HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

響きの森ニューイアコンサート/大友・都響&務川(Pf.)

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【日時】2026.1.3.(土)15:00〜

【会場】東京文化会館大ホール

【管弦楽】東京都交響楽団

【指揮】大友直人

【独奏】務川慧悟(Pf.)

〈Profile〉

愛知県東海市で生誕。3歳よりヤマハ音楽教室で学ぶ。愛知県立旭丘高等学校東京藝術大学を経て、パリ国立高等音楽院第2課程ピアノ科、室内楽科修了。同音楽院フォルテピアノ科卒業。東京藝術大学1年在学中の2012年、第81回・日本音楽コンクール1位受賞を機に、本格的な演奏活動を開始。2014年(平成26年)、パリ国立高等音楽院に審査員満場一致の首席で合格し渡仏。2017年(平成29年)、シャネル・ピグマリオン・デイズのアーティストに選出されラヴェルピアノ作品全曲演奏をテーマに全6回のリサイタルを開催。2018年(平成30年)、NHKらららクラシック」において「左手のためのピアノ協奏曲」を演奏するなど、ラヴェルの作品に意欲的に取り組んでいる。日本音楽コンクールで第一位を同時受賞した反田恭平と、2019年(令和元年)から2台ピアノのツアーを企画。愛知県三重県大阪府にてリサイタルを行う。2年目となる2020年(令和2年)にはこの2台ピアノでパリデビュー、CD制作も行う。東京をはじめ東北5県を回るツアーを予定していたが、新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響により日程のほとんどが中止、延期となる。7月に予定されていた東京公演は、反田が立ち上げた企画の有料オンデマンドコンサート「Hand in hand vol.2」として配信された。 これまでに日本各地、スイス、上海、ラトビアにてリサイタルを開催。東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団東京フィルハーモニー交響楽団セントラル愛知交響楽団神奈川フィルハーモニー管弦楽団、フランスにてロレーヌ国立管弦楽団と共演のほか、室内楽では、NHK交響楽団首席奏者と共演。ソロ、コンチェルト、室内楽と幅広く演奏活動を行うと共に、留学記、コラムを連載するなど多方面で活動している。2019年(令和元年)9月、反田恭平が代表を務める株式会社NEXUSに所属。2020年(令和2年)7月、合同会社ミューズ・プレスより務川編曲の楽譜、ラヴェルマ・メール・ロワが出版された。

 

【曲目】

①J.シュトラウスII:オペレッタ『こうもり』序曲 

(曲について)

『こうもり』は、ロデリヒ・ベンディックスの喜劇『牢獄』(1851年)に基づいて、アンリ・メイヤックとリュドヴィック・アレヴィが執筆した喜劇『夜食』(1872年)を原作としており、舞台化はカール・ハフナーとリヒャルト・ジュネが担当した。

数あるウィンナ・オペレッタの中でも最高峰とされる作品で、「オペレッタの王様」ともよばれている。ヨハン・シュトラウス2世特有の優雅で軽快なウィンナ・ワルツの旋律が全編を彩り、その親しみやすいメロディーは全世界で愛されている。なお、台本には日付の設定はないが、ウィーンをはじめドイツ語圏の国々の歌劇場では年末年始恒例の出し物となっている。

中でも、その前奏曲は、有名で、曲の長さも適度であり、ウィーンナワルツに乗った舞曲が新年のさわやかさと華やかさを演出するので、人気のオーケストラ曲です。

 

 ②チャイコフスキーピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 op.23

 (曲について)

1874年11月から1875年2月にかけて作曲された。チャイコフスキーは当初ニコライ・ルビンシテインを初演者と目し、彼に献呈しようと考え、1874年のクリスマスにこの作品の草稿の段階でルビンシテインともう2人の楽友に聞かせたところ、ルビンシテインから思いがけず「この作品は陳腐で不細工であり、役に立たない代物であり、貧弱な作品で演奏不可能であるので、私の意見に従って根本的に書き直すのが望ましい」と激しく非難された。チャイコフスキーは友人であるルビンシテインの言葉に従わず、この非難の後、セルゲイ・タネーエフへの献呈を目して作曲を進め、オーケストレーションが完成した後で、ドイツ人ピアニスト・指揮者のハンス・フォン・ビューローへ献呈した。ビューローはこの作品を「独創的で高貴」と評した。

 


③ムソルグスキー(ラヴェル編曲):組曲『展覧会の絵』

(曲について)

 ムソルグスキー作曲のピアノ組曲「展覧会の絵」は、様々な作曲家によって管弦楽編曲されていますが、最も有名なのはラヴェル版です。
ムソルグスキーの「展覧会の絵」は、友人であった画家ハルトマンの遺作展を見て感銘を受け、その絵を題材に作曲されたピアノ組曲です。全10曲からなり、「プロムナード」という短い前奏曲または間奏曲が挿入されることで、展覧会を巡る様子を表していると謂われます。

 

