
【日時】2025年11月10日(月) 19:00開演
【会場】横浜みなとみらいホール大ホール
【管弦楽】ウィーンフィルハーモニー管弦楽団(コンマス:ライナー・ホーネック)
【指揮】クリスティアン・ティーレマン
〈Profile〉
クリスティアン・ティーレマンは、2024/25シーズンよりベルリン国立歌劇場の音楽総監督を務めている。1988年にニュルンベルク州立劇場の音楽総監督に就任。97年にベルリン・ドイツ・オペラの音楽総監督を、2004年から11年までミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の音楽総監督を務めた。12年から24年まではシュターツカペレ・ドレスデンの首席指揮者、さらに13年から22年までは、ザルツブルク・イースター音楽祭の芸術監督を、またバイロイト音楽祭の音楽顧問および音楽監督を務めた。
ティーレマンは、世界の主要なオーケストラや劇場から数多くの依頼を受けている。中でも、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団およびベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と緊密な関係を築いており、19年と24年にはウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートを指揮した。03年にドイツ連邦共和国功労勲章を受章。23年にはウィーン国立歌劇場の名誉会員に選ばれ名誉の指輪が贈られ、24年にはウィーン・フィルの名誉会員となった。彼の豊富な録音作品も数々の賞を受賞している。
【曲目】
①シューマン『交響曲第3番 変ホ長調 作品97〈ライン〉』
(曲について)
デュッセルドルフの管弦楽団・合唱団の音楽監督に招かれる。9月に同地に到着したシューマン夫妻は盛大な歓迎を受けた。シューマンはライン川沿岸を好んで散歩し、9月と11月にはライン川上流に位置するケルンにも足を延ばした。壮麗なケルン大聖堂に感銘を受け、折しもこの時期に挙行されたケルン大司教ヨハネス・フォン・ガイセルの枢機卿就任式の報に接し、交響曲の霊感を得たという。シューマンは同11月にチェロ協奏曲を完成させると、ただちに交響曲の作曲に取りかかって、12月には完成している。「ライン」の副題は、シューマン自身が付けたものではないとしても、シューマンがライン川の川下りやそれを取り巻く環境に大いに触発され、その音楽もまた関連が深いことは間違いなく、第1楽章(ローレライ)、第2楽章(コブレンツからボン)、第3楽章(ボンからケルン)、第4楽章(ケルンの大聖堂)、第5楽章(デュッセルドルフのカーニヴァル)と関係が深くなっている。
②ブラームス『交響曲第4番 ホ短調 作品98』
(曲について)
第3交響曲完成の翌年1884年から1885年にかけてヨハネス・ブラームスが作曲した最後の交響曲。第2楽章でフリギア旋法を用い、終楽章にはバロック時代の変奏曲形式であるシャコンヌを用いるなど、擬古的な手法を多用している。このことから、発表当初から晦渋さや技法が複雑すぎることなどが批判的に指摘されたが、現在では、古い様式に独創性とロマン性を盛り込んだ、円熟した作品としての評価がなされており、4曲の交響曲の中でも、ブラームスらしさという点では筆頭に挙げられる曲である。同主長調で明るく終わる第1番とは対照的に、短調で始まり短調で終わる構成となっているが、これは弦楽四重奏曲第1番、第2番やシェーンベルクが管弦楽に編曲しているピアノ四重奏曲第1番など、ブラームスの室内楽曲では以前から見られる構成である。ブラームス自身は「自作で一番好きな曲」「最高傑作」と述べている。演奏時間約40分。
【演奏の模様】
①シューマン『交響曲第3番 変ホ長調 作品97〈ライン〉』
◯楽器編成:フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット2、トロンボーン3(アルト・テナー・バス各1)、ティンパニ、弦五部16型。
◯全五楽章構成
第1楽章 生き生きと(Lebhaft)
第2楽章 スケルツォ きわめて中庸に(Sehr mäßig)
