キリル・ペトレンコが著名なバリトン歌手、クリスティアン・ゲルハーヘルをはじめとする優秀なソリストとベルリン放送合唱団と共演し、メンデルスゾーンのオラトリオ《エリヤ》を演奏しました。メンデルスゾーンは、このオラトリオの主人公である聖書の預言者エリヤを、「強く、熱心で、しかし同時に邪悪で怒りっぽく、暗い」と解釈していました。この作曲家は、民衆が真の信仰にかえるよう奮闘する男の姿を劇的に描きますが、それは無駄であることを彼は最後に悟ることになります。「ターゲシュピーゲル」誌は、ゲルハーヘルのエリヤへの起用が「大成功」であり、この歌手が「傍らの指揮者と細部にわたって完全に一致」していたと評しています。合唱も「声の完成度」（「ベルリン＝ブランデンブルク放送」）で納得のいくものだったと高い評価を得ました。
【演奏日時】2023.1.31
【鑑賞日時】2023.3.31.（第１部）＆ 4.2.（第２部）
【会場】ベルリンフィル・(デジタル)コンサート・ホール
【曲目】メンデルスゾーン／オラトリオ『エリヤOp.70.』
【演奏時間】第１部（62分）、第2部(67分)
【管弦楽】ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
【指揮】キリル・ペトレンコ
【合唱】ベルリン放送合唱団
【出演】ソリスト
〇エルザ・ドライスィヒ(ソプラノ)
〇ヴィープケ・レームクール（アルト）
〇ダニエル・ベーレ(テノール)
〇クリスティアン・ゲルハーヘル(バリトン)
メンデルスゾーンのオラトリオ「エリヤ」は、ヘンデル「メサイヤ」、ハイドン「天地創造」とともに3大オラトリオと称される名作です。
しかし国内ではめったに演奏会が行われません。ここ十年間で関東地区では数える程しか見当たらない。生では聴いた事が有りません。ベルリン・フィルでは先日のヘンデルのオラトリオやこの『エリヤ』など短い期間に何回もオラトリオを演奏するのですね。日本の多神教（或いは無神教）との文化の違いでしょうか？
ネットで見たら 國井 健宏さんという方が歌詞を邦訳されているので、参考まで文末に引用させて下さい。
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第一部
預言者 エリヤ
私がお仕えするイスラエルの神
主はまことに生きておられる。
これから数年、私が語る時まで
露も降りず、雨も降らない。
- 合 唱
民 衆
主よ、お助けください。
私たちを滅ぼされるのですか？
収穫は終わり、夏は過ぎたのに
誰も助けに来てくれない。
主はもはやシオンにはおられないのか？
朗 唱
井戸の水は涸れ、
川は干上がった。
幼児の舌は乾き、
喉が渇ききっている。
子供はパンを欲しがるのに
一口ももらえない。
- 二重唱と合唱
民 衆
主よ、私たちの祈りを聞いてください。
二人の婦人
シオンの民は手を伸べて祈るのに、
慰めはどこからも来ない。
- 朗 唱
オバドヤ（エリヤを尊敬する宮廷長）
お前たちの衣でなく、心を引き裂け。
われらの罪のために、エリヤは
神のことばで天を閉ざしたのだ。
悔い改めて、主なる神に帰れ。
神はあわれみ深く、忍耐強い方、
思い直して、罰を止めてくださる。
- アリア
オバドヤ
心を尽くして私を探すなら、
私を見出すことができよう、
と主なる神は言われる。
ああ、神を知る道が分かり、
玉座のもとに行くことができれば！
- 合 唱
民 衆
主は見ておられない。
我々を蔑んでおられる。
災いが下ったのだ。
主は我々が死ぬまで苦しめるつもりだ。
「私はあなたの神、主だ。
ねたみ深い神、
私を憎む父の罪を
３代、４代の
子孫に追求する。
しかし私を愛し私の掟を守る者には
あわれみは千代にまで及ぶ。」
- 朗 唱
天 使
エリヤよ、ここを発ち、
東に向かえ。
ケルトの川に行き、そこに隠れよ。
その川の水を飲め。
朝と晩には
神のことばに従って、
からすがパンを運んでくる。
- 二つの四重唱
天 使
主は天使に命じて
あなたの行く道を守り
手を取って導き
足が石に躓かないようにしてくださる。
朗 唱
天 使
エリヤよ、小川の水も涸れた。
立ってサレプタに行け。
