
【日時】2026.8.7.(金) 19:00〜
【会 場】渋谷区文化総合センター大和田さくらホール(4F)
【音楽劇】シミグダリ氏~鉄靴の姫と麦粉の王子~
【演出・出演】

【プロフィール】
〇稲垣隆
作曲家・ピアニスト
1970年、東京都出身。4歳よりピアノを始める。幼少期からショパンの「幻想即興曲」に憧れ、小学4年生の頃にドビュッシーやストラヴィンスキーの作品に出会い「子供の領分」「春の祭典」等に大いに影響を受ける。千葉県立幕張西高校音楽科入学。この頃、自作品をアマチュア・オーケストラが演奏し自ら指揮するという機会を得て、ドビュッシーや武満徹的要素を交えた曲をつくる。1989年桐朋学園大学音楽学部作曲科に入学。卒業後は作曲家ピアニストとして多岐にわたり精力的に活動する。作曲家としては、昭和期における作曲家達の研究に従事し、現代音楽を主体としつつ映画音楽やCM音楽の作曲も手掛ける。
最近ではテレビやラジオ番組等に出演し、親しみやすいキャラクターとしてメディアでも活躍している。2018年3月には川谷絵音プロデュースのロックバンド『ジェニーハイ』のキーボードとして参加し話題となる。2018年5月には日韓合作映画「蝶の眠り」の音楽監督を務める。劇映画での音楽監督を務めたのは本作が初めてとなる。2018年10月には日ロ友好記念イベントのコンサートとして、クラシック劇場の世界最高峰といわれる、ロシア、サンクトペテルスブルクのマリインスキー劇場にて、ピアノ協奏曲を披露した。
2018年度より桐朋学園大学の非常勤講師に復帰。作曲を南聡、中川俊郎、三善晃、ピアノを中岡秀彦、河内純、夢藤哲彦、森安耀子の各氏に師事。
〇久恒秀典
脚本・演出家
国際基督教大学卒業。東宝演劇部専属契約の後イタリア政府奨学生としてボローニャ大学、ヴェネツィア大学、マルチェッロ音楽院、州立ゴルドーニ劇場演劇学校に学ぶ。文化庁芸術家在外研修員。
絨毯座『偽のアルレッキーノ』(佐治敬三賞受賞)にてオペラ演出デビュー。最近の作品として東京文化会館『泣いた赤おに』東京室内歌劇場『陰陽師』『恐るべき子供たち』東京藝術大学『フィガロの結婚』新国立劇場オペラ研修所『悩める劇場支配人』『領事』京都市立芸術大学『ドン・ジョヴァンニ』『愛の妙薬』がある。
現在、東京藝術大学、東京音楽大学、京都市立芸術大学、新国立劇場オペラ研修所講師。
〇岸本穂乃加
東京藝術大学音楽学部附属音楽高校を経て、東京藝術大学を首席で卒業。アカンサス音楽賞及び三菱地所賞受賞。また同大学院修士課程修了時に大学院アカンサス音楽賞受賞。宗次エンジェルヴァイオリンコンクール第3位及び聴衆賞。第86回日本音楽コンクール第3位。第9回東京音楽コンクール弦楽部門第1位。
新日本フィル、東京フィル、都響、日本フィルなどと多数協演。HONO Quartetとしても活動しており、 大阪国際室内楽コンクール第2位及びコンクールアンバサダー賞受賞。読売日本交響楽団次席第一ヴァイオリン奏者。
〇加藤文枝
東京藝術大学、同大学大学院卒業。学内にて安宅賞、アカンサス音楽賞、三菱地所賞受賞。パリ市立音楽院を満場一致の首席で卒業。第8回ビバホールチェロコンクール第1位。第7・8回東京音楽コンクール弦楽部門第2位。FLAME国際コンクール第3位。平成23年度京都市藝術文化特別奨励者。2011・2012年度ローム ミュージック ファンデーション奨学生。財団法人地域創造による公共ホール音楽活性化事業、平成26・27年度登録アーティスト。CHANEL Pygmalion Days アーティスト。オクタヴィア・レコードよりデビュー・アルバム「Parfum」をリリース。
