HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

今日は新暦9月9日、『重陽の節句』です

 今日は新暦9月9日、重陽の節句です。菊の節句とも言います。古代中国漢の時代からの風習(主に王朝や貴族の間で)があるというのですから漢字と同じくらい歴史があるのでしょう。この日には茱萸(hukkats注1)の実の入った袋や菊の花を祀ったらしい。

後代(奈良末期から平安初期頃か?)それが日本にも渡来し、現代の日本ではその名前と菊の花を飾る位しか風習として残っていません。

 「枕の草子10段」(岩波文庫、池田亀鑑校訂版)には各節句に関して以下の様に記しています。

        f:id:hukkats:20220909182349j:image

 

 ここで、菊の花を綿で覆っていること、「うつしの香」がもてはやされること、を述べています。当時は菊の香りを真綿(袋状に成型されている非常に強い綿で、綿布団を造る時にも使います。縦横30cm位の真綿の袋に両手を差し込んで、両手に力を入れて少しづつ広げ、次第に薄く伸びた真綿はちぎれもせず布団綿に被せられる程まで長方形に伸びて、そうして大きく薄くなった真綿を布団綿に被せ、さらにそれを布団の生地布の中に入れるのです。こうする事によって、中の布団綿が変形に対し型崩れせず布団の強度を一定に保つ効果があるのです。敷布団一丁上がり!)に雨露を媒介として菊香を移し、その真綿で体や顔を拭いて、無病息災を願ったり、肌の手入れなどをしたのでした。勿論これは旧暦9月9日に行ったのです。

 

(hukkats注1)

茱萸

読みは‘シュユ’です。ぐみの木類の総称。赤い実が成り、それを袋に入れたのです。

端午の節句(5月5日)には菖蒲を軒にかざったり、菖蒲湯にしたりする風習と同じく、家内身体安全祈願の意味に使う。

 

 尚、明日9月10日は旧暦八月望の日(8月15日)、即ち十五夜、満月の日です。旧暦の7月8月9月は秋であり、それぞれに満月はありますが、その秋三ケ月の真中なので「中秋」即ち中秋の名月と呼ばれるのです。この満月が見て一番きれいな満月だから名月です。この日はすすきなどの秋花や秋の七草(hukkats注2)を飾って月見をすします。そうそう月見団子もお忘れなく。

 関東地方の明日の天気予報は、日中晴れるのですが、夕刻から雲が出始める模様。全天曇りにならなければ、快晴の時より、薄雲の間を漂うが如く輝く名月の方が素晴らしく見えるかも知れません。

 

❝~月は隈なきをのみ見るものかは

 

あたかもドュビッシーの『月の光』の曲の様に。

 

Votre âme est un paysage choisi

Que vont charmant masques et bergamasques

Jouant du luth et dansant et quasi

Tristes sous leurs déguisements fantasques.

Tout en chantant sur le mode mineur

L’amour vainqueur et la vie opportune.

Ils n’ont pas l’air de croire à leur bonheur

Et leur chanson se mêle au clair de lune.

Au calme clair de lune triste et beau

Qui fait rêver les oiseaux dans les arbres

Et sangloter d’extase les jets d’eau

Les grands jets d’eau sveltes parmi les marbres.
Paul Marie Verlaine

 

秋の七草(hukkats注2)

❝秋の野に 咲きたる花を指折り かき数ふれば 七草の花
萩の花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝顔(hukkats注3)の花❞(万葉集:山上憶良)

   

朝顔(hukkats注3)

現在の朝顔の事でなく'桔梗' だと言われる