HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

横浜山手西洋館・秋のサロンコンサートを聴きに行きました。

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〜古楽器で味わうハイドン・モーツァルト・ベートーヴェン・バッハ〜

【日時】2025.10.12.(日)14:00〜

【会場】横浜山手「ブラフ18番館」

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【出演】アンサンブル山手バロッコ(古楽アンサンブル)

〈Profile〉

 1998年、横浜山手の洋館「山手234番館」の記念のコンサートをきっかけに、山手在住のリコーダー愛好家・ 朝岡聡を中心に結成された古楽器を使った演奏団体。山手の西洋館での演奏活動を25年以上継続している。 バロック音楽を分かりやすく伝える活動も行っている。

【メンバー】

◯清野 由紀子(クラシカル・フルート)

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    〈Profile〉

    昭和音楽大学管弦打楽器科卒。卒業後は音楽出版社勤務の傍ら研鑽を続け、モダンフルートを岩花秀文氏、フラウト・トラヴェルソを故中村忠の各氏に師事。バロックアンサンブル『ラ・クール・ミュジカル』主宰。アンサンブル山手バロッコメンバー。

 

◯曽禰 寛純(クラシカル・フルート)

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    〈Profile〉

    フルート演奏を経て、フラウト・トラヴェルソを独学で習得、慶應バロックアンサンブルで演奏。1998年に朝岡聡と共に、アンサンブル山手バロッコを結成し、洋館でのコンサートを継続。カメラータ・ムジカーレ同人。

 

◯小川有沙(クラシカル・ヴィオラ)

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    〈Profile〉

    慶應バロックアンサンブルでヴィオラを演奏。卒業後、才ーケストラ、室内楽の両面で活動している。アンサンブル山手バロッコメンバー。

 

◯黒滝泰道(クラシカル・チェロ)

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   〈Profile〉

 矢島富雄、三木敬之、山崎伸子各氏の指導を受ける。慶應バロックアンサンブルOB。弦楽合奏団、古楽アンサンブルなどで活動。アンサンブル山手バロッコメンバー。

 

【曲目】

①F.J.ハイドン (1732-1809) F.J.Haydn

『2本のフルートとチェロのための〈ロンドントリオ〉第1番 ハ長調Hob. IV-1』 

・アレグロ・モデラート

・アンダンテ ヴィヴァーチェ

(曲について)

 ハイドンは長らくアイゼンシュタットに居を構えるエステルハージ候の宮廷楽長として、候の館に留まり、そこで交響曲、協奏曲や室内アンサンブルの作曲と演奏を行いました。。エステルハージ候が亡くなり、自由な身になった晩年には、英国の美行師ザロモンの招聘を受け二度に渡ってロンドンに滞在し、現在多く演奏されるロンドンセットなどの交響曲や弦楽四重奏曲の名曲を作曲・演奏し熱烈な歓迎を受けました。ロンドントリオは、ハイドンが、2回目のロンドン滞在中に作曲され、 フルート2本とチェロの編成で4曲が残されています。 第1番ハ長調のトリオは、3つの楽章からなり4曲の内で最も充実した構成になっていますが、重苦しいことは1つもなく、 生気に溢れる喜遊曲といった趣の曲に仕上がっています。第1楽章はアレグロ・モデラート。第1フルート、第2フルートが重なって進行したり、交互に掛け合ったりしながら進み、チェロの低音の上で活躍します。チェロも要所要所で、技巧的な旋律でフルートに対抗し、楽しいやり取りが散りばめられています。第2楽章アンダンテはシシリアーノの雰囲気の佳曲で、

最後の第3楽章ヴィヴァーチェは軽快に3つの楽器で駆け抜けます。

 

②W.A. モーツァルト (1756-1791) W.A.Mozart

『ヴィオラとチェロのためのソナタ 変ロ長調』より 第1楽章・第3楽章 K.292/196c 

・Allegro

(曲について)

 モーツァルトは、1775年(19歳)頃、滞在していたミュンヘンで、ファゴットを巧みに演奏することでも知られていたデュルニッツ男爵のためにファゴットとチェロのためのソナタ 変ロ長調を作曲しました。今回はヴィオラとチェロのために編曲した版の演奏です。原曲は、ファゴットとチェロという珍しい編成で、当時流行していたフランス趣味のギャラント様式に基づいています。様式的には、ソナタ形式があり、カデンツァなど協奏曲的な要素も盛り込み、一方でチェロにはバロックの通奏低音の名残も見られるという、若きモーツァルトの佳作です。第1楽章は、ソナタ形式でファゴット(ヴィオラ)ソロをチェロが伴奏し、協奏曲的な動きも交えます。第3楽章は楽し気なテーマで始まる軽快なロンドです。

 

③L.v.ベートーヴェン 『2本のフルートのためのアレグロとメヌエット ト長調 WoO26』

 Allegro - Menuetto

(曲について)