第3楽章 速くなく(Nicht schnell)
第4楽章 荘厳に(Feierlich)
第5楽章 フィナーレ 生き生きと(Lebhaft)
この曲は、シューマンが、ドレスデンへの転居を契機にライン川とその流域地方に目を向け、特にその河畔に建つケルンの大聖堂の威容に触発されて作曲されたとの見方が成されています。今回配布されたプログラムノートには、1〜5楽章全て、大聖堂に関係付けられた解釈が掲載されています。基本的にはそうした事が背景にあることは間違いないでしょうけれど、各楽章の音楽を聴くと、殊に今回のティーレマン・ウィーンフィルの演奏を聴くと、上記した(曲について)にある様に、シューマンがライン川両岸の沿線に見た風景や、風俗などの様子も加味して音楽に表現しているとも考えられます。
即ち第1楽章 (生き生きと)では、ライン川(der Rein父なるライン)の雄大で力強い流れを彷彿とさせる、スケール感のある雰囲気があります。もうかなり昔のことになりますが、ラインの川下りの船に乗った時、その流れが、かなり速いことは意外でした。有名なローレライの岸壁で、人魚姫の歌に惑わされて舟が沈んだという伝説は、その流れがその地点の水深と沿岸地形の影響で渦巻く様な早瀬となっていた事も一因では、なかろうかとも思うのです。
開放的で希望に満ちた曲想は、ライン地方への移住に伴うシューマンの新たな希望や活力の表われであり、特にHrn.(4)の斉奏が、朗々と明るい響きを醸し出して、その雰囲気向上に寄与していました(Hrn.の活躍は.次の第2楽章でも最終楽章でも目立ちました)。
第2楽章 (スケルツォ きわめて中庸に): スケルツォ(実際にはレントラー舞曲風の素朴なロンド)で、ライン川沿岸ののどかな田園風景や、人々の素朴な踊りなどを想起させる、穏やかな滔々とした弦楽奏の流れに、管楽器が竿さし、アクセントを付けていました。でもここも穏やかな楽章と言って良いでしょう。
第3楽章 (速くなく)は、間奏曲のような位置づけで、木管楽器による優しく叙情的なメロディが特徴です。これは、川のほとりで交わされる恋人同士の語らいや、穏やかな風景の中での静かな思索を思わせるとの見方もある位ですから、これもまた麗しさもある女性的楽章でした。
第4楽章 (荘厳に)では シューマンがケルン大聖堂で体験した大司教の昇叙式の印象に基づいていると謂われ、トロンボーンの響きが、ゴシック様式の壮麗な聖堂に響き渡り、敬虔な雰囲気を醸し出すのに成功していました。今回の金管は総じてうまく揃っていたと言って良く、流石、名伯楽に、名馬揃いだと思いました。
最終の第5楽章 (フィナーレ 生き生きと)では、前楽章から一転し、非常に活気のある行進曲風の演奏でした。。ライン地方の秋の収穫祭やカーニヴァルのような、陽気で賑やかな祝祭の様子を描写しています。
全体として、この交響曲はライン川という「父なる川(Der Rhein男性名詞)」を背景に、自然の雄大さ、人々の暮らし、そして荘厳な歴史的建造物といった多様な風景を、女性的美しさをも兼備して描き出しており、指揮者は、よくその感性を研ぎ澄まして、ウィーンフィル奏者の持ち味を最大源に弾き出していた
(参考)
1
第1主題が勢いよく呈示される。シンコペーションを使ったリズム変化で、滔々と流れる印象を聴き手に与える。第2主題は木管による哀愁を帯びたもの。コデッタは第1主題の動機に基づいており、この提示部はシューマンの交響曲の第1楽章としては唯一反復指定がない。185小節目から始まる比較的長めの展開部は、二つの主題や経過句の動機を使い、後半でホルンの斉奏が第1主題の拡大形を勇壮に示して再現部へとつなげる。
2.
スケルツォ きわめて中庸に(Sehr mäßig)
スケルツォとされるが、諧謔味は薄く、Aはたゆたうようなリズムが特徴的。Bはイ短調で管楽器の柔らかい響きが目立つ。
3.
速くなく(Nicht schnell)
変イ長調。4/4拍子。
細かく見れば、ほぼABCBCAの形式と見られるが、各部の区分はあまり明確でない。Aは木管による親密な表情で呼びかけるような旋律、Bは弦による音階上昇の動機、Cは逆に下降する動機が特徴的。金管はほぼ沈黙し、終始静かに演奏される。
4.
