マイストロ・飯守が永眠されました。これまでのご活躍が懐かしくなって、過去の映像を探していたら、NHKが2020年夏に「クラシック音楽館」で放送した録画が出て来ましたので故人を偲んで、鑑賞しました。幾つかのオーケストラの名演奏の場面を放送した中の一つに飯守さん指揮のシティ・フィルの定演が入っていました。概要は、次の通りです。
【演奏会】東京シティ・フィル第210回定期演奏会
【演奏日時】2007.7.26.(木)19:00〜
【放送】NHKEテレ「クラシック音楽館」~日本のオーケストラ特集3~(2020.8.9.21:00~)
【録画】HUKKATS.
【会場】東京オペラシティ コンサートホール
【管弦楽】東京シティ・フィル管弦楽団
【指揮】飯守泰次郎
飯守さんは、インタヴューで ❝楽譜通り、指揮棒通りに演奏するのではなく、指揮棒と共に曲を作っていくことを、皆さんにはお願いしている❞といった趣旨を語っていました。
このホルストの演奏は、飯守さん60歳代後半の脂の乗った指揮、その求めによく答えて必死に演奏するシィティ・フィル、将に惑星空間的大きな演奏、名演でした。
飯守さんはブルックナーも良く演奏されましたが、その他ワーグナー演奏にも深い造詣と解釈に依る素晴らしい演奏を聴かせて呉れました。観劇の予習の一つとして、飯守さんのU-Tubeの解説を見ることは必須でした。兎に角ピアノが上手だし、ワーグナーのオペラのエッセンスを短時間で分かりやすくピアノの音で説明して呉れるのは天下一品の解説でした。
物凄い才能を有した方ですね。父親が裁判官、伯父さんが田中耕太郎元最高裁長官という家系ですから、脳細胞の構造が人並外れた遺伝子を有していたのでしょう。
ご冥福をお祈りいたします。