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現田・東響&牛田(Pf.)/ラヴェル『クープラン+Pf.コン』&Gershwin『Cuba序曲+米人in Paris』を聴く

フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2026《出張サマーミューザ@しんゆり!》

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〜東京交響楽団、フレンチでアメリカンなクラシック紀行〜
【日時】2026.8.2(日)15:00〜
【会場】昭和音楽大学 テアトロ・ジーリオ・ショウワ

【管弦楽】東京交響楽団

【指    揮】現田茂夫

〈Profile〉

    東京都生まれ、千葉県船橋市育ち。千葉県立千葉高等学校卒業後、東京音楽大学指揮科にて三石精一、汐澤安彦に師事し、指揮法を学ぶ。その後、東京芸術大学指揮科に進み、佐藤功太郎、遠藤雅古に師事。東京芸術大学在学中の1985年、安宅賞を受賞した。現在、ジュニアオーケストラ浜松の常任指揮者を務めている。

1987年、新星日本交響楽団指揮者 

2009年、神奈川フィルハーモニー管弦楽団名誉指揮者就任
【独    奏】牛田智大(Pf.)
【曲    ⽬】
①ラヴェル組曲『クープランの墓』

(曲について)

    クープランの墓』(フランス語: Le Tombeau de Couperin)は、フランスの作曲家モーリス・ラヴェルが1914年から1917年にかけて作曲したピアノ組曲。「プレリュード(前奏曲)」、「フーガ」、「フォルラーヌ」、「リゴドン」、「メヌエット」、「トッカータ」の6曲から成り、それぞれが第一次世界大戦で戦死した知人たちへの思い出に捧げられている。ラヴェル最後のピアノ独奏曲でもある。1919年に4曲を抜粋した管弦楽版が作曲者自身により作られた。

「管弦楽の魔術師」と呼ばれ、多くのピアノ曲(ムソルグスキーの『展覧会の絵』など、他の作曲家の作品を含む)をオーケストレーションしたラヴェルは、この『クープランの墓』にも編曲を施している(1919年)。ただしピアニスティックな技巧が前面に出される「トッカータ」と、中間部の「フーガ」の2曲は除外した(「フーガ」を外した理由についてラヴェルは語っていないが、バロック時代の組曲にならい、舞曲のみの構成にするため外したものと考えられている)。

4曲は順序が変更され、「プレリュード」、「フォルラーヌ」、「メヌエット」、「リゴドン」の順に演奏される。演奏時間は約17分。

 

②ラヴェル『ピアノ協奏曲 ト長調』

(曲について)

    ピアノ協奏曲ト長調』(仏: Le Concerto en sol majeur)は、フランスの作曲家モーリス・ラヴェルが最晩年に作曲した2曲のピアノ協奏曲のうちの一つ。死の6年前(1931年)に完成され、完成作品としては最後から2番目にあたる。並行して作曲された『左手のためのピアノ協奏曲』(1930年完成)の重厚さとは対照的な陽気で華やかな性格を持ち、生き生きとしたユーモアと優雅な叙情性にあふれている。作品中には、ラヴェルの母の出身地であるバスク地方の民謡や、スペイン音楽、ジャズのイディオムなど、多彩な要素が用いられているが、ラヴェル自身は「モーツァルトやサン=サーンスと同じような美意識」に基づいて作曲したと語っている。

 

③ガーシュウィン『キューバ序曲』

(曲について)

    1932年にガーシュウィンがキューバへ行った際、現地の音楽と陽気な雰囲気に影響を受けて作曲した、いわば観光音楽的な側面を持つ作品。短期間の旅行であったが、この経験はガーシュウィンにエスニックな音楽のインスピレーションをもたらした。ガーシュウィンはボンゴやマラカスなどの民族楽器を買い集めてアメリカに持ち帰ったほど、ルンバの音楽に関心を抱いていた。

当初は『ルンバ』という曲名が付けられ、同年夏の野外コンサートにて初演されたが、その後メトロポリタン歌劇場での慈善演奏会において再演されたときに現在の題名に改称された。

 

④ガーシュウィン『パリのアメリカ人』

(曲について)

    ニューヨーク・フィルの委嘱を受けて1928年に発表された。1920年代に過ごしたパリの活気に触発されて作曲された大掛かりな標題音楽であり、いわば音楽によるフランス紀行文である。特定の物語があるわけではないが、自動車のクラクションの利用に認められるように現代の都会の生活や喧騒が、ウィットを交えて楽しく描き出されている。ちなみに本作のニューヨーク初演のために、ガーシュウィンはパリのタクシー用のクラクションをアメリカ合衆国に持ち帰った。初演は1928年12月13日、カーネギーホールにおいてウォルター・ダムロッシュ指揮・ニューヨーク・フィル演奏により行われた。

    初稿と改訂稿(フランク・キャンベル=ワトソンによる改訂版)があり、こんにち頻繁に演奏されるのは後者である。オーケストラの通常の楽器編成に加えて、チェレスタやサクソフォーンのような近代的な楽器も利用されている。