荘厳に(Feierlich) 楽譜の調記号は変ホ長調だが、実際の響きは変ホ短調。4/4拍子。
当初「厳かな式典の伴奏のような性格で」と記され、ケルンでの枢機卿就任式の儀式の雰囲気を模したことが認められる。金管がコラール風の息の長い旋律を示し、これがカノン風に繰り返される。そこから派生した低弦の動きのある短い動機が加わり、再び初めの旋律に戻るという、ほぼ3つの部分で構成されている。この楽章の素材が次の楽章でも活躍することから、フィナーレへの序奏としての性格も持っていると考えられる。
5.
フィナーレ 生き生きと(Lebhaft)
変ホ長調。2/2拍子。
金管のファンファーレを伴う、活気のある第1主題が弦によって示される。第2主題は明確には認められない。金管の走句がたびたび挿入され、祝祭的気分を盛り上げる。展開部では第4楽章の主題も登場し、再現部に向けて長いクレッシェンドを築く。コーダで再び第4楽章の主題を用いて高揚し、全曲を明るく結ぶ。
②ブラームス『交響曲第4番 ホ短調 作品98』
◯楽器編成 二管編成 弦楽五部14型
Picc.(2番フルート持ち替え) Fl.(2)
Ob.(2) Cl.(2) Fg.(2) Cont-Fg.(1) Hrn.(4) Trmp.(2) Hrn.(4) Trmp.(2) Trmb.(3) ティンパニ(3)Tria.(1)
◯ 全四楽章構成
演奏時間 40分程
第1楽章 Allegro non troppo(15分)
第2楽章 Andante moderato(11分)
第3楽章 Allegro giocoso(6分)
第4楽章 Allegro energico e passionate(11分)
この曲はブラームス52歳(1885年)の時の作品、ブラームスは、ドイツのハンブルグ出身(1833年生誕)で、若い時にはシューマンに師事してジュッセルドルフに住んだりしたのですが、それまでウィーンにはクララのピアノ演奏会のお供をしたぐらいで、ウィーンに移り住み着いたのは1871年、40歳近くになってからです。そこで1876年には19年かかった交響曲第1番を完成させ、その後2番(1877年)、3番(1883年)と筆を進め、今回演奏された最後の交響曲第4番は1885年、52歳の時の作品でした。従ってブラームスの交響曲は、ウィーンの香りの基に完成されたもので、シューマンの交響曲3番ライン川とはその流れを異にする、即ちラインの父性的なものに対し、あくまで母なるドナウなのです。
またこの曲に関しては去る7月にギルバート・都響の演奏で聴いたばかりですが、その美しさは第3番同様、映画音楽として引用されても良さそうな曲であることなどを記していますので、その時の記録を文末に抜粋して再掲して置きます。
斯くの如く、ティーレマン・ウィーンフィルは、より一層、この麗しい交響曲を第1楽章ばかりでなく、他の箇所でも何か哀愁を感じるロマンティシズムに満ちた演奏で聴かせて呉れました。そう滅多には聞けない4番だと思いました。ティーレマンの指揮は、勿論ウィーンフィル奏者の大半の性状は知り尽くしている可能性はあり、その指揮姿勢は往年の名指揮者、カール・ベームを彷彿とさせるスタイルにも見えましたが、勿論独特な他の動きも多々交えて細部まで音作りを指示していることが伺えました。リハーサルは見たこと無いのですが、想像するにかなり厳しい姿勢なのでは?とも思われました。
今日の関東における『ウィーンフィル・ウィークインジャパン』の初日を聴き、今後の他のプログラムを聴くのが、益々楽しみになって来ました。
〈参考〉