【演奏の模様】

①J.シュトラウスII:オペレッタ『こうもり』序曲

◯楽器編成:フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット2、トロンボーン3、ティンパニ1対、打楽器小太鼓:大小2個、大太鼓スプローネ(拍車)、トライアングルシンバルチューブラーベル)、二管弦楽五部12型(12-10--8-6-4)

 この曲は何と新年の雰囲気を盛り上げる曲なのでしょう。これは我々聴衆が如何に正月に聴くことが多いか、別な言い方だと如何に正月に演奏されることが多いかです。我々の記憶中枢に巣喰っている調べです。総じて大友・都響の演奏はその雰囲気が十分出ていたと思いますが、細部をみるとアンサンブルの繰り返し部における追い込みテンポの食い込み度が今一つだったとか、管楽器特にOb.の音色が軽い(尤も自分としてはこの如何にも日本的とも言える軽さが好きなのですが)ソロ音が管弦楽の重厚さに応じたもっと重量のある調べだったら、如何にもウィーン風を味わえるのに等と勝手な感想を抱くのでした。

 

②チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番

◯楽器編成:フルート2、オーボエ2、B♭管クラリネット2、ファゴット2、F管ホルン4、F管トランペット2、トロンボーン3(テナー2、バス1)、ティンパニ、独奏ピアノ、二管編成弦五部12型

◯楽曲構成:全三楽章構成

第1楽章アレグロ・ノン・トロッポ・エ・モルト・マエストーソ - アレグロ・コン・スピーリト

第2 楽章アンダンティーノ・センプリチェ - プレスティッシモ - クアジ・アンダンテ

第3楽章アレグロ・コン・フォーコ

務川さんの演奏は、どういう訳かこれまで聴く機会がありませんでした。今回が初めてです。

聴いた感じは

 「Not everything is good but not bad.」

 全体的に迫力を要する処はきちんと表現出来ていたし、殆どの楽章で、管弦楽に毛押される箇所は無く、ミスも殆ど無かった。敢えて求めたい気がするのは、民族調の舞曲表現をさらにリズミカルで、しかも素朴さを出せたらチャイコ節全体がさらに生き生きすることでしょう。

 ソリストアンコール演奏の

ラヴェル『亡き王女のためのパヴァーヌ』

は、前半のゆったりした部分の演奏に心が籠った感じが少し不足しているのではと思いましたが、繰り返し演奏部になるとそれが良くなりました。


③ムソルグスキー(ラヴェル編曲):組曲『展覧会の絵』

◯楽器編成:

編成表
木管 金管
Fl. 3(2, 3番はFl.picc.持ち替え) Hr. 4 Timp. Vn.1
Ob. 3(3番はC.I.持ち替え) Trp. 3 Ptti.Tamb.Gr.C.Tam-T.Glsp.Xylo.Trg.Crec.FouetCamp. Vn.2
Cl. 2, Cl.b.1 Trb. 3 Va.
Fg. 2, Cfg.1 Tub. 1 Vc.
Sax.a.1   Cb.
その他 Cel.Arpa 2

◯曲構成:

全十曲に五曲のプロムナード+呼びかけ一曲

1.小人(グノーム)

2.古城

3.テュイルリーの庭、遊びの後の子供達の口喧嘩

4.ビドロ(牛車)

5.卵の殻を着けた雛の踊り

ファイル:Trilbyballet.jpgのHartmannChicksスケッチ

6.サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ

7.リモージュの市場

 

8.カタコンベ(ローマ時代の墓)

9.鳥の足の上に建つ小屋(バーバ・ヤガー)

10.キエフの大門

これ等は(曲について)にある様に死んでしまった友人画家の回顧展で見た十服の絵画を表し、その間を繋ぐ、即ち通路と言うかパイプ役目を果たすプロムナードと呼ぶ5曲およびカタコンベの死者への呼びかけの1曲から成ります。

 各曲ともよく出来た旋律で、聞き易い。流石一番多く演奏されるラヴェル版です。曲名をかなり説得力ある表情に演奏されました。昨年7月に山田和樹さんが、私兵バーミンガム市響を引き連れて来日した時、『展覧会の絵』のヘンリー・ウッド版を演奏しましたが、ラヴェル版より迫力はあるのですが、やや粗野な感じの曲達に思え、やはりラヴェル版の方が垢抜けした洗練さがあると思ったものです。

 今回の指揮者大友さんは冷静に淡々と牽引していましたが、①~③まで都響は相当根を詰めて演奏していたと思います。

 新年からかなりの観客が詰めかけた東京文化会館大ホールは、大きな拍手喝采と歓声も聞えた演奏終焉後でした。

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    尚、大友さんは、(多分内蔵マイクを使って)客席にしっかり聞える声で、アンコール曲を演奏することと曲名を告げて演奏開始していました。 

《オーケストラアンコール》

グノー『ファウスト』のバレエ音楽より 第5曲 「トロイの娘たちの踊り」

 弦楽のみの静かな落ち着いた曲をVn.アンサンブルを中心として、しっとりと演奏されました。いい曲だと思いました。オペラ『ファウスト』は、何年も前に「英国ロイヤルオベラ」を観たことがありますが、この「トロイの娘たちの踊り」は、聴いた記憶を思い出せません。