HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

ノルウェー映画『SONG OF EARTH』鑑賞


〖Introduction(映画COM)〗
 息を呑むような美しい大自然に囲まれたノルウェー西部の山岳地帯「オルデダーレン」。本作は地球上でも有数の壮大なフィヨルドを誇るこの渓谷に暮らす老夫婦の姿を、その娘でありドキュメンタリー作家のマルグレート・オリン(『もしも建物が話せたら』など)が一年をかけて密着。大地に根を下ろし、シンプルで豊かに生きる両親の姿から、娘は人生の意味や生と死について学んでいくことになる。生きるとは、老いるとは何か――厳しくも美しいノルウェーの四季と共に生きる家族の姿を通して、人生を探求する感動のドキュメンタリーだ。

『PERFECT DAYS』のヒットも記憶に新しい巨匠ヴィム・ヴェンダースと、イングマール・ベルイマン監督のミューズとしても知られるノルウェーを代表する大女優リヴ・ウルマン(『仮面/ペルソナ』『鏡の中の女』)が本プロジェクトに共感し、製作総指揮を担当している。
ドキュメンタリーでありながらアカデミー賞®のノルウェー代表に選出されたほか、2023年北欧ドキュメンタリー映画祭では驚異的な映像が評価され、最優秀撮影賞を受賞するなど多くの映画祭でも称賛を浴び、全米批評家サイトRotten tomatoesでは満足度100%を記録(6/21時点)。 原初の地球の姿を今に留める渓谷では、驚くべき自然の風景が発見できる。崩れ落ちる氷河や切り立った断崖が生み出す奇跡のパノラマ、夜空に降りてくる七色のオーロラや多様な動物達の生き生きとした姿など、大地は季節ごとに姿を変え、ドローンや最新の撮影機材を用いて捉えられた、誰も観たことのない荘厳で圧倒的な映像美と多角的で重厚なサウンドは、息を呑むような壮大な旅へと観客を誘っていく。
また本作は、『人生フルーツ』や『ベニシアさんの四季の庭』『ターシャ・テューダー 静かな水の物語』にも通じる、自然とともに暮らす人々の人生哲学を通してこの地球上で生きることの意味と、地球環境など未来へ向けて考えていかなければならない問題を見つめ直すドキュメンタリー作品でもある。

【日鑑賞時】2024.9.29.(日)15:35

【鑑賞館】横浜みなとみらい kino cinema

【映画の舞台】

本作の舞台となったオルデダーレン渓谷は、ノルウェー西部に位置するヴェストラン県にある渓谷であり、長さ20キロメートルの渓谷は南北に走り、オルデン村のノールフィヨルドで終わる。野生の自然と多様な動物達が同居し、約五千年の歳月をかけ溶けた氷河によって形成された青緑色のオルデバトネット湖や神秘的な山々に囲まれたフィヨルド、また四季には独自の魅力があり、その風景は太古の地球のまま保護されている。

【製作年・国】2023年/ノルウェー
【原題または英題】Fedrelandet
【配給】トランスフォーマー
【劇場公開日】2024年9月20日

【監督】マルグレート・オリン

【製作総指揮】リブ・ウルマン ヴィム・ヴェンダース

【キャスト】ヨルゲン・ミクロ-エン マグンヒルド・ミクローエン

 

【感想】

 秋の気配が強まる中でもまだまだ暖かい日曜日の昼下がり、『SONG OF EARTH』というノルウェー映画を見ました。標題の❝SONG❞と 北欧映画という事に惹かれたことも有ります。北欧からは往年の大女優、グレタ・ガルボ(アンナ・カレーニナ、椿姫他多数)イングリット・バーグマン(カサブランカ、秋のソナタ他多数)等歴史的な大女優が輩出していますし、監督ではイングマール・ベルイマン、ラッセ・ハルストレム等々(何れもデンマーク出身が多いかな?)を思い出しました。それに❝今回の映画では、ベルイマン監督のミューズとしても知られるノルウェーを代表する大女優リヴ・ウルマン(『仮面/ペルソナ』『鏡の中の女』)が本プロジェクトに共感し、製作総指揮を担当している。❞という触れ込みにも興味をそそられました。

 作品は、なかばドキュメンタリー的色彩が濃く、この地で何代かに渡って牧場を営む夫婦の独白(モノローグを)中心に、関係する場面の映像が映し出されて進行する一種の狭い地域(フィヨルド地域)の紀行映画的な側面を有していました。単純に見て言えば、北欧のフィヨルドの風景、情景撮影映像の羅列と切り捨てた言い方をする人もいるかも知れません。バックグラウンドミュージックも目立っては出て来ません。しかしこの作品を見ていると、美しい風景の中で、僅かに蠢く人達、動物たち、植物或いは景色を形づくっている要素の動きなどに、音楽性を感じる取ることも可能でした。千じんの谷を落下する滝の流れの轟音、雪原を走る動物の動き、雪崩の大崩壊の轟音、木々に留まる様々な鳥たちの鳴き声、飛び立つ鳥たちの羽音、氷河の内部亀裂がミッシミシ、パリパリと裂ける音、氷河の海への崩壊音。岩山を、雪山を、或いは雪原を進む人の歩みの音。これらは何れも将に自然の、地球の、繰り出す音楽に他なりません。普段我々が聴いている楽器音楽では殆ど表現できない、(生き物も含めた)地球が奏でる、作為の無い音楽なのです。その癒し効果は、意図された作為の音楽に優るとも劣らないと思いました。牧場経営という事でしたから、出来れば牧場の家畜のベルの音も聞きたかったナー。

 

【フォト・ギャラリー】

                                                    (Official Siteより)

 

 ところで今日(10/1火)は銀座・王子ホールで、指揮者の上岡さんのピアノ演奏会がある筈でした。何年か前に、横浜で彼のピアノリサイタルを聴いた事が有るのですが、びっくりする程の腕前で、中でも戦争ソナタの力強い演奏は、非常に迫力が有って印象に残っていたです。今回も期待して楽しみにしていたのですが、上岡さんがピアノを弾ける体調に無いという事で、中止になってしまったのです。残念でした。上岡さんの指揮者としての演奏も大変才能を感じるものが有り、ブルックナーの演奏など個性溢れるものです。でも残念ながら数年前(コロナの頃だったかな?)の演奏会ではやはり体調が悪くて、中止になりませんでしたが、指揮台にやっと上って手摺に捕まりながら指揮をするということも有りました。その後昨年あたりは相当元気になられて、何回か聴きに行きましたが、今回の中止で、指揮の方も振ることが出来るのか、心配です。早く回復されて又元気になられんことを祈ります。