《イドメネオ》イリアでデビューし、同作品のエレットラをバイエルン国立歌劇場のアントゥ・ロメロ・ヌネスによる新制作で歌った。2012~16年までバイエルン国立歌劇場のアンサンブル・メンバーとして活動して以来、同歌劇場でも人気を得て、日本ツアーで《魔笛》パミーナ、ニューヨークのカーネギー・ホールで《ばらの騎士》ゾフィー、パリのシャンゼリゼ劇場公演等にも出演している。
コンサートで注目すべき出演としては、クリスティアン・ティーレマン指揮シュターツカペレ・ドレスデンとベートーヴェン交響曲第9番、ダニエル・ハーディング指揮パリ管弦楽団とマーラー交響曲第2番とシューマン《ゲーテのファウストからの情景》、シュターツカペレ・ベルリンと《4つの最後の歌》、クリストフ・エッシェンバッハ指揮ケルンWDR交響楽団とシュトラウスのオーケストラ伴奏歌曲、パーヴォ・ヤルヴィ指揮ベルリン・フィルハーモニ管弦楽団とベルク《7つの初期の歌》等がある。
経験豊かなリサイタリストであり、ミラノ・スカラ座、ロンドンのウィグモア・ホール、ハイデルベルク春の音楽祭、ケルン・フィルハーモニー、アントワープのデ・シンゲル、マドリードのサルスエラ劇場、ヴィラベルトランのシューベルティアーダ、ラインヴォーカル音楽祭等、主要な会場で演奏している。
ペンタトーン・レーベルの専属アーティストとして、デビュー・アルバム『夢を戴いて』を17年にリリースし、シュトラウス、ベルク、シェーンベルクの歌曲を収録した。2枚目のリート・アルバム『ハートのクイーン』は、シューマン、ツェムリンスキー、プーランクの作品を収録し、20年にリリースした。3枚目のアルバムは、『象徴』と題されたオール・シュトラウス・プログラムで、前述のクリストフ・エッシェンバッハ指揮ケルンWDR交響楽団との共演による22年のコンサートでのライヴ録音である。
長年、ルドルフ・ピエルネに師事した他、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ、ユリア・ヴァラディ、エリー・アーメリング、トーマス・ハンプソンのマスタークラスにも参加している。

 

