HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

『藝大日本画研究室展』『郷さくら美術館展』鑑賞

 昨日土曜日(2020.3.14.)文京区にある六義園を散策した後、目黒川近くにある「郷さくら美術館」に行って、様々な桜の絵画を鑑賞をしました。

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『近衛桜』西田俊英氏

 今の時期多くの美術館は政府要請を受けて臨時休館しています。赤坂見附駅を通った時、改札口近くに国立西洋美術館で開催予定(2020.3.3~)の「NATIONAL GALLERY of LONDON展」が開幕見送り、延期された旨の広告が貼ってありました。

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 この展覧会は是非観たかったのに。ロンドンで1度見ただけですから。

 そこでどこか観客が余り集らなそうで、しかも開館している処は無いかなと思って調べたら、表題の藝大とさくら美術館がやっていることが判明したのです。
 「郷さくら美術館」は中目黒駅近くの目黒川近くにある小さな美術館で、行って見たいとの気になったのは、『第8回桜花賞展』を開催しているということが分かったからです。

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 この美術館はオーナーの私設の美術館の様でして、現代日本画を主に集めて展示、収録しているらしい(郡山、ニューヨークにもギャラリーがある様です)。館員の話によると、館名は信長の二女を娶った会津藩主、蒲生氏郷(がもううじさと)に因んで、会津出身のオーナーが名付けたもので、氏郷の郷をとりそれに“さくら”を付けたそうです。「ふるさと」の意味合いもあるとのことでした。普通の日本人の常として、私もさくらは大好きです。これは小さい時から花見に毎年連れて行かれ、親に刷り込まれたのかも知れません。
 建物は三階建ての決して大きくはないビルで、エントランスも狭いですが、入ると狭いながらもコインロッカーが20位だったかな?備えてありました。展示会場は1階から3階まですべてを使い、エレベーターで上下します。『さくら賞展』は2階と3階、1階はさくら賞展の審査員クラスの画家が桜を描いた『桜百景展』でした。
 『さくら賞展』には30人の作家が出品、うち①大賞は、松原亜実さんの『春麗』、②優秀賞、近藤仁さんの『刻の色差』、③館長賞、富永晃代さん『かそけし』他に奨励賞5作品が選ばれました①では、白い透明感のある花びらの中心がピンクに染まっていて、それが沢山枝先についており、まるで背景の黄色い満月から吹き飛ばされてきた綿毛か羽毛の様に青黒い背景に浮かんでいる。

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桜花大賞『春麗』

 ②では、その大胆な構図の中に伝統的日本画の枝ぶりと幹がよく表現されており、右方に浮かぶ三日月がかすんで見えることから、晴れていない薄明かりの夜だと分かり、桜花も地味なやや褐色ぽい色合いで枝、幹の色に非常にマッチングしているお洒落なデザイン。

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優秀賞『刻の色差』

 ③は牡丹雪の様に白い花びらがな密集して咲き誇る岸辺の桜を描いている。幹、枝が見えない程の花振りは滅多に無いと思いますよ。

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館長賞『かそけし』

 奨励賞の中にも仲々いいものがあって、例えば坂本藍子さんの『たゆたう』は、水面がゆらゆら揺れて濃淡に光る水中に、小魚が集まっている。上面の枝から散り始めた花びらを愛でているが如

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『たゆたう』

 一方『桜百景展』の方は、中堅クラスから実力派まで様々な桜を描いており、さすがと思う作品が多かった。第一に上げなければならない作品は、大きな屏風絵の西田俊英氏作『近衛桜』。非常に大きい大作なため半分ずつ仕上げている模様。屏風絵の左半分「明」を文頭に掲載しました。(右半分「暗」は最近完成したばかりだそうです)とにかく豪華絢爛ですね。枝垂れ桜が太陽の光に燦然と輝いています。見事としか言いようがない。

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『富士と桜図』平松礼二氏

 平松礼二氏の『富士と桜図』は富士の大胆な構図に細密画の様な桜花を描いています。富士の登山道まで描いてあるのが見えました。

 最後に『櫻雲の目黒川』(中島千波氏)も挙げなければなりません。地元目黒川の桜の名所にかかる、赤い橋がかすむ程爛漫と咲く満開の桜、「♫霞みか雲か♬はたゆきか♪」という歌を思い出しました。その他展示作品多数。

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『櫻曇の目黒川』中島千波氏

 来場者は非常に少なくて、各階でそれぞれ一人にしか会いませんでした。若し多くの人が押しかけたら狭い展示室なのでいくら換気をしてもコロナが心配な場所だと思いました。

 次に藝大の展覧会ですが、これは『藝大日本画展』と名を打って紀尾井タワー2階で3月12日~3月18日まで開催されているものです。日本が研究室の若い二人の先生、川崎麻央氏、伊藤春香氏のいわば二人展です。

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 弁慶橋を渡ってすぐ右手に高層ビルが見えて来てビルの全面広場には、桔梗や朝顔などの大きな飾りで積み上げたオブジェ(今回の展覧会との関係は不明?)が飾ってありました。

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 1階玄関入口の上には桜の木を左右に配して真ん中には大きく「紀尾井桜テラス」と書かれたパネルが飾ってあります。

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 中に入ってエスカレータで二階に行くと左手にさらに大きなドアが有り、その中のエントランス空間に作品は展示されていました。まず目につくのは鬼の形相をした仁王様の様な立像が青、緑、黄の極彩色で描かれています。水彩の様な淡いソフトな色で、なかなか配色のバランスが良い。

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確か地獄の入り口から戻ってきた処とか聞きました。

 同じ作者のもう一つの絵は、人物をデフォオルメして大きな剣を抱えているのか、剣を持ったもう一人の人物を抑えているのか定かではないですが、兎に角太い腕、太い剣、と対照的に細い足、細い指が印象的な作品です表情から見て懸命に抱えている感じ。飴細工の様な透明感のある色彩も綺麗で印象的です。

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 もう一人の作品は3作品とも同じ色彩と構図のトーンで描かれており、何れも細密画の様な細かい線での描写が特徴。設計図面の様な正確な表現です。

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 今回は展示作品こそ少ないですが、なかなか斬新な表現を感じるので、恐らくコロナが終焉すれば、又どこかで(大学構内かな?)別な作品を観る機会があるでしょうから、その時はまた見に行きたいと思いました。