〜ランチタイム コンサート8月/夏休みスペシャル〜
【日時】2025.8.19.(火)12:10〜
【会場】ミューザ川崎シンフォニーホール
【出演】マリンバ&パーカッション:
〇樋口さゆり
〈Profile〉
佐野市出身。4歳よりピアノ、10歳より打楽器を始める。栃木女子高等学校を卒業後、東京藝術大学音楽学部器楽科打楽器専攻を経て、同大学院修了。修了時に大学院アカンサス音楽賞を受賞。
NHK「ららら♪クラシック」、TV朝日「題名のない音楽会」に出演。打楽器奏者としてオーケストラ、吹奏楽、室内楽など多方面で演奏活動を行っている他、マリンバを使ったヒーリング音楽の制作や、打楽器を用いたリラックスできる空間づくりを模索している。
Marimba Healing 主宰、寺田由美パーカッションアンサンブル「ドライヴ」メンバー。
〇日比彩湖
〈Profile〉
3歳よりマリンバを始める。愛知県立明和高等学校音楽科を経て、東京藝術大学器楽科打楽器専攻卒業。
第10回KOBE国際学生音楽コンクールA部門優秀賞。田久保裕一指揮、セントラル愛知交響楽団と共演。第40回、41回藝大定期室内楽に出演。American Wind Symphonyのツアーにて、ソリストとしてマリンバコンチェルトを演奏。 第1回Taiwan International Percussion Convention Competition Marimba Solo部門ファイナリスト。
マリンバ曲集「マリンバ・フェバリッツ」をはじめとするCDやTVCM等の録音に参加する他、テレビ番組「題名のない音楽会」「ららら♪クラシック」等に多数出演。
現在ぱんだウインドオーケストラ、オーケストラ・トリプティーク、ならびにソニー・ミュージックエンタテインメント「STAND UP! CLASSIC」メンバー。
〇 吉田 開
〈Profile〉
1995年 埼玉県出身。3歳からマリンバを、15歳からパーカッション全般を始める。
幼少期より打楽器アンサンブルグループ「マリンバ・ポニーズ」のメンバーとして国内外でのコンサートや、テレビ朝日『題名のない音楽会』、NHK『金曜オンステージ』などTV番組への出演を数多く経験する。
東京藝術大学音楽学部器楽科打楽器専攻を卒業。在学中よりマルチパーカッショニストとして演奏活動を開始し、クラシック、ジャズ、ラテン、現代音楽、ミュージカル劇伴など多ジャンルに渡って学ぶ。
大 学卒業後、さらに自身の音楽性を広げるべくリズム教育研究所に研究生として参画。ドラムス・ラテンパーカッションの研鑽を積み、演奏技術の向上に加えてポピュラー音楽に関する総合的な知識やインストラクションの実践法についても研究を行う。現在は同研究所に講師として在籍しながら、ミュージカル、スタジオレコーディング、オーケストラ、吹奏楽などの分野で演奏活動を行なっている。
リズム教育研究所 非常勤講師。東京スクールオブミュージック&ダンス専門学校 非常勤講師。
【曲目】
① スコット・ジョプリン:メイプル・リーフ・ラグ(2分30秒)
②♪ハンス・ジマー:『トゥルー・ロマンス』から「ユー・アー・ソー・クール」(3分30秒)
③♪ エマニュエル・セジョルネ:ハムシン(6分)
④♪中田喜直:夏の思い出(4分)
⑤♪アラム・ハチャトゥリアン:剣の舞(2分30秒)
⑥♪チック・コリア:アルマンドのルンバ(6分)
尚、本演奏は以上の曲目ですが、演奏会終了後、夏休みスペシャルとして、事前申込みした30人の小学生を対象に、スペシャル・プログラムが行われた模様。発表されていた内容は次の通りです。
13:10からプログラムスタート
〈講師〉チェンバロ:西山まりえ
バロック·ダンス:松本更紗
・チェンバロってどんな楽器?
・メヌエットってどんな踊り?