〇メゾ・ソプラノ:オッカ・フォン・デア・ダメラウ

<Profile>

 ハンブルク出身。同世代を代表するメゾ・ソプラノの一人。リヒャルト・ワーグナーやジュゼッペ・ヴェルディのオペラでも、グスタフ・マーラーやアルノルト・シェーンベルクの歌曲でも、パワフルでニュアンス豊かなメゾ・ソプラノと明瞭で自然なディクションで、あらゆるキャラクターに本物の音色を感じ取り、聴衆と心を通わせる。バルセロナ・リセウ大劇場での《仮面舞踏会》ウルリカ、ウィーン国立歌劇場の《ルサルカ》魔女、バイエルン国立歌劇場の《タンホイザー》ヴェーヌス等、様々なオペラ出演に加えて、2023/24年シーズンは、様々なオーケストラ・コンサートにも出演する。例えばミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団のドイツ国内外におけるコンサート・プロジェクトにいくつか参加したり、キリル・ペトレンコ音楽監督のもとバイエルン国立管弦楽団とマーラーの交響曲第8番を歌ったりする。
 長年にわたってバイエルン国立歌劇場のアンサンブル・メンバーとして活動し、キリル・ペトレンコのもとで《神々の黄昏》ヴァルトラウテ、《ラインの黄金》及び《ジークフリート》エルダ、アロイス・ツィンマーマン《兵士たち》シャルロッテ等を演じた他、《イル・トロヴァトーレ》アズチェーナでも名声を博した。
 ミュンヘンから彼女の国際的なキャリアはスタートしている。2015年にデビューした後、23年夏にはミラノ・スカラ座でエマ・ダンテ演出の新制作《ルサルカ》の舞台に立っていた。さらに、パリ国立オペラ、ウィーン国立歌劇場、ナポリのサン・カルロ劇場、マドリードのテアトロ・レアル、ドレスデンのゼンパーオーパー、そしてバイロイト音楽祭等、世界的にも重要なオペラの舞台に定期的に出演している。
 2022/23年シーズンにデビューした役は、高い評価を得た。2つの興味深い役によってレパートリーが広がった。すなわち、コルネリウス・マイスター音楽監督のもとシュトゥットガルト州立歌劇場で初めて歌った《ワルキューレ》ブリュンヒルデと、バイエルン国立歌劇場で大成功を収めてデビューした《ナクソス島のアリアドネ》タイトルロールである。
 彼女の広範なレパートリーにおけるもう一つの重要な役は、《トリスタンとイゾルデ》ブランゲーネである。17年にシモーネ・ヤング指揮バイエルン国立歌劇場でデビューした際には聴衆と報道陣から絶賛された。新制作において、同役で再び舞台に立ったのは21年ミュンヘンであり、この時はキリル・ペトレンコが音楽監督だった。同役は、パリ・オペラ座ではグスターボ・ドゥダメルによる指揮、またロサンゼルス・フィルハーモニックとは演奏会形式で共演している。
 オペラでの様々な活動に加え、コンサートも彼女の芸術活動にとって大切な構成要素であり、これまでにシカゴ交響楽団、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、バイエルン放送交響楽団、シュターツカペレ・ベルリン、サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団と共演している。18年には、フランツ・ウェルザー=メスト指揮の《トリスタンとイゾルデ》ブランゲーネでクリーヴランド管弦楽団にデビューした。
 その他の重要なコンサート活動としては、アムステルダム・コンセルトヘボウでエドワード・ガードナー指揮によるリリ・ブーランジェ《詩篇 第130番》、ザルツブルク音楽祭でダニエル・バレンボイム指揮によるマーラー《亡き子をしのぶ歌》等が挙げられる。
 リート歌唱にも大きな情熱を注いでおり、17年にファビオ・ルイージ指揮フィルハーモニア・チューリッヒと共演したフランク・マルタンの歌曲集《旗手クリストフ・リルケの愛と死の歌》の録音は高く評価された。
 ヴェネツィアで開催されたワーグナー声楽作品のための国際声楽コンクールで、06年に特別審査員賞を受賞、13年にはミュンヘン・オペラ・フェスティバルでフェスティバル賞を受賞した。

 

〇テノール:ヴィンセント・ヴォルフシュタイナー

<Profile>

 ミュンヘン出身のテノール歌手。ニューイングランド音楽院でウィリアム・コットンに学び、グラニット州立オペラの《ラ・ボエーム》ロドルフォでデビュー、その後《カルメン》ドン・ホセ、《カヴァレリア・ルスティカーナ》トゥリッドゥ、《海賊》コルラード、《道化師》カニオ等を、マサチューセッツ、ニューヨーク、フロリダ、ニューハンプシャーで演じた。