〇大久保淳史
東邦音楽大学卒業時三室戸貴光賞受賞。新国立劇場オペラ研修所第23期修了。新国立劇場本公演では『フィレンツェの悲劇』シモーネをはじめ10以上のプロダクションでカヴァーを務め、『ジャンニ・スキッキ』ピネッリーノで新国立劇場デビュー後、オペラ鑑賞教室2026 『愛の妙薬』ベルコーレで出演。11月に日生劇場『ドン・ジョヴァンニ』タイトルロール、2月には新国立劇場『トスカ』シャルローネで出演を予定している。
〇田代 明
北海道出身。東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。2017年から22年まで劇団4ドル50セントに所属。主な出演作に『ブラッド・ブラザーズ』、『ツミとバツ』、『TARRYTOWN』、『NO.6』、 『ピーター・パン』、『夜のピクニック』、『「ファンファーレ!!」~響き続けた吹奏楽部の物語~』、 音楽朗読劇『パレード』など舞台作品の他、映画『僕らはみーんな生きている』など。今後は12月岡山芸術創造劇場ハレノワプロデュース『拝啓 ナイチンゲール様』出演が控える。
〇月影 瞳
元宝塚歌劇団 娘役トップスター。長野県上田市出身。うえだUPアンバサダー、上田市別所温泉アンバサダー、上田映劇理事。1990年「ベルサイユのばら」で初舞台。1997年「誠の群像」で星組トップ娘役となる。その後雪組に組替えし引き続きトップ娘役として活躍。2002年「愛燃える /Rose Garden」で退団。その後は、舞台を中心にコンサート、講演会、映画など多方面にて活躍中。
【美術】伊従珠乃
【衣裳】西原梨恵
【照明】稲葉直人(アート・ステージライティング
【音響】青木央(フィガロサウンドワークス)
【振付】伊藤範子(谷桃子バレエ団)
【舞台監督】伊藤潤(ザ・スタッフ)
【舞台監督助手】田中美賀子、飯田貴幸、 中間果帆(ザ・スタッフ)
【コレペティトール】高橋裕子、松本康子
【大道具】俳優座劇場
【小道具】ザ・スタッフ(黒川花)
【衣裳製作・ワードローブ】東京衣裳
【ヘア&メイク】趙英
【照明操作】アート・ステージライティング
【楽曲】
・ベートーヴェン『ピアノ三重奏曲第1番 変ホ長調 Op.1-1』
・ハイドン『ピアノ三重奏曲ト長調 Hob.XV:25 〈ジプシー風〉より 第1楽章
・新垣隆『麦粉の歌/ときめきの歌/ガチョウ小屋の夢/アーモンドの歌』他
【主催】東京都/東京文化会館(公益財団法人東京都歴史文化財団)
【後援】渋谷区/渋谷区教育委員会
【企画制作】東京文化会館事業
【粗筋】
〜昔々のギリシャのお話し〜
あまたの求婚者に目もくれず自分で恋人を作ったイリヤ姫
粗びきの麦粉と砂糖とアーモンドをこねてできた麦粉の殿 その名もシミグダリ氏!
美しく優しい殿のうわさは世界に広まり 遠い国の女王の耳にも入りシミグダリ氏は女王の国へさらわれてしまいました。でもイリヤ姫はあきらめない。鉄の靴を履いて恋人を探す旅に出ました。月の母子や太陽の母子にたずねても、シミグダリ氏のゆくえはわからない。
星のお母さんにたずねたら 星の子どもたちが教えてくれた!
たどり着いた遠い遠い黄金の国 長旅でボロボロのイリヤ姫。はたして無事にシミグダリ氏と再会し いっしょに故郷へ帰れるでしょうか!?