・みんなでメヌエットを踊ろう(家族参加可能)
14:10終了
【演奏の模様】
開演時間になると、男性1名、女性2名が舞台に登場、下手の低音域マリンバ、上手の高音域マリンバには、樋口、日比の両女性奏者が、中央のドラムセットには、吉田(男子)の出演者が位置につきました。演奏中のトークによれば、3名共東京藝術大学出身、女性二人は同級生、男子奏者は、女性奏者の二学年下とのことです。
① スコット・ジョプリン:メイプル・リーフ・ラグ
最初に演奏された「メープル・リーフ・ラグ」は19世紀初頭にアメリカで流行した音楽ジャンル、ジャズの先駆けともいわれるラグタイムの名曲です。元々はピアノ曲であり、その名の通り「ラグ=ずれ」が楽しいこの作品は、マリンバの軽快な響きがとてもいい。 低音域奏者は、バチを左右の手に二本づつ計4本持ち、伴奏の和音を中 心に静かに演奏、下手の高音域のシンコペが特徴の演奏とビタリ呼吸が合っていました。勿論リズムを刻むドラムセットの渋くしかも金属音の混じった音が、マリンバの柔らかい木の音に不思議とマッチしていました。
②ハンス・ジマー:『トゥルー・ロマンス』から「ユー・アー・ソー・クール」
「ユー・アー・ソー・クール」は映画音楽の巨匠ハンス・ジマーによる作品で、1993年公開の映画 「トゥルー・ロマンス」のテーマ曲です。オリジナルにもマリンバが使用されており、素朴で温かい音色はこの曲と非常にマッチしています。
ドラムは参加せず、素朴な音色のマリンバ二人の調べ。和音の響きが柔らかい。まるで水琴窟の音の様に気持ちが癒されました。
③ エマニュエル・セジョルネ:ハムシン
打楽器のために書かれた「ハムシン」はアラビア語で砂嵐を意味します。リズミカルで2人の息がぴったり合うことが重要になるスリリングな曲です。視覚的にも楽しめる要素が織り込まれています。
マリンバに付いている小さなカスタネットの音が、適宣マリンバの音に挟み込まれ、恰もフラメンコの踊りの感覚がする。演奏が終わると片方の奏者は息が上がっていた様に見えました。
④♪中田喜直:夏の思い出
「夏の思い出」はメンバーの樋口さんのアレンジの曲の模様。トレモロ奏法によるマリンバ・アンサンブルの豊かな響きが、夏空の涼しい尾瀬の木道を連想させる演奏でした。
⑤♪アラム・ハチャトゥリアン:剣の舞
演奏前に吉田さんからドラムセットの説明が有り、その構成楽器についてでした。小さなタンブリンやグロッケン(鉄琴)もついているとのこと。
「剣の舞」は、ドラム剣が激しくぶつかり合うような舞踏の音楽です。 U-Tubeのマリンバ演奏を見ると、かなり原クラシック音楽に近い演奏が多いですが、今回は最初中央位置のドラムセットの音が先行し、下手に高音部マリンバ、上手に低音部マリンバ が並び、聴いて剣の舞いだと分かる調べでした。金属の剣のバチバチ感は薄い演奏でした。
⑥♪チック・コリア:アルマンドのルンバ
最後の演奏です 「アルマンドのルンバ 」は今は亡き世界的なジャズピアニスト、チック・コリアの作品です。彼は、ジャズ界のビックネームだったピアニストで、多くの作品も残した作曲家でもありました。
〈チック・コリアProfile〉
1941年6月12日、アメリカ合衆国マサチューセッツ州チェルシーに生まれた。父親はイタリア南部にルーツがあり、ジャズ・トランペッターでもあった。4歳の頃よりピアノを習い始めた。高校を卒業後、ニューヨークにあるジュリアード音楽院に進学する。
1964年頃からブルー・ミッチェル、ハービー・マン、モンゴ・サンタマリアらとの共演からキャリアをスタートする。1966年、デビュー・アルバム『トーンズ・フォー・ジョーンズ・ボーンズ』を録音(発表は1968年)。