1.ホ短調。2/2拍子。ソナタ形式。ヴァイオリンが休符を挟んで切れ切れに歌う第1主題によって開始される。この主題は3度下降の連続、その後6度上昇の連続という動機から成り立ち、哀切な表情を湛えている(最初の8音は三度の下降分散和音に還元できる)。それがロ短調へ推移してロマンチックな緊張感を帯びていくと、突如、管楽器の三連音を含む古色味のある楽句によって断ち切られる。この楽句がこののち、第1主題と並んで重要な動機となり、続いて歌われるチェロとホルンによるロ短調の印象的な旋律も(これを第2主題と見る解釈もあるが、ここでは経過句とする)すぐこの三連音の動機へと移行する。木管と弦が緊張を解くように掛け合うと、木管がやはり三連音を使ったなめらかな第2主題をロ長調で出し、小結尾は三連音の動機で凱歌をあげる。提示部は、4つの交響曲中ただひとつ繰り返されない。そのためか展開部は第1主題が原型のままで始まる。展開部で最初に扱われるのは第1主題だが、やがて三連音動機も加わる。遠いティンパニ・ロールの轟をともなって、木管によって寂しげに第1主題冒頭が再現されるが、第1主題9音目から提示部と同じ姿に戻り、そのあとはロ短調への転調もなく、ホ短調からホ長調へと型どおり進む。しかし小結尾では三連音の動機を繰り返しながら再び悲劇的な高まりを強め、第1主題のカノン風強奏を迎えてコーダにはいる。コーダはほぼ第1主題提示部の強奏変奏の形で、そのまま悲劇的に終結する。終止は、サブドミナント(IV)からトニカ(I)に移行するプラガル終止(アーメン終止・変格終止)を採用している
2,ホ長調。6/8拍子。展開部を欠いたソナタ形式。ホルン、そして木管が鐘の音を模したような動機を吹く。これは、ホ音を中心とするフリギア旋法である。弦がピチカートを刻む上に、この動機に基づく第1主題が木管で奏される。これも聴き手に古びた印象を与える。ヴァイオリンが第1主題を変奏すると、三連音の動機でいったん盛り上がり、静まったところでチェロがロ長調の第2主題を歌う。単純明快な旋律だが、弦の各パートが対位法的に絡み、非常に美しい。再現部はより劇的に変化し、第2主題の再現は、8声部(第1・第2ヴァイオリンとヴィオラがディヴィジする)に分かれた弦楽合奏による重厚なものとなる。最後にフリギア旋法によるホルン主題が還ってきて締めくくられる。
3ハ長調。2/4拍子。ソナタ形式。過去3曲の交響曲の第3楽章で、ブラームスは間奏曲風の比較的穏やかな音楽を用いてきたが、第4番では初めてスケルツォ的な楽章とした(ただし、3拍子系が多い通常のスケルツォと異なり、2/4拍子である)。
冒頭、第1主題が豪快に奏される。一連の動機が次々に示され、快活だがせわしない印象もある。ヴァイオリンによる第2主題はト長調、やや落ち着いた表情のもの。展開部では第1主題を扱い、トライアングルが活躍する。ホルンが嬰ハ長調でこの主題を変奏し、穏やかになるが、突如、第1主題の途中から回帰して再現部となる。コーダでは、ティンパニ(全交響曲中この曲のこの楽章と第4楽章では3台使用、通常は2台)の連打の中を各楽器が第1主題の動機を掛け合い、大きな振幅で最高潮に達する。
4.ホ短調。3/4拍子。バスの不変主題の上に、自由に和音と旋律を重ねるシャコンヌ(一種の変奏曲)。管楽器で提示されるこのシャコンヌ主題は8小節で、先に述べたとおり、バッハのカンタータから着想されたといわれる。楽章全体はこの主題と30の変奏及びコーダからなる。解釈上いくつかの区分けが考えられるが、ここでは、30の変奏をソナタ形式に当てはめた解釈によって記述する。
aシャコンヌ主題 主音から出発して属音まで6つ上昇、オクターブ下降して主音に戻るという、E-F♯-G-A-A♯-B↑-B↓-Eの8つの音符からなる(上記のバッハの主題とは、A♯以外一致する)。注目すべきことに、シャコンヌ(またはパッサカリア)の通例とは異なり、旋律主題がバスではなく高音域に置かれている。IV度の和音に始まり、和声進行は定型通りではなく、属和音も5度音が下方変位させてあり、最後の和音は長調となるピカルディー終止。
b提示部-第1-15変奏
・第1主題相当部-第1-9変奏