主はそこにいる一人のやもめに命じて
あなたの面倒を見させてくださる。
つぼの中の小麦粉は尽きることなく
かめの中のオリーブ油もなくならない。
主が地上に雨を降らせてくださる日まで
続く。
- 朗唱、アリア、二重唱
やもめ
ああ、神の人よ、何をしに
私のところに来られたのですか？
私の罪を思い出して、
子供の命を奪われるのですか？
どうぞお助けください。
子供の病気はとても重く、
もう息も途絶えています。
私は一晩中泣いて過ごしています。
あわれに思ってください、
そして貧しい女を助けてください、
子供を救ってください！
もう息も途絶えています！
エリヤ
子供を渡しなさい。
主なる神よ、私の祈りを聞いてください。
耳を傾け、あわれみを注ぎ、
この女の子供を救ってください！
あなたは恵み深く、あわれみに満ち、
いつくしみとまことに溢れる神。
主なる神よ、この子の魂を
もう一度返してください！
やもめ
死者の間で、奇跡を行なってくださいますか？
この子はもう息をしていません！
エリヤ
主なる神よ、この子の魂を
もう一度返してください！
やもめ
死んだ者が立ち上がって、主をほめるでしょうか？
エリヤ
主なる神よ、この子の魂を
もう一度返してください！
やもめ
主はあなたの祈りを聞いてくださった、
この子の魂が帰ってくる！
この子は生きている！
エリヤ
見よ、あなたの子供は生きている！
やもめ
今こそあなたが神の人であること
あなたが口にする主のことばが
真実であることが分かりました。
主が与えてくださった恵みに
どのように応えたらいいのでしょうか？
エリヤ
主なる神を
心を尽くして愛しなさい。
エリヤとやもめ
魂を尽くし、力を尽くして、主を愛しなさい。
主を畏れる人は幸せ。
- 合 唱
主を畏れ、その道を歩む人は
幸せ。
神の道を歩む人は幸せ！
光は暗闇の中で信じる者に輝き、
恵み豊かであわれみ深く、正しい神から
信じるものに光が輝く。
- 朗唱と合唱
エリヤ
私がお仕えする万軍の主は
まことに生きておられる。
三年経った今、
私はアハブ王の前に出よう。そうすれば
主はもう一度大地に雨を降らせてくださる。
アハブ王
お前がエリヤ、イスラエルを混乱させる者か？
民 衆
お前がエリヤだ。イスラエルを惑わす者だ！
エリヤ
私はイスラエルを混乱などさせてはいない。
王よ、あなたと
あなたの父の家がそうしているのだ。
そのために民は主の掟を捨てて、
バアルにつき従っている。
さあ、すぐに人をやって
イスラエルの全員をカルメルの山に集めよ。
またバアルの預言者皆と
王妃イゼベルの食卓につく森の預言者を
皆、カルメル山に集めよ。
神が主であるかどうか、そこで対決しよう。
民 衆
神が主であるかどうか、そこで対決しよう。
エリヤ
さあ、バアルの預言者たちよ、立て。
牛を一頭選んで祭壇に置け。
火はつけるな。お前たちの神の名を呼べ。
私は主の名を呼び求める。
火をもって答える神が
まことの神だ。
民 衆
そうだ、火をもって答える神を
まことの神としよう。
エリヤ
お前たちの神を先に呼べ、お前たちの数が多い。
私はただ一人、
主の預言者として残っている。
さあ、お前たちの野の神々、山の神々を呼べ。
- 合 唱
バアルの預言者
バアルよ、私たちの祈りを聞いてください。
私たちの捧げ物を顧み、聞いてください。
力強い神よ、聞いてください。
火を送って、敵を滅ぼしてください。
- 朗唱と合唱
エリヤ
もっと大きな声で叫べ！
神なのだろう。何か考え事をしているのか、
それとも何か作っているのか、
あるいは畑にいるか、居眠りしているか、
だから目覚めさせるのだ！
もっと大声で叫べ、もっと大声で！
バアルの預言者
バアルよ、聞いてください、目覚めてください、
どうして眠りつづけるのですか？
- 朗唱と合唱
エリヤ
もっと大声で叫べ！聞こえないのだ！
お前たちのやり方で、刀や錐で
体を傷つけるのだ。
お前たちの祭壇を囲んで、
叫び声を上げて、預言せよ！
声もなく、答えもないではないか、
誰も聞いてくれないのか？
バアルの預言者
バアルよ、バアルよ、聞いてください！
ご覧ください、敵どもがあざ笑っています！
エリヤ
民よ、ここに来なさい、私のところに来なさい！