 ロストック国民劇場のアンサンブル・メンバーとしてヨーロッパでのキャリアをスタートさせ、その後、ハノーファー州立歌劇場、ベルリン・コ―ミッシェ・オーパー、ダルムシュタット州立劇場、オルデンブルク州立劇場、ハイデンハイム・オペラ・フェスティバル等に客演し、《ワルキューレ》ジークムント、《フィデリオ》フロレスタン、《エレクトラ》エギスト、《ナクソス島のアリアドネ》バッカス、《魔笛》第1の武者、ヴァインベルガー《ヴァレンシュタイン》ピッコロミーニ、ヒンデミット《カルディヤック》士官、《クーハンデル》ファン・サントス等を演じた。
 2012~14年の2シーズンをニュルンベルク州立劇場のアンサンブル専属歌手として過ごした後、フランクフルト歌劇場のアンサンブル・メンバーとなり、ヴェルディ《オテロ》タイトルロールでデビューした。以来、ワーグナー『リング』チクルスにおける主要なテノール役や、《トリスタンとイゾルデ》、《ローエングリン》、《ピーター・グライムズ》、《アンドレア・シェニエ》等のタイトルロール、《さまよえるオランダ人》エリック、《トゥーランドット》カラフ、そしてセバスティアン・ヴァイグレ指揮の新制作《トリスタンとイゾルデ》ではタイトルロールを演じた。
 コンサート歌手としても積極的に活動しており、そのレパートリーには、モーツァルト《レクイエム》、ベートーヴェンの交響曲第9番、メンデルスゾーン《エリヤ》と《最初のワルプルギスの夜》、シューマン《ゲーテのファウストからの情景》、シェーンベルク《グレの歌》、マーラーの交響曲第8番や《大地の歌》等の重要な作品がある。
 これまで共演した指揮者には、ダニエル・バレンボイム、トーマス・グッガイス、セバスティアン・ヴァイグレ、コンスタンティン・トリンクス、コルネリウス・マイスター、ヤクブ・フルシャ、ヘンリク・ナナシ、クリスティアン・マンデアル、シュテファン・ブルニエ、ローター・ツァグロセク、スティーヴン・スローン等がおり、演出家には、クリストフ・ロイ、キース・ウォーナー、バリー・コスキー、カリスト・ビエイト、クラウス・グート、フランク・ヒルブリッヒ等がいる。
 近年の主な出演としては、《サロメ》ヘロデの役デビューでウィーン国立歌劇場、ベルリン国立歌劇場、モスクワのボリショイ劇場、《ローエングリン》タイトルロールで東京・春・音楽祭等がある。加えて、ペンデレツキ《ルダンの悪魔》でバイエルン国立歌劇場に戻り、《タンホイザー》タイトルロールでベルリン国立歌劇場、《ムツェンスク郡のマクベス夫人》セルゲイでハンブルク州立歌劇場、マレク・ヤノフスキ指揮ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団と演奏会形式によるジークムントとジークフリート、またこの2役はエルル(オーストリア)でもブリギッテ・ファスベンダーの新制作で演じた。
 来たる2023/24年シーズンには、リヨン国立オペラで《影のない女》皇帝を歌う。さらにまたハンブルク州立歌劇場に《ムツェンスク郡のマクベス夫人》セルゲイで出演する予定。

 

