【主催者言】
寒い冬の日、特にクリスマスシーズンは、多くの作曲家にインスピレーションを与え、魂のこもった瞑想的な作品が生まれました。このプレイリストでは、祝祭の季節にふさわしい音楽をセレクトしてお届けします。クリスマスのために書かれたコレッリの合奏協奏曲や、チャイコフスキーの魅惑的なバレエ音楽《くるみ割り人形》のほか、バッハの「マニフィカト」やモーツァルトの《踊れ、喜べ、幸いなる魂よ》など祝祭ムードを醸し出す音楽が並びます。
【鑑賞日時】2024.12.26.
【会場】ベルリンフィル・デジタル・コンサート・ホール
【曲目&演奏者】
多くのクリスマス関係曲がリストアップされていましたが、時間が長大になるので、中から抜粋して取り敢えず以下の四曲を聴きました。
①アルカンジェロ・コレッリ『合奏協奏曲ト短調 op. 6-8《クリスマス協奏曲》』(弦楽、2本のリコーダーと通奏低音のための1725年版)
ベルンハルト・フォルクベルリン・バロック・ゾリステン
サスキア・フィケンチャー(リコーダー)
スザン・ゼーガース(リコーダー)
(2013年12月12日)
②ヨハン・セバスチャン・バッハ『コラール変奏曲《高き天より我は来たり》(ストラヴィンスキー編)』
ウラジミール・コロフスキー
ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
(2011年6月12日)
③ヴォルフガング・アマデゥス・モーツァルト『エクスルターテ・ユビラーテK165』
ベルバルド・ハイティンク
ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
(1999年5月1日)
④ゲオルグ・フリードリッヒ・ヘンデル『メサイア』より《ハレルヤ》
サー・サイモン・ラトル
ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
(2004年12月31日)
【演奏の模様】
①アルカンジェロ・コレッリ『合奏協奏曲ト短調Op.6-8』
ブロックフレーテ二名が入った室内楽編成の弦楽章の合奏でした。謂わばスペリオパイプ的な楽器奏者が、堂々とベルリンフィルの弦楽奏者に伍して、演奏しているのには少しびっくりです。余程の縦笛の名手なのですね。弦楽奏に一歩も引けを取らない堂々とした演奏。ただ楽器の性状から来る音が弱い、小さいという側面は、箇所によっては気になりました。
②ヨハン・セバスチャン・バッハ『コラール変奏曲《高き天より我は来たり》(ストラヴィンスキー編)』
室内楽規模のオケと合唱団との共演です。
器楽に対する合唱の響きが大いに不足していたと感じました。又いつもの多くのバッハ曲とは少し異なっているので、出演者等を良く見たのですが、ストラビンスキ―の編曲であることと恐らく合唱団は素人~セミプロ級の歌い手ではないかと推定しました。
③ヴォルフガング・アマデゥス・モーツァルト『エクスルターテ・ユビラーテK165』
この歌唱中心のモーツァルトの曲は、昔から何百回となくCDを聴いて来ました。アーリン・オージエが歌うシュテファン大聖堂(ウィーン)での録音が白眉の出来だと思っていましたら、今回のソリスト、クリスティーネ・シェーファーも素晴らしい歌唱を見せて呉れました。世界には上手なオラトリオ歌手が多くいるのですね。
指揮はハイティンク、随分年を取ってしまい、往年の美青年の影も形もないですね。しかし音楽づくりの指揮は確かなものです。
後半は曲相が変わります。
④ゲオルグ・フリードリッヒ・ヘンデル『メサイア』より《ハレルヤ》
2004年ラトルがまだ若い時の20年前の指揮です。演奏前、英語で❝英国の作曲家ヘンデル❞とトークで言って笑わせたり(もともとドイツの作曲家だったのです)すぐにドイツ語に切り替えたり、剽軽な仕草をしたりしていました。この曲はクリスマスには、世界中で鳴り響いた事でしょう。
今回の配信は、過去のベルリンフィルのクリスマス関連演奏会から選りすぐりの映像を八曲に絞って再配信に処したもので、クリスマスと言うこともあってか無料で観れますのでお勧めです。