- アリア
エリヤ
アブラハム、イサク、イスラエルの神である主よ
あなたが神であること、そして私があなたの
しもべであることを今日、知らせてください！
アブラハムの神である主よ！私がこれらの事を
あなたのことばに従って行なった事を、
知らせてください！祈りを聞いてください！
アブラハム、イサク、イスラエルの神である主よ
私の祈りに耳を傾けてください！この民が、
あなたこそ主なる神であり、彼らの心を
回心させる方であることを知らせてください！
- 四重唱
あなたの重荷を主にゆだねなさい。
主はあなたを支え、正しい者が
不安に陥ることを
決してお許しにならない。
主のあわれみは天に届くほど広く、
主を待ち望むものは辱められることがない。
- 朗唱と合唱
エリヤ
主よ、あなたの天使たちを霊とし、
み使いを燃え上がる炎として
ここにお遣わしください！
民 衆
火が降ってくる、火だ！
炎が燃えて、いけにえを焼き尽くす！
主のみ前にひれ伏せ！
主こそ神だ、主こそ神だ！
主こそ私たちの神、主のみが神だ！
主をおいて他の神々はいない！
エリヤ
バアルの預言者たちを捕らえよ、
一人も逃すな。
キションの川へ連れて行け。
そこで彼らを殺せ！
民 衆
バアルの預言者たちを捕まえろ、
一人も逃すな！
- アリア
エリヤ
主のみことばは火のようではないか、
岩を砕く槌のようではないか？
主の みことばは火のようで、
槌のように岩を砕く。
神は公正な裁き主、
日ごとに裁きを行なわれる。
もし人が神に立ち返らなければ、神は
刀を研ぎ、弓を張って、狙いをつけられる！
- アリオーゾ
わたしから離れ行く者はわざわい！
わたしから切り離されたために
彼らは死ななければならない。
もし彼らがわたしに向かって嘘を止めれば、
彼らを救ったのに。
彼らを救いたいと思ったが、彼らは聞く耳を
持たなかった。わざわいなるかな！
- 朗唱と合唱
オバドヤ
神の人よ、民衆を救ってください！
異教の神々の中で
雨を降らせる神はなく、
天も雨を降らせることができません。
これらをなし得るのは神だけなのです。
エリヤ
ああ主よ、今こそあなたは敵を打ち砕き、
蹴散らしてくださった！
どうか天から見下ろして、
あなたの民の苦しみを顧みてください。
わが神よ、天を開いて降りてきて、
あなたのしもべを助けてください！
民 衆
ああわが神よ、天を開いて降りてきて、
あなたのしもべを助けてください！
エリヤ
少年よ、登って行って海を眺めてくれ、
神である主が祈りを聞いてくださったか見てくれ。
少 年
何も見えません。天は頭の上に
青銅のように青く広がっています。
エリヤ
神よ、民が罪を犯したために
天が閉ざされたのなら、
彼らが悔い改めてあなたに帰り、
あなたの名を呼んで祈るとき、
彼らにいつくしみを現してください。
神よ、あなたのしもべを助けてください。
民 衆
神よ、いつくしみを現してください、
あなたのしもべを助けてください。
エリヤ
もう一度行って、海を見てくれ。
少 年
何も見えません。地面は鉄のようです！
エリヤ
雨が降るような音はしないか？
海の方から何かが見えないか？
少 年
何も見えません！
エリヤ
主よ、あなたのしもべの祈りを聞き、
切なる願いを顧みてください！
主よ、わが神よ、あなたに叫ぶとき
どうか答えてください！
あなたのいつくしみを思い出してください！
少 年
海から小さな雲が上っています
人の手のひらほどの雲が。
天は雲と風で暗くなり、
音がだんだん激しくなっています！
民 衆
主に感謝せよ、主は恵みをくださった！
エリヤ
主に感謝せよ、主はいつくしみ深く
その恵みは代々に続く！
- 合 唱
民 衆
神よ、あなたに感謝いたします。あなたは
乾いた大地を潤してくださいました！
水の流れはかさが増し、水の音は大きくなり、
波は力強く、激流が轟いている。
しかし高みにおられる主なる神はさらに偉大！
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第二部
- アリア
聞け、イスラエルよ、主の声を聞け！
主のおきてに心を留めよ！
しかしわれらの説教を信じる者は誰か、
主の力が示されるのは誰に向かってか？
