HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

『ウィーンフィル・ニューイヤーコンサート』を録画で見ました

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 元日にウィーンフィルの演奏会の生放送があることは知っていましたが、元日参りで帰宅も結構遅くなって聴けなかったので録画を撮っておいてもらいました。 

 1月2日(日)は昼前に年賀の来客があり、共に飲食しながら新年を祝いました。 

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 夕方近くになってから、賀状を出していない人から来た返事の賀状を書いたりして、録画を観たのは夜になってしまいました。

 今回は2021年ムーティが振った前回が無観客だったのに対し、観客を入れての演奏会でした。いつもながら会場のブラームスザール(大ホール)は超満員、立見席まであります。(どういう訳か2階席は空けておくのですね?)

 皆さんうれしそう。指揮はバレンボイムは入場時には黒マスクを着けていましたが、会場入りするとすぐ外しました。観客は皆マスク姿の様です。

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バレンボイムは演奏前のスタジオインタヴューの最後に日本語で「明けましてオメデトウ御座います」と挨拶しました。

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バレンボイムはこれまでも数回ニューイヤーコンサートに登場していて、初めて振ったのは1989年でした。

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2009年の時は当時の湾岸戦争に関するメッセージを出して話題(?問題?)になりました。発言の前半は問題ないですが、後半の ❝正義❞とは誰の正義で、どちらの国に向けた発言なのか?疑問を抱かせる発言です。

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また今回の事前インタヴューでは、バレンボイムは ❝音楽は人々が思っている以上に重要なものです。特に世界中の政治家が思っている以上に、人間にとって大事なことです。音楽の無い時代は貧しいです❞とも、語っていました。音楽がないことが人為的な原因(例えば戦争など)によるならば、その通りですが、コロナ蔓延中の時に音楽演奏優先が独尊で推奨されるとすると問題ありです。

 それでは、オーストリアにおけるコロナ感染状況は、観客入り公演をしても大丈夫なレベルに下がったのでしょうか。調べてみると、

11月に報告された世界のコロナ死者数の半数以上がヨーロッパで占められている。この1週間で報告された人口当たり新規感染者数の世界トップ4はオーストリアと隣国のスロバキア、スロベニア、チェコで、感染率上位29カ国中、27カ国がヨーロッパとなっている(22日時点)

こうした状況で、1日当たり新規感染者数の遷移は次の様でした。

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これを見ると11月には新規感染者数が最大で15,000人/ 1日、12月に入ってそれがかなりのスピードで減り始め年越しの頃は3600人/1日です。日本のレベル、数百人/1日と比べると、けた違いに大きい数ですね。11月にはウィーンなどはロックダウンされ、また3回目のワクチンのブースター接種も進んだお陰なのか?減ってきたのかも知れません。ただ気がかりなのは、12/27日から急激に増加する傾向が見えてきており、恐らくオミクロン株の拡大が始まっているのかも知れません。そしたら空気感染説まで出る位の感染力が強いこの変異株のことですから、あっという間に11月のピークを越えて来る可能性もあります。そして入院者重症者数が増加すれば、「(大ぴらには)大規模音楽会が出来る状況にない」と言わざるをえません。

 日本の今日の新規感染者数もここの処1週間で倍のペースで増え続けていて、オミクロンの市中感染も続々出ているので、また再びコンサートの中止、払い戻しのオンパレードにならなければ良いがと懸念されるところです。

 さてニューイヤーコンサートの方は、前半後半とに分けたプログラムになっていて、『フェニックス(不死鳥)』という名のついた曲を先に持ってきている処に曲選定者(多分指揮者)の願いが込められていると思います。

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1部プログラム

新しい曲の演奏が多いことと息子ヨゼフの作曲のものも多いという特徴があることは、NHKのゲストを務めた三方(反田恭平、市川沙椰、林家三平)も話していました。

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演奏風景

管弦編成の規模は2管編成弦楽5部14型(14-14-10-6-6)でしょうか。

 休憩時間中の解説者奥田さんの楽器の違いや、学友協会ホールは一つの楽器の様な構造なので音響が良く鳴る等の話は、面白く参考になる話でした。毎年出るヘーデンボルグ兄弟も話していましたが、兄弟は兄弟でも顔が全く似ていないお二人なのですね。

 また歴代のニューイヤーコンサートの