 

【演奏の模様】

    今回のフェスタ サマーミューザは、「出張」と称して、新百合ヶ丘の昭和音大の大ホール(テアトロ  ジュリオ  ショウワ)で開催されました。このホールには、最低年一度は行きたいと考えていること、前回(今年2月)聴いた時から約半年が経った牛田さんに、変化があるのかないのか、ラヴェルをどの様に弾くのか等々の興味から聴きに行くことにしました。

     今回の管弦楽は東京交響楽団、指揮は現田茂夫さん、選曲は、ラヴェルの曲と彼との関係が深く、大きな影響を受けたガーシュウィンの曲を並べています。

  

①ラヴェル組曲『クープランの墓』

楽器編成:フルート2(ピッコロ持ち換えあり)、オーボエ2(イングリッシュ・ホルン持ち換えあり)、クラリネット2 (in A)、ファゴット2、ホルン2 (in F)、トランペット1 (in C)、ハープ1、弦五部の小規模な2管編成であり、打楽器を含まない。標準的なオーケストラ団体のほか、室内オーケストラ団体でもレパートリーとして取り上げられる。ラヴェルの他の楽曲でも見られることだが、木管楽器に対して高度な技術を要求し、特にオーボエにとっては最難関の楽曲とされる。

    四曲はピアノ独奏版の順序が変更され、以下の順に演奏されました。。

1. プレリュード

2.フォルラーヌ

3.メヌエット

4..リゴドン

この曲では、Ob.の活躍が目立ちました。確かに①—1では、Cl.からOb.に引き継がれるアンサンブル、①―2

では、Ob.の調べをVn.アンサンブルがfollow.やOb.とVc.Pizzicatoの掛け合いが、①—3と①—4での、朗々と謳われたOb.の動きが、目立った曲でした。


②ラヴェル『ピアノ協奏曲 ト長調』

〇 楽器編成

    オーケストラの規模は小さいが、管楽器や打楽器の多彩さとハープの使用が共通する。

独奏ピアノ、ピッコロ1、フルート1
オーボエ1、コーラングレ1、E♭クラリネット1、B♭クラリネット(A管持ち替え)1、ファゴット2、ホルン2、トランペット(C管)1、トロンボーン1、ティンパニ2、打楽器2名(大太鼓、小太鼓、シンバル、タムタム、トライアングル、ウッドブロック、鞭)、ハープ1
弦五部(第1ヴァイオリン8、第2ヴァイオリン8、ヴィオラ6、チェロ6、コントラバス(五弦のもの)4)

〇全三楽章構成

・第1楽章Allegramente(アレグラメンテ、「明るく、楽しげに」

・第2楽章Adagio assai,

・第3楽章 Presto, 

「急 - 緩 - 急」の3楽章構成。

今回のピアニストは、日本では根強い人気を保つ牛田さんで、確かに若手から熟年女性の姿が、多く見られました。牛田さんが登壇すると満員に近いと思われる会場からは、大きな拍手、ピアノに向かったソリストは、いつもの様に良く動く指使いが滑らかで、実直、真面目さを感じる演奏で最初から最後まで弾き通しました。オーケストラとの掛け合いも、現田氏の匙加減と味付けが絶妙なせいか、全然問題なく進行、やはり優等生タイプの演奏は、相変わらずでした。敢えて受けた印象から言わせて頂くと、カデンツァ、就中強奏を伴う箇所がまだまだ印象が薄く、もっともっと何倍もの力強さが欲しいですね。ピアニストによっては、ピアノが壊れてしまうのでは?とさえ思う強打者までいるのですから。もちろんラヴェルの曲ですから、良く作曲者の意図を理解してからの話しですが。それでも全体的には、素晴らしい演奏に違いないですから、演奏が終わると同時に会場からは、大きな拍手が、鳴り響きました。

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    この、大きい喝采に応えた牛田さんは、アンコール演奏を弾き始めました。

 

《ソリストアンコール曲》

ブラームス『間奏曲Op.118-2』

 

   ブラームスが 晩年の1893年に完成させたピアノ独奏曲集『6つの小品(Op.118)』の第2曲です

    非常に繊細な曲で、心を籠めた演奏でした。牛田さんは、こうした曲が似合うのでしょう。

 

〈参考〉

1.  2/2拍子, ト長調。ソナタ形式。ピシャリという鞭の音でインパクト強く始まり、ピアノが奏でる複調のアルペッジョに乗ってピッコロがバスク風の第1主題を奏でる。ややテンポを落とし(Meno vivo)、ピアノがロ短調の第2主題を奏でるが、この主題についてはスペイン風であるとも、ブルース風であるともされている。提示部ではさらに3つの主題が現れ、その後、展開部、再現部と進むが、型通りのソナタ形式ではない。特に再現部末尾において、ピアノのカデンツァに先立ちハープ・木管楽器によるカデンツァが挿入されている点は独創的である。途中で仄かな感傷的部分を挟みながらも、終始リズミカルでユーモラスなイメージが続き、ブルーノートの使用やトロンボーンのグリッサンド、トランペットのフラッタータンギングなどにジャズの影響がうかがえる。

