明日(6/5)は、二十四節気の『芒種』です。暦書によれば、❝芒種は、旧暦五月の午(うま)の月の正節で、新暦六月五日頃になります。五月雨が間断なく降り続き、農業従事者は殊の外多忙を極めます。「芒種」とは芒の有る穀物、即ち稲等を植え付ける季節を意味しています❞とあります。
勿論南北に長い日本列島は、北端から南端まで緯度が大きく異なっていて、しかも海洋性気候なので、田植えの時期もこの芒種の前後にばらつきが生じるでしょう。そもそも暦法は平均的な時期、しかも長い京の都(現在は東京)を中心に経験した結果と思われるので、地方によっては大分時期がずれることは当然です。季節の移り変わりと主として自然を相手とする人間の営みとの関係の経験則に過ぎません。
現在広まっている定気法では太陽黄経が75度のときで、普通6月4日ごろですが、今年は6/6に当たります。暦ではそれが起こる日ですが、天文学ではその瞬間とするのです。恒気法では冬至から11/24年(167.40日目で)6月7日ごろにあたります。
我が国の米作は明治維新以降、国内の人口推移、食糧事情の推移、耕地面積の推移、気象・品種の改良推移等々の状況によって大きく影響されてきました。各時代の推移の傾向は以下の通りです。
花形輸出品だったお米 ~明治時代前期~
輸出国から輸入国へ ~明治時代後期~
輸入に頼らざるを得なかった時代 ~大正時代・昭和初期~
約70年ぶりの自給の達成 ~昭和中期~
お米の消費減少と食料自給率低下 ~昭和後期から現在~
そしてお米の自給率は、年々右下がりの傾向が長年続きました。最近は横ばい傾向です。
いま必要性が叫ばれているのは、お米の自給率のアップです。災害対策だけでなく一朝有事の場合は、自給率の不足を他の穀物類の輸入で補えない事態が生じることは必定です。何十年も前に堺屋太一さんという方が『油断』という本を出され、ベストセラーになった時代があったと記憶していますが、燃料や化学原料の元である石油が輸入できなくなる(ライフラインが絶たれる)ことがあれば日本にとって大きなダメッジでしょう。石油は日本では殆ど生産されないですから。しかし上の自給率不足を補う食料の輸入が途絶えたら、日本にとっては「油断」以上のダメッジとなるでしょう。その時米を増産すればいいと言っても、米作には水、人手、耕地(水田)が不可欠です。第三次産業の従事に慣れて、体力の落ちている今の日本人が、簡単に力仕事の農業がすぐに出来る訳が有りません。水は豊富ですから何とかなったとしても、耕地を数年で蘇らせることは不可能でしょう。今では休耕田や荒れ田が各地で目に余る状況なのですから。
農林省の『食料・農業・農村基本計画』における食料自給率等の目標は次の表になっていて、早急に目標達成が望まれる処です。
食料安全保障は、軍事安全保障以上に、国民の命の安全保障なのです。まー第三次大戦が勃発して核攻撃を受けたら、耕地も米作も何もあったものではないですが。その前に日本の輸入の大動脈が絶たれてしまう恐れの確率が小さくないと思いますので。