朗 唱
イスラエルの救い主、主は言われる。
暴君のもとで苦しむ しもべに、
聖なる神は言われる。
主はこう仰せになる：
アリア
わたしがあなたがたの慰め主、
恐れるな、わたしがあなたの神だ！
わたしがお前を強める！
それなのに死すべき人間を
恐れるとは
お前は一体何者か？
天を広げ、大地を固めてくださった神、
お前をお造りになった神を忘れるとは、
一体 お前は何者のつもりか？
- 合 唱
恐れるな、と神は言われる。
恐れるな、わたしがあなたとともにいて、
あなたを助ける。わたしがあなたの
主なる神、わたしが言う；恐れるな！
千人があなたの横に倒れ、
万人があなたの右に倒れても、
災いがあなたに及ぶことはない。
- 朗唱と合唱
エリヤ
アハブ王よ、主はあなたを民の中から選び
イスラエルの王とされた。
それなのに、あなたは以前の王の誰よりも
悪事を働いた。
あなたはヤロブアム王の罪を繰り返して
バアルに仕え、祭壇を築き、
イスラエルの神である主の怒りに触れることを
取るに足らぬこととした。
罪のない人を打ち殺し、財産を奪った。
そのために主はイスラエルを打ち、
水辺の葦のように打ちのめされる。
罪のためにイスラエルは見放される。
王 妃 （エリヤを憎むイゼベル）
あなたたちは聞いたか？ エリヤは
民に逆らって預言した！
民 衆
たしかに聞きました！
王 妃
イスラエルの王に逆らう預言を聞いたか？
民 衆
たしかに聞きました！
王 妃
なぜ彼は主のみ名において預言するのか？
エリヤの力が王の力を越えるのなら、
イスラエルの王国は何のためにあるのか？
彼がキションの川で血祭りに上げた
預言者たちのように、明日の今ごろまでに
彼を殺してしまっていなければ、
神々のどんな罰でも私は受けよう！
民 衆
エリヤは死ぬべきだ！
王 妃
彼は預言者たちを剣で殺した。
民 衆
エリヤは預言者たちを殺した。
王 妃
エリヤは天を閉ざした。
民 衆
エリヤは天を閉ざした。
王 妃
エリヤは我らに飢饉をもたらした。
民 衆
エリヤは我らに飢饉をもたらした。
王 妃
行ってエリヤを捕らえよ！
彼は死なねばならない！
殺せ！彼がしたことを本人にしてやるのだ！
- 合 唱
民 衆
災いだ、エリヤを殺せ！
なぜ彼が天を閉ざし、
主の名によって預言することが許されるのか？
エリヤは死ぬべきだ！
災いだ、彼を殺せ！彼はエルサレムに逆らって
預言したのだ！我々は皆聞いている。
だから出て行ってエリヤを捕らえて殺せ！
- 朗 唱
オバドヤ
ああ、神の人エリヤよ
私のことばを真剣に聞いてください！
王妃が言っています。エリヤは死ぬべきだと。
彼らは集まって、あなたがいるところに
網をはり、出かけていって
あなたを捕らえ、殺そうとしています！
さあ、出かけてください。彼らを逃れて
荒れ野に行ってください！
あなたの神である主がともに行ってくださり、
あなたを手離したり、見捨てたりされません。
行って、私たちをも祝福してください！
エリヤ
ああ、彼等は悔い改めようとはしない！
若者よ、ここに留まりなさい。主がともに
いてくださるように。私は荒れ野に行く！
- アリア
エリヤ
ああ、もう充分です！主よ、死なせてください！
私は先祖たちに優る者ではありません。
これ以上生きたいと思いません。
私の一生は無駄なものでした。
私は主のために、
万軍の主のために懸命に仕えました。
しかしイスラエルの子たちは
あなたとの契約を破り、
主の祭壇を破壊し、
主の預言者たちを剣で殺しました。
私一人だけが残りましたが、
彼らは私を殺そうと
私の命を狙っているのです！
もう充分です！
主よ、もう死なせてください！
私は先祖たちに優る者ではありません。
主よ、私の命を取り去ってください！
- 朗 唱
見よ、彼は砂漠のエニシダのもとに
眠っている。
しかし主の天使たちが、
主を恐れる者のまわりに陣を張った。
- 三重唱
三人の天使
目を上げて山を眺めよ、
あなたの助けはどこから来るのか。
助けは主のもとから来る、
天と地をお造りになった主から来る。
主はあなたの足を見守り、
あなたを守る方は眠ることがない
- 合 唱
見よ、イスラエルを守る方は
眠ることもまどろむこともない。