 1792年、青年時代のベートーヴェンは、友人であるM、デーゲンハルト氏にこのアレグロとメヌエットを献呈しました。その少し前にドイツを訪れたハイドンに認められて弟子入りが叶い、晴れて音楽の都ウィーンに向かう決意をしたばかりの時期の希望と自信に溢れた曲です。第1楽章アレグロはソナタ形式で書かれていますが2本のフルートが軽やかにかけまわるソナタ形式、第2楽章メヌエットは間にトリオを挟む三部形式です。

 

④J.C.バッハ (1735-1782) J.C.Bach

『2本のフルート、ヴィオラとチェロのための四重奏曲 ト長調 作品8-3 』

 Allegretto - Allegro Rondeaux

(曲について)

    ヨハン・クリスチャン・バッハは、大バッハ (J.S.バッハ)の未息子でライプチッヒで生まれ、ロンドンで亡くなりました。活躍の中心はロンドンで、音楽監督としてオペラ、交響曲やカンタータを作曲上演し、また鍵盤楽器の名手として協奏曲や室内楽曲を多く残しました。親の代から親交の深いヴィオラ・ダ・ガンバの名手J.C.アーベルとの「バッハ・アーベル演奏会」 シリーズなどを通じてバロックから古典派への扉を開き、モーツァルトとも親交がありました。この曲は、もともとは、オーポエ(またはフルート、ヴァイオリン)、ヴァイオリン、ヴィオラとバスのための四重奏曲として1770年頃に作曲され作品8 として出版されました。最近の研究で“アーベルのために”という副題付きで、ヴィオラのパートをヴィオラ・ダ・ガンバとし、そのパートが活躍するようにされた資料が発見されました。ト長調の四重奏曲は全体に軽やかな曲想で、第1楽章アレグレットは、各パートが歌うように活躍します。第2楽章ロンドは、充実した楽章で、各楽器がロンド主題に挟まれた部分で、順次技巧的に活躍し軽快に曲を閉じます。

 

【演奏の模様】

①F.J.ハイドン (1732-1809) F.J.Haydn

『2本のフルートとチェロのための〈ロンドントリオ〉第1番 ハ長調Hob. IV-1』 

耳に暖かく包み込む様な調べが広がりました。高音旋律1Fl.と低音伴奏2Fl.とキザミ奏のVc.の音が一体化し、穏やかな休日の雰囲気を十分味わえる演奏でした。

3楽章で1Fl.の速いテンポの旋律は2Fl.も低音域で速いテンポで強奏していました。

終盤の1Fl.⇒2Fl.⇒Vc.とフガートで繋がり、何回もテーマが繰り返されて、

 

②W.A. モーツァルト (1756-1791) W.A.Mozart

『ヴィオラとチェロのためのソナタ 変ロ長調』より 第1楽章・第3楽章 K.292/196c 

②-1  Vc.は①の演奏で指慣らししたせいかスムーズにスタート。Va.はガット弦のせいかかなり太く低い音に聞えます。落ち着き払ったモーツアルトとの感が強い調べはこれまで聴いて来たベートーヴェンとは一味違った風味がします。

②-2 面白いで出だしのリズムモツにしては素朴な旋律、これも初期の作品の為か?

 

③L.v.ベートーヴェン 『2本のフルートのためのアレグロとメヌエット ト長調 WoO26』

③-1高音部Fl.の高い音がやや苦しそう(出しにくい様子)、キザミ奏は1Fl.も2Fl.も良く合致していました。

③ー21Fl.は高い旋律奏、2Fl.は伴奏に徹しています。1Fl.は明るい雰囲気の素朴な旋律奏です。息が二人共ピタリと合っていました。流石です。暫くすると最初のテーマに戻り、1Fl.が旋律奏+2Fl.は伴奏キザミ。終盤の変拍子とも思える箇所が面白みがが有りました。

 

④J.C.バッハ (1735-1782) J.C.Bach

『2本のフルート、ヴィオラとチェロのための四重奏曲 ト長調 作品8-3 』

ヨハン・クリスチャンバッハは全体的には大バッハとはかなり異なる印象の調べを繰り出します。

④ー11FL.と2Fl.が卓越した調べを立て、Va.がかなり弱く感じましたが、Va.のソロ的場面では明快なVa.の音が響きます。Vc.は一貫して低音域をしっかり支配していました。Va.の終盤ではルクレール的修飾音を混じえながらソロ音を立て、1Fl.旋律の終部は短調的な処が大バッハの香りも漂いました。Vc.は地道ですが、安定感が有りました。合奏アンサンブルは大筋で良く合っていました。


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    今日は昨日の台風一過、割りといい天気となり、次の台風が迫って来るあいだのしばしの中休みといった三連休の中日でした。コンサートが終わってから、他の西洋館も廻ってみましたが、丁度次のハロウィン関係の展示準備のところや休館の処が多く、目ぼしい収穫はありませんでしたが、結構歩く距離が稼げるので、いい運動になりました。