(イレーヌ・ナウマン=マブロゴルダートが収集したギリシャの昔話より)
【上演の模様】
今回の音楽劇は、東京都と東京文化会館が主催した音楽劇ですが、その監督を新垣隆氏が勤めていると言う情報を見て、あれ新垣さんて、前に聞いたことのある名前だな?と少し記憶をさかのぼったら、そうそう一昔前に、「佐村河内事件」というのがありましたっけ!と思い出しました。これは2014年2月、現代のベートーヴェンと騒がれた、佐村河内守氏のゴーストライターを、新垣さんが18年間務めていた事を告白。「交響曲第一番 HIROSHIMA」「ヴァイオリンのためのソナチネ嬰ハ短調」等の作曲家として、俄かに脚光を浴びたのでした。2015年10月にはピアノ協奏曲「新生」、2016年8月、交響曲「連祷 Litany(リタニ)」などその後も次々と作品を発表しました。新垣さんの才能は、作曲のみならず、ピアノ演奏の腕前、更にはオーケストラの指揮と多彩な活躍をして居る様でして、今年2月に、2日間に渡って横浜で開催された『The 12th Blue-T Piano Concerto Competition』に於ける「ブルーティーピアノコンチェルト管弦楽団」を新垣 さんが指揮したのを見たことがあります。
そして今回は、音楽劇の監督を勤め、ピアノ演奏もするということなので、一度観に行ってみようと思ったのでした。
会場は、渋谷の文化総合センター4階にある「大和田さくらホール」、初めて行きましたが、渋谷駅は、今大々的な工事中で、大きな道路を横切るにも横断歩道がなく、陸橋に登って横断してまた下がり、そして今度は坂道をかなり登った先にアクセスの悪い入り口の大ビルが聳えていて、その上の方の階にある、これ又入場してから分かりにくいホールでした。二度と行きたくなくなる様な立地のホールでした。これも、上野の東京文化会館が長期の修復工事に入った今となっては、代替ホールを探すのも一苦労だと言うことは、分かりますが、この渋谷の建物自体は終末なのにも関わらず、人気(ひとけ)が少なく、区立の様ですが、建築する際に人が使い易くすることは、考えなかったのでは?と邪推したくなる建物です。渋谷駅もそうですね。数年前、ヒカリエやら何やら、大きなビルが作られ、古い東横渋谷駅が取り払われ、地下鉄や様々な私鉄等が錯綜して、その出口、入口が複雑怪奇になってしまいました。余程慣れた人でないと、スムーズな移動、乗り換えは難しい。そうした事もあってか、今、更に渋谷駅の大改造工事をやっている様ですけれど、果たしてどの様になるのか?便利になればいいですけれどね。

愚痴を言うのはこの辺までにして、音楽劇の模様についてです。音楽演奏は、舞台下手(向かってか左手)のピアノの前に新垣さん、その右手前方に、岸本さん(Vn.)加藤さん(Vc.)、そして舞台中央で、大久保さん(シミグダリ氏役)、田代さん(イリヤ姫役)、月影さん(キンの女王役)が歌い、語り、踊り、演技しました。オペラだったら、演奏会形式だと殆ど歌が占め、フルオペラだと、歌中心で、レシタティーヴォなどの語りが付く場合もあり、演技が有っても、踊りもこなす歌手は余りいません。この音楽劇では、楽器演奏はオーケストラ役に徹し、歌手は、上記多役割りを一人一人立派にこなし、そう云う意味合いからは、ミュージカル、宝塚劇などに近いかな等と思いながら観ました。特に今回は、子供向けの童話的内容を題材にし、言葉や歌も、分かり易くして、夏休みの子供達や親子連れが、十分楽しめる様に工夫されていました。自分の目からしても見応え聴き応えがあって面白かった。唯残念なことに、1階の座席はさておき、上階の席は、ガラガラだったことと、たったこの日と翌日のニ日間だけの公演だったことです。
会場選びに工夫し、もっと複数の公演日にすれば、前宣伝のしようによっては、さらに人気が出たとのではと思うのですが。
何れにせよ、子供向けとは言え 、音楽演奏は、腕のいい奏者による生のクラシック演奏であり、歌もクラシックや宝塚経験者達の本格的なもの、ダンス、演技も熱の籠もった身のこなし、舞台設計・照明・効果音も本格的なものだったし、衣装も場面に応じ適宣変化させていたし、低コストのクラシック音楽と舞台芸術の組み合わせとして、今後発展の余地がある分野ではなかろうかと思った次第です。