たとえ苦悩のただ中を歩もうとも
主はあなたを力づけてくださる。
- 朗 唱
天 使
エリヤよ、起きなさい。
長い旅が待ち構えている。
四十日四十夜歩いて、
神の山ホレブ（シナイ山）に行くのだ。
エリヤ
ああ、主よ、私は無駄な働きをし、
空しく力を使い果たしました。
主よ、天を引き裂いて、
降りてきてください！
山々はあなたの前に揺れ動き、
あなたのみ業を見て
敵どもはみ前に震え慄きますように！
なぜあなたはイスラエルの民を迷わせ、
その心を頑なにされるのですか？
彼らはあなたを畏れ敬わないのです。
ああ主よ、私の命を取り去ってください！
- アリア
天 使
主のみ前で心を静め、主を待ち望みなさい。
あなたの心の願いを主はかなえてくださる。
あなたの道を主に委ね、主により頼みなさい。
怒りを止め、憤りを捨てなさい。
主のみ前で心を静め、主を待ち望むのです。
- 合 唱
最後まで耐え忍ぶ人は幸いである。
- 朗 唱
エリヤ
主よ、夕闇が迫ります。離れないでください！
み顔を私から隠さないでください。
乾き切った大地のように、
私の魂はあなたを慕い求めています。
天 使
さあ、行きなさい。
主のみ前の山、ホレブに登りなさい。
そこで主の栄光があなたに現れよう！
主が近づかれる、顔を隠しなさい。
- 合 唱
主が通り過ぎられた後、
激しい風が生じ、
山を裂き、岩を砕いたが
主は嵐の中にはおられなかった。
主が通り過ぎられると、
大地は揺れ動き、海は荒れ狂ったが、
主は地震の中にもおられなかった。
地震の後に火が降ったが、
主は火の中にもおられなかった。
火の後に、静かな囁きがあった。
かすかな囁きの中に主は近づかれた。
- 朗 唱
主の頭上には天使セラフの大群が立ち、
互いに呼び交わしていた。
セラフの大軍
聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな、
万軍の神なる主、全地は主の栄光に満つ！
- 合唱と朗唱
エリヤよ、もう一度降りて行け。
イスラエルにはまだ７千人が残っている、
バアルの前に膝をかがめない人々だ。
さあ、降りて行け！みことば通りにせよ。
エリヤ
私は主の力を得て降りて行きます！
あなただけが主です！
あなたのために私は苦しみを受けねばなりません。
私の心は喜び、私は喜びに満ち溢れています。
私の身も安らかになることでしょう。
- アリオーゾ
エリヤ
たとえ山々が崩れ、
丘が消え去ることがあっても、
主の恵みは私から離れることなく、
平和の約束が地に落ちることはありません。
- 合 唱
預言者エリヤは火のように現れ、
彼のことばは松明のように燃え上がった。
エリヤは高慢な王たちをくつがえした。
彼はシナイの山頂で、未来の罰を聞き
ホレブの山で報復を聞いた。
神は彼を天に連れ行くことを望まれた。
見よ、火の車と火の馬が現れ、
エリヤは嵐の中を天に昇って行った。
- アリア
その時正しい者たちは、神の国で
太陽のように輝くだろう。
幸せと喜びに満たされ、
悲しみと嘆きは逃げ去ってしまう。
- 朗 唱
そのために預言者エリヤは遣わされたのだ。
大いなる恐るべき主の日が来る前に、
父の心を子に向けさせ、
子の心を父に向けさせるために。
主が来られて、呪いをもって
大地を打たれることがないために。
- 合 唱
一人の人が北の国で目を覚まし、
日の昇るところからやって来る。
彼は主のみ名を呼び、
権力の座にある者たちを踏みにじる。
その人こそ主のしもべ、神に選ばれた者、
神の心に適う者。
彼の上に主の霊が留まる：
知恵と分別の霊
思慮と勇気の霊、
主を知り、畏れ敬う霊である。
一人の人が北の国で目を覚まし、
日の昇るところからやって来る。
さあ、渇きを覚える者は皆
水のところに、主のみもとに来るがよい！
耳を傾け、主のみもとに来るがよい！
あなたたちの魂は命を得よう。
- 終わりの合唱
こうしてあなたたちの光は曙のように
輝き出で、
あなたたちは速やかに癒されるだろう。
主の栄光があなたたちの上に
輝くだろう。
主よ、私たちを支配される神よ、
あなたのみ名は栄光に満ちて全地に轟く！
天におられるあなたに感謝いたします。
アーメン。