〇バス:アイン・アンガー

 <Profile>

 エストニア出身のバス歌手。世界で最も有名なオペラやコンサートの舞台には定期的に登場しており、2020年にはオーストリア政府から宮廷歌手の称号を授与された。04年、《リゴレット》モンテローネ伯爵でウィーン国立歌劇場にデビューして以来、同歌劇場では40以上の役を歌っており、セミヨン・ビシュコフの指揮でムソルグスキー《ホヴァンシチナ》ドシフェイ、クリスティアン・ティーレマン指揮で《ローエングリン》ハインリヒ王、フィリップ・ジョルダン指揮でバリー・コスキー演出の《ドン・ジョヴァンニ》騎士長の他、ヴェルディ・レパートリーにおけるいくつかの主要な役、すなわち《ドン・カルロ》フィリッポ2世や宗教裁判長、《ナブッコ》ザッカリーア、《シモン・ボッカネグラ》フィエスコ、《リゴレット》スパラフチーレ等を演じてきた。 2023/24年シーズンの予定としては、スカラ座でロレンツォ・ヴィオッティ指揮による《シモン・ボッカネグラ》oフィエスコとリッカルド・シャイー指揮による《ドン・カルロ》宗教裁判長、バイエルン国立歌劇場でセバスティアン・ヴァイグレ指揮による《タンホイザー》ヘルマン1世とローター・ケーニヒス指揮による《さまよえるオランダ人》ダーラント、ウィーン国立歌劇場で《エフゲニー・オネーギン》グレーミンを演じる。コンサートでは、ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン指揮による香港フィルハーモニー管弦楽団の《さまよえるオランダ人》に出演する。
 今日最も優れたワグネリアン・バスの一人に位置づけられており、クリスティアン・ティーレマン指揮の《ラインの黄金》及び《ジークフリート》ハフナーでバイロイト音楽祭にデビュー、ハルトムート・ヘンヒェン指揮の《さまよえるオランダ人》ダーラントでミラノ・スカラ座にデビューした。フンディング役としては、新制作の『リング』チクルスでケント・ナガノ指揮によるバイエルン国立歌劇場の他、フランツ・ウェルザー=メスト指揮でウィーン国立歌劇場、セバスティアン・ヴァイグレ指揮でフランクフルト歌劇場、アンドルー・デイヴィス指揮でシカゴ・リリック・オペラ、アントニオ・パッパーノ指揮でコヴェント・ガーデンのロイヤル・オペラ・ハウスに出演した。《ニュルンベルクのマイスタージンガー》ポークナーでは、マーク・エルダー指揮でサンフランシスコ・オペラにデビューした。ベルリン・ドイツ・オペラに頻繁に客演しており、BBCプロムスでもドナルド・ラニクルズ指揮による《タンホイザー》で共演している。
 最近のシーズンではレパートリーを大幅に広げ、《神々の黄昏》ハーゲンに、ヨハンネス・デブス指揮のカナディアン・オペラ・カンパニーでデビュー、またアンドルー・デイヴィス指揮のエディンバラ国際フェスティバルでも演じた。《トリスタンとイゾルデ》マルケ王は、フランツ・ウェルザー=メスト指揮でクリーヴランド管弦楽団、ジェイムズ・ガフィガン指揮でソフィア王妃芸術宮殿、アッシャー・フィッシュ指揮により西オーストラリア交響楽団(ABCクラシックスよりCDリリース)等と共演した。
 初めて出演して絶賛されたのは、ベルリン・ドイツ・オペラのリチャード・ジョーンズ演出《ボリス・ゴドゥノフ》タイトルロールだったが、同じ作品・演出のピーメン役で、コヴェント・ガーデンのロイヤル・オペラ・ハウスにデビューしている。ピーメンは、セバスティアン・ヴァイグレ指揮でメトロポリタン歌劇場に待望のデビューを飾った役でもある。またリッカルド・シャイー指揮によりスカラ座の2022/23年シーズン開幕公演でも演じた。最近は、パリ国立オペラで新制作の《ボリス・ゴドゥノフ》や《ドン・ジョヴァンニ》に出演。バイエルン国立歌劇場には定期的に客演し、レパートリーの核となるいくつかの役を歌っている。例えばベルトラン・ド・ビリー指揮によるジャック・アレヴィ《ユダヤの女》ブロニ枢機卿等である。
 コンサートにおける最近の主な出演は、マーラーの交響曲第8番をリッカルド・シャイー指揮でスカラ座、パーヴォ・ヤルヴィの指揮でNHK交響楽団、ヴェルディ《レクイエム》をアジズ・ショハキモフ指揮でストラスブール・フィルハーモニー管弦楽団、ダニエル・オーレン指揮でサンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団、ハイドンの《ネルソン・ミサ》をオマー・マイア・ヴェルバー指揮でミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団、そしてベートーヴェンの交響曲第9番をジャナンドレア・ノセダ指揮でウィーン交響楽団と歌っている。

 

【曲目】

①ワーグナー『ジークフリート牧歌』

(曲について)

 楽劇《ジークフリート》は 1856 年から書き始められ、12 年の中断を経て 71 年に 完成したが、その最中の 69 年、妻コジマは三⼈⽬にして初めての男の⼦を産んだ。 ⽗は息⼦に楽劇の主⼈公である英雄の名前を与えた。そして同じ名称を冠した器楽 曲が、クリスマスでもあるコジマの誕⽣⽇プレゼントとして密かに準備された。12 ⽉ 25 ⽇の早朝、台所でチューニングを終えた⼩オーケストラが、寝室のそばの階段 に陣取り、静かに楽劇《ジークフリート》の「愛の平和」を奏で始めた。時間にし て 20 分ほどの楽曲には、楽劇から数々の動機が引⽤されている。楽劇《ワルキュー レ》の「眠り」の動機、⺠謡「幼⼦よ眠れ」が奏でられ、楽劇《ジークフリート》 の「世の宝」が続く。「愛の決⼼」や「⼩⿃のさえずり」といった動機が挟まれつ つ、最初ヴィオラを弾いていたハンス・リヒターが楽器を持ち替えて吹いたという トランペットが登場し、曲はクライマックスを迎える。やがて⾳楽は穏やかな表情 を取り戻し、幸せを噛みしめるように終わる。