1968年後半からハービー・ハンコックに替わりマイルス・デイヴィスのグループに加入。この頃からマイルスの指示でエレクトリック・ピアノ(フェンダー・ローズ)を弾くようになり、1970年代にはチックのサウンドに欠かせない楽器となっていく。
1960年代末、彼はアバンギャルドなアプローチを見せ、マイルス・グループでもライブでの演奏はフリー・ジャズの要素が強い。
1970年、マイルス・グループを脱退した後、ベースのデイヴ・ホランド、ドラムのバリー・アルトシュルとグループ「サークル」を結成。後にサックスのアンソニー・ブラクストン(英語版)が加入し、フリー・ジャズ寄りの演奏を展開。
1970年代(1976年)
1971年、ベーシストのスタンリー・クラークらとクロス・オーバー/ジャズのバンド「リターン・トゥ・フォーエヴァー」を立ち上げ、ECMレコードからアルバム『リターン・トゥ・フォーエヴァー』を1972年に発表。当初、フローラ・プリムやアイアート・モレイラなどブラジル系のメンバーが中心であったためラテン色の強いグループであったが、彼らの脱退後1973年にはギタリストのビル・コナーズが、1974年にはビルに替わってアル・ディ・メオラが加入し、よりロック色の濃い方向性になった。
1978年、リターン・トゥ・フォーエヴァーを解散したチックは、『フレンズ』、『スリー・クァルテッツ』などエレクトリックにもストレート・アヘッドなジャズにも、時にはクラシックに挑戦したりと多彩な活動を続ける。
1985年、ジョン・パティトゥッチ、デイヴ・ウェックルと「チック・コリア・エレクトリック・バンド」を結成。1987年、パティトゥッチとウェックルをリズム・セクションに迎えた「チック・コリア・アコースティック・バンド」としてのライブ活動を開始。1989年、スタンダードを中心としたアコースティック・バンド名義のアルバム『スタンダーズ・アンド・モア』を録音・発表した。
晩年期(2019年)
2004年、エレクトリック・バンドをオリジナル・メンバーで復活、『トゥ・ザ・スターズ』を発表。2006年、かつての盟友スティーヴ・ガッド、そしてクリスチャン・マクブライドとアルバム『スーパー・トリオ』を制作・発表、2007年、リターン・トゥ・フォーエヴァーの再々結成発表、2008年、上原ひろみとのピアノ・デュオで日本武道館公演を行うなど、その活動のエネルギーと多彩さは晩年まで衰えることがなかった。
夫人はマハヴィシュヌ・オーケストラへの参加などで知られるキーボード奏者ゲイル・モラン、彼女はコリアの作品でボーカルを聞かせる場合もある。2021年2月9日、癌により死去。79歳没。
チック・コリアと言えば「スペイン」という曲がとりわけ有名ですが、それに負けず劣らずスパニッシュで情熱的なこのナンバーは、演奏会の最後にふさわしい曲だと奏者は述べています。
マリンバ奏者二人は、演奏開始の冒頭、足で床をドンドンと踏み鳴らして拍子を取り、又両手を打ち鳴らし、次いでかなりの大きい音でドラム音が入り次第にテンポアップしました。フラメンコ風なのでしょうか?ドラム奏者も手叩きしました。マリンバのクリッサンド的音、ドラムのソロ演奏などアレンジと思われる箇所も有りました。
この曲の演奏は、チック・コリア自身がビブラフォーン奏者Gary BurtonとDUO演奏した映像がネットで公開されていて、チックのユーモラスな演奏と仕草にライヴ会場も湧きに沸いていました。投稿欄にはチックの死を惜しむ声が、続々と。
演奏が終わると、三人は会場から大きな拍手を浴びていましたが、 今回は本演奏後の子供向けプログラムもあるためか、アンコール演奏は有りませんでした。

樋口さん 吉田さん 日比さん