 

2.  3/4拍子, ホ長調。叙情的なサラバンド風の楽章。ラヴェルの『亡き王女のためのパヴァーヌ』や、サティの『ジムノペディ』に通じる擬古的な美しさをたたえており、モーツァルトのクラリネット五重奏曲に感化されたとも言われる。冒頭のピアノ独奏は、全108小節の3分の1弱にあたる33小節間、時間にして2分以上もあり、ピアノ協奏曲としては異例の長さである。旋律は3/4拍子であるが、楽章の終止まで常に続けられる伴奏は6/8拍子のように書かれており、一種のポリリズムを形成している。長い独奏による主題提示の後に、弦の繊細な和声にのってフルート、オーボエ、クラリネットが途切れること無く旋律を歌い上げ、ファゴットやホルン等も出て来て盛り上がった後、コーラングレのソロが最初の主題を再現する。ここではピアノがアラベスク風の装飾的な音符によってコーラングレと対話し、短2度や長7度の不協和音を奏でる弦が音楽を一層感傷的なものにする。コーラングレのソロが終わった後、木管楽器が旋律を受け継ぎ、ピアノのトリルで儚げに終わる。簡素ながらも精緻な筆致による美しい音色は、ラヴェルの作品の中でも際立っている。

 

3. 2/2拍子, ト長調。ドラムロールに乗ってトランペットを中心とする金管楽器が特徴的なリズムを刻み、ストラヴィンスキーの『ペトルーシュカ』やサティの『パラード』に通じる、サーカスやパレードのような雰囲気で開始される。第2楽章と打って変わった諧謔さを持ち、活力にあふれた動的な楽章である。ピアノはトッカータ風で、只の半音階を左右のオクターヴにずらしたりなど、独特の使い方も見せる。冒頭のリズムのほか、甲高い変ホ調クラリネットによる第1の主題、平行和音による第2の主題、6/8拍子の行進曲風の第3の主題が登場し展開される。変則的なソナタ形式と見なすこともできる。前2つの楽章に比べると短いが、「管弦楽の魔術師」ラヴェルらしい巧みなオーケストレーションにより各楽器が活躍し、楽章冒頭のリズムによって華やかに曲を締める。

 

③ガーシュウィン『キューバ序曲』

〇楽器編成:フルート3(第3フルートはピッコロ持替え)、オーボエ2、イングリッシュホルン、クラリネット(B♭管)2、バスクラリネット1、ファゴット2、コントラファゴット1、ホルン4、トランペット(B♭管)3、トロンボーン3、チューバ1、ティンパニ、ボンゴ、クラベス、瓢箪太鼓、マラカス、弦楽五部。

〇全三部構成

曲は3部構成で、冒頭からラテン音楽のリズムによる音楽が登場し、すぐにボンゴやマラカス、ギロなどの打楽器群が加わる。第3部では曲想がますますエキサイティングになって盛り上がりをみせる。演奏時間は約10分

 

    こうした曲は、その雰囲気に浸りきるのが一番得策です。上記(曲について)にある様に、ガーシュウィンがキューバを訪れた印象を曲にしたもので1930年代の世界恐慌後、米国に頼って再興しつつある、南米特有の陽気な雰囲気を作曲したもので、現田・東響は、にぎにぎしく、そうした空気を良く表していました。ボンゴやマラカスのリズムを刻む調べは、ノリノリでした。とても楽しい雰囲気。

 

④ガーシュウィン『パリのアメリカ人』

この曲も上記(曲について)にある様に、ガーシュウィンが1920年代に度々訪れたパリの雰囲気に触発されたという。第一次世界大戦の終わりから世界恐慌(1929年)までの約10年間のパリは、「レ・ザネ・フォール(狂騒の時代・狂乱の時代)」と呼ばれ、空前の好景気と圧倒的な文化的成熟を迎えた都市でした。小型の大衆車を作られ始め、1920年代にヨーロッパでも自動車が一般に広く普及して行きました。第二次大戦終焉後から現在までの洗練された観光都市、パリとは異次元の、荒々しくも産業復興を目指すフランスの中心としての、パリの喧騒下の人々の息吹が街の喧騒を通して伝わってくる様な、ガーシュウィンの曲です。こうした雰囲気を醸し出す指揮・牽引は、現田さんは得意とする分野なのかも知れない。東響は、車の音や街の喧騒音を雑然の中にもコントロールの効いた発音で、指揮者の意に沿った演奏をしていたと思います。

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     演奏後指揮者は、会場の熱い拍手喝采に応えて、アンコール演奏をすることを曲名を告げてから始めました。

 

《アンコール曲》ガーシュウィン『ポーギーとベス』より〈サマータイム〉

 

    再び大きな反応が、沸き起こりました。

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    演奏会が終わると、会場の「テアトロ ・ジーリオ ・ショウワ」から新百合ヶ丘駅方面まで歩く人々は、長蛇の列を成しました。暑い、暑い!兎に角暑い!!

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