 

②ブルックナー:ミサ曲 第3番ヘ短調 WAB28

(曲について)
 ザンクト・フローリアン修道院、リンツ⼤聖堂、ウィーン宮廷礼拝堂と、オルガ ニストの職を究めていったブルックナーは、カトリック典礼のための⾳楽を数多く 残した。このヘ短調のミサ曲は、ウィーンに移る前の⼀年間を充てて、1867〜68 年 に作曲された⼤作。初演後、例によって 1876 年、81 年、96 年と三たび改訂されて いる。作曲家のワーグナー崇拝はすでに 1863 年頃から始まっていたが、本曲につい てはシューベルトからの影響を指摘されることが多い。 「第 1 曲 キリエ」(主よ、憐み給え)は、厳粛な弦楽合奏に始まり、神の前に額 ずくような下⾏⾳型が曲を⽀配する。独唱が次々とクリステ(キリスト)と呼びか け、カノン⾵に盛りあがってから、静かに閉じる。 「第 2 曲 グロリア」(栄光)は、⼒動感あふれるアレグロで始まる急・緩・急の 三部形式。「主は世の罪を除き給う」からは敬虔なアダージョとなる。再びアレグロ に戻り、荘厳なフーガが展開する。 「第 3 曲 クレド」(信仰告⽩)は、典礼の中⼼となる部分であり、作曲家の筆も 精緻を極める。合唱が「神を信ず」と⼒強く歌い始める。「処⼥懐胎」の部分は、ヴ ァイオリンとヴィオラのオブリガートを伴って、テノール独唱が清冽な歌を聴かせ る。悲しみに満ちたバス独唱が「⼗字架刑」を告げたあと、オーケストラが咆哮し 「復活」を祝う。作曲家の交響曲に似て、まさに宇宙が鳴動するかのよう。クレド の主題が戻ってきてカノン、四重唱、トランペットのシグナルと合唱が壮麗に締め る。 「第 4 曲 サンクトゥス」(聖なるかな)は、前半は静かに神への感謝を⽰し、後 半はホザンナで法悦が爆発する。短いながらもポリフォニーの極致。 「第 5 曲 ベネディクトゥス」(祝祷)は、快速な弦楽の導⼊に続きソプラノ、ア ルト、テノール、バスと独唱に導かれて、合唱がイエスを讃える。サンクトゥス同 様に、ホザンナの熱狂で終わる。 「第 6 曲 アニュス・デイ」(神の⼦⽺)は、冒頭のキリエと対をなす楽章で、同 じヘ短調・4 分の 4 拍⼦で書かれている。⽊管と弦が下⾏⾳型を導⼊し、⼥声合唱 に続いて男声合唱が「神の⼦⽺」を歌う。ダイナミクスの強調が凄まじい。キリエ やグロリアの主題が交錯し、静かに平安を祈りながら終曲する。

 

【演奏の模様】

 少し早めにホールに入り席に着き、会場を見渡すと、各階とも空席が目立ちました。時間が迫れば沢山の人が入って来るのだろうと思っていましたが、開演になった段階でも、全体的に空席が気になる位のレベルだった。今日は休日だし天気は良いし、お出かけには条件が良い日なのに、余り人気がないのかな?指揮者かな?オーケストラかな?いやそれは原因でないでしょう。思うに今日の演奏作品はワーグナーとブルックナーだし、この両作曲家の演奏会は最近まで大人気だったし、そうすると今回の曲目がこの二人にしては余り演奏されない曲であるからかも知れない、マイナーな曲からかも知れない等と考えていました。