・経過部-第10-11変奏
・第2主題相当部-第12-15変奏
ここでは3/2拍子に変わり、テンポが半分に遅くなる。第12変奏で印象的なフルート・ソロが聴かれる。第13変奏でホ長調に転調し、第14変奏と第15変奏では、管楽器によるサラバンド風の慰めるような歩みとなる。
c展開部-第16-23変奏
第16変奏で冒頭のシャコンヌ主題が再現し(和声付けは異なる)、ここから後半部にはいる。第23変奏で再びシャコンヌ主題の形がはっきり現れてくる。
d再現部-第24-30変奏
第24変奏から第26変奏までは、第1変奏から第3変奏までの再現で、より劇的。最後の2つの変奏(第29及び第30変奏)では下降3度音程の連続によって、第1楽章第1主題が暗示される。ブラームス自身によるピアノ4手(2台ではなく1台)連弾編曲版のみTempoIが置かれ、冒頭のテンポに戻される。
e.コーダ ピウ・アレグロに速度を速め、さらに緊張を高めて劇的に終結する。
ティーレマンがタクトを割りと早くおろとすと、すかさずかなりの観客入りであった大ホールからは、大きな拍手と歓声が沸き起りました。ティーレマンは関東地方初演の横浜会場の反応の大きさに満足の様子、二つの大曲を演奏した残り時間は余り無いと思われましたが、それでも再び指揮台に昇って、アンコール演奏を始めたのです。
《アンコール曲》ヨハンシュトラウスⅡ世『青く美しきドナウ』
これぞ、ウィーンフィルのドナウ河です、(ライン河では有りません)と言いたかったのかも知れません。
ドナウ川は以前、船に乗って「ドナウベント」まで行った時に、(場所にもよるかも知れませんが)随分水量が豊富だなと思ったものでした(即ち平均水深が深いのでしょう)。豊潤な「母なるドナウ」です。ウィンナーワルツ船に乗って優雅な舞いを夢想出来るアンコールでした。
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•・(割愛)・・ 次の第3楽章ポーコ・アレグレットでは、Vc.アンサンブルに依る哀愁を帯びた主題からの有名な楽章が始まりました。最近の異常な暑さの日中を遠路わざわざ上野まで足を運んだのも、特にこの楽章を生で聞きたかったことが一因です。何で有名なのかは言うまでも無くご案内の様に、以下の(hukkats注2.)に示した映画、イングリッド・バーグマンが主演した映画の、バックグラウンドミュージックとして使われたテーマ音楽だったからでした。昔見たこの映画では、第3楽章の調べが、バーグマンの憂愁を帯びた困りはてた表情をさらに美しく陰らせ、忘れられない場面となりました。映画の基と本は、『悲しみよこんにちは』で超有名なフランスの女流作家フランソワーズ・サガンです。ストーリーとしては今考えてみてもそれ程大したものとは思われませんが、バーグマンのみならず、アンソニー・パーキンス、イヴ・モンタンの名演が絡み合いより一層バーグマンを輝かせていました。
(hukkats注2.)
『さよならをもう一度、ブラームスはお好き?』(原題:英: Goodbye Again、仏: Aimez-vous Brahms?)は、1961年のフランス・アメリカ合作映画。フランスの作家フランソワーズ・サガンの小説『ブラームスはお好き』(Aimez-vous Brahms? )を映画化した。初公開は1961年6月29日。日本での公開は10月25日。ブラームスの交響曲第3番第3楽章(ポコ・アレグレット)の甘美なメロディが様々にアレンジされ、各場面で効果的に使われている。
〈主な出演者〉
イングリッド・バーグマン
イヴ・モンタン
アンソニー・パーキンス
〈映画で流れる曲〉
オケ演奏会場面:ブラームスの1番4楽章、同3番3楽章の一部
ナイトクラブの場面:同3番3楽章のサックス奏、ダイアン・キャロㇽの歌
レストランの舞踏の場面:第3番3楽章のVn.奏 他ピアノ演奏等多数。