 

①ワーグナー『ジークフリート牧歌』

《楽器編成》管楽器は大抵の場合、楽器が1本ずつの8パートで、若干拡張される時はあるものの実質的に一管編成といえる小編成です。さらに弦楽器は分割(ディヴィジ)がなく各パート1人ずつでも演奏できるなど、十三重奏の室内楽として演奏可能なほどにコンパクトに作曲されており、前述のエピソードからも初演時はこれに近い少人数で演奏されたことが覗えます。この小規模な編成は、後世のシェーンベルクの室内交響曲やヴェーベルンの交響曲の元となりました。

 今回の編成は少し大きくなり、Fl.1,Ob.1,Cl.2,Fg.1, Hrn.2, Tr.1 の管編成、弦楽五部8型(1Vn8.-2Vn.6-Va.4-Vc4-.Cb.2)でした。

全体として弦楽主導の流れる調べが大変美しく、ワーグナーらしくもあり、確かに子と妻に対する愛情が感じられる曲です。弦楽奏に合の手を入れる管楽器の演奏者は、これまた素晴らしいほぼ無謬に近い演奏であり、各部門のかなりの名手を揃えた様です。楽器が良く鳴っていて、美しい調べでした。ただ上記(曲について)にある様に、初盤は「眠り」に関してと想定すれば、出だし辺のゆるやかな弦楽奏はまだしも、間もなく弦楽と管アンサンブルがすぐに盛り上がって強奏に近くなり繰り返しもあるのは少し??尤もそれは短時間で収まりましたが。作曲された状況やオペラとの関係を忘れ、一つの独立した楽曲として聴けば、変化にも富み、また最後まで、流麗な流れを失わない極めて優れた作品だと言えることは確かです。文化会館の大ホールですから、これ位の規模に拡大して演奏したことは指揮者と都響の判断が正しかったことを示した演奏でした。

 

②ブルックナー『ミサ曲 第3番』

20分の休憩は、この曲の演奏の為の拡大された舞台設営にも使われました。

楽器構成 二管編成、弦楽五部16型(16-14-12-10-8)。教会のミサ曲ですから、その他、合唱団とソリスト4人が並びました。合唱団は左翼雛壇に女声36人、右翼に男声36人の計70人台。

 今日はこの曲を楽しみにしていました。何故ならば、ブルックナーの交響曲はこれまで沢山聴いて来ましたが、この作曲家の原点とも言える教会音楽はそう多くは演奏されないからです。しかもミサ曲ですから、他の作曲家、マショーのノートルダムミサ曲、バッハのロ短調ミサ曲、モーツァルト、ハイドンのミサ曲、ミサソレニムス(ベートーヴェン)、ブラームスのドイツ・レクィエム等何回も聴いた事のある名立たる作曲家の作品が有る訳ですから、ブルックナーもきっとそれらを意識して作曲したに違いない。負けず劣らぬミサ曲を作ったのに違いない。それを直かに耳で確かめたい気持ちが強くあったのが、聴きに来た大きな動機でした。

以下に今回のソリストを略記します。

1 Soprano:Hanna-Elisabeth Mullerハンナ=エリーザベト・ミュラー(H.M.)

2Mezzo-soprano:オッカ・フォン・デア・ダメラウ(O.D.)

3 Tenor: Vincent Wolfsteiner ヴィンセント・ヴォルフシュタイナー(V.W.)

4 Bass: Ain Anger アイン・アンガー(A.A.)

 

尚、文末には、合唱、ソリストの歌う歌詞(ラテン語)を掲載しました。短い歌詞の箇所も、何回も何回も繰り返して歌われるので、曲としては長くなります。

曲の構成は次の通りです。

・第 1 曲 キリエ

(弦楽奏ー独唱のカノン)

・第 2 曲 グロリア

AllegroーAdagio(主は世の罪を除き給う)ーAllegro(Huga )

・第 3 曲 クレド 

(合唱「神を信ず」ー「処女懐妊(テノール独唱)」(Vn.&Va.)ー「十字架刑(バス独唱)」「復活(オケ奏)」 クレド の主題が戻りカノン、四重唱、トランペットのシグナルと合唱が壮麗にしめる)

・第4曲サンクトゥス

静かに神への感謝、後 半はホザンナで法悦が爆発

・第5曲ベネディクトゥス

弦楽の導⼊ーソプラノ、ア ルト、テノール、バスの独唱ー合唱がイエスを讃え、ホザンナの熱狂

・第 6 曲 アニュス・デイ

⽊管と弦が下⾏ー「神の⼦⽺」⼥声合唱 →男声合唱

・静かに平安を祈りながら終曲に至ります。

 今回のプログラムには、歌手の歌詞の字幕は有りませんとの注意書きがあり、当日入場時に、「歌詞と対訳」が配布されました。したがってそれを見ながら合唱やソリストの歌を追ってみたものの、何分ラテン語ですので、合唱の発音からもソリストの発声からも、流れ行く曲を追うのは相当難しくオーケストラの演奏を聴くことに集中できなかった。矢張り字幕を付けて貰った方が良い様に思います。

 第1曲から第6曲までの各楽曲について、詳細は割愛しますが、先ず一番印象に残ったのは、ソプラノのソリスト、H.M.でした。4人の中では一番若手に見えましたが、鋼(ハガネ)の様な強靱なソプラノで、会場に突き抜け、全オケ強奏+大合唱の轟音の中に埋もれず、明かいに歌声が聞こえました。勿論それでいて、四重唱の場面が度々あって(四ソリストが起立して)歌う場面では、四人の整合性を取るバランス感覚が良いと思われる歌い振りでした。メッゾのO.D.も整った安定的な声を出していましたが、何分主役といった場面は殆どなく、短いソロの歌い振り、しかも他の楽器や合唱が渦巻く中では、良いか悪いか(自分が好きか嫌いか)の判断はつかなかったので、確か彼女はリサイタルの予定があった筈なので、それを聴いてから判断したいと思います。テノールのV.W.とバスのA.A.とも流石と唸る歌い振りでしたが、全体としてソリストが歌う場面、しかもオケの音がしないか弱い環境でソロで歌う場面は少なく、大合唱と全オケ強奏の中には埋もれてしまっていました。兎に角、この曲、合唱が凄い迫力でした。確か「東京オペラシンガーズ」は1992年、小澤征爾指揮、蜷川幸雄演出で話題を呼んだ《さまよえるオランダ人》の公演に際して、世界的水準のコーラスをという小澤氏の要請により、東京を中心に活躍する中堅、若手の声楽家によって組織された合唱団とのことです。最近は結構他のオーケストラとも共演することが多くなったのか、何回も聴いた事が有ります。素晴らしい歌声を聞かせて呉れます。将に今日のブルックナーの曲は合唱がその中心に有りました。しかも(ブルックナーは何回もこの曲を改訂してはしていますが)交響曲のケースの様に、合唱はオーケストラと良くて対等か、オケを支える役回りに甘んじぜず、堂々とオーケストラを引き連れた神聖な神への祈りか、神のみ言はかと想像可能な中心的存在、謂わばセンターを立派に務めたのでした。これはブルックナーの教会オルガニストとしての長い経歴が将にものが言ったケースでした。他の作曲家達に連なる名ミサ曲だと言えるでしょう。その他にも第一番、第二番のミサ曲が有る筈ですから早速録音でも聞いてみようと思いました。

 ただ上記した配布歌詞を見ながら、合唱の歌う歌詞と擦り合わせるのは至難の技だったという原因は、聴く方がラテン語を知らないという事の他に、(これはあくまで想像ですから違う可能性大ですが)合唱団のラテン語の発音がクリアだったかどうか?下司の勘繰りをしてしまいました。何故かと言いますと配布された歌詞の字ずらを追って歌声を聴いていくと、「Kyrie」とか「Gloria」とか「Agnus Dei」、「miserere」、「sanctus」、「Jesu Christe」、「homo」等々読める単語、聴いて分かる単語が沢山出てきますが、聞こえる歌の方はいつしか耳と目が一致しなくなってしまうからです。ただもう一つ考えられる原因があって、それは歌には随分と繰り返しがあるので、いつしかその前の歌詞の何処かに戻ってしまって目は印刷歌詞の下に行くのに、耳に聞える歌詞は多分上の欄の歌詞に行くため、フォロー出来ないのかも知れません。一番の抜本的解決方法はラテン語を勉強すればいいのでしょうが、情け無いですが、そうする気力もそれをする時間も取れないのが現実です。次善の策は、総譜を見ればいいのでしょうが、年間数多く聴く鑑賞曲の総譜をすべて手に入れることなど非現実的です。従って亀の歩みかも知れませんが、少しでも曲を多数回聴いて少しずつ曲に慣れる他ないかな?と思ったり。でも残された時間は膨大にある訳ではないし(つまり若くはないし)何事も若い時にやるべきだ!等と当たり前のつまらない結論に達したのでした。

 でも今回の演奏は思っていた以上に良かった。ブルックナーの懐に一歩深く入り込めた感がして満足の気持ちでした。

 演奏後は歓声こそ無かったのですが、会場には大きな拍手が鳴り響き、いつまでも長く続いたのでした。


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《参考》

Ⅰ.KYRIE

Kyrie eleison

Christe eleison

Kyrie eleison.

 

II. GLORIA

Gloria in excelsis Deo.

Et in terra pax hominibus bonae voluntatis. Laudamus te. Benedicimus te. Adoramus te. Glorificamus te. Gratias agimus tibi, propter magnam gloriam tuam. Domine Deus, Rex coelestis, Deus Pater omnipotens. Domine Fili unigenite, Jesu Christe. Domine Deus, Agnus Dei, Filius Patris.

Qui tollis peccata mundi, miserere nobis. Qui tollis peccata mundi, suscipe deprecationem nostram. Qui sedes ad dexteram Patris, miserere nobis.

Quoniam tu solus sanctus. Tu solus Dominus.

Tu solus Altissimus, Jesu Christe. Cum Sancto Spiritu in gloria Dei Patris. Amen.

 

III. CREDO

Credo in unum Deum,

Patrem omnipotentem, factorem coeli et terrae, visibilium omnium et invisibilium. Et in unum Dominum Jesum Christum, Filium Dei unigenitum. Et ex Patre natum ante omnia saecula. Deum de Deo,

lumen de lumine,

Deum verum de Deo vero

Genitum,non factum,

consubstatialem Patri:

per quem omnia facta sunt. Qui propter nos homines, et propter nostram salutem descendit de coelis.

Et incarnatus est de Spiritu Sancto ex Maria Virgine. Et homo factus est.

Crucifixus etiam pro nobis: sub Pontio Pilato passus et sepultus est.

Et resurrexit tertia die, secundum Scripturas. Et ascendit in coelum: sedet ad dexteram Patris. Et iterum venturus est cum gloria judicare vivos, et mortuos: cujus regni non erit finis.

Et in Spiritum Sanctum, Dominum et

vivificantem: qui ex Patre Filioque procedit. Qui cum Patre et Filio, Simul adoratur, et conglorificatur: qui locutus est per Prophetas. Et unam sanctam catholicam et apostolicam Ecclesiam. Confiteor unum baptisma in remissionem peccatorum. Et expecto resurrectionem mortuorum. Et vitam venturi sæculi. Amen.

IV. SANCTUS

Sanctus, Sanctus, Sanctus Dominus Deus Sabaoth. Pleni sunt coeli et terra gloria tua. Hosanna in excelsis.

V. BENEDICTUS

Benedictus qui venit in nomine Domini. Hosanna in excelsis.

VI. AGNUS DEI

Agnus Dei, qui tollis peccata mundi: miserere nobis.

Agnus Dei, qui tollis peccata mundi: miserere nobis.

Agnus Dei, qui tollis peccata mundi:

dona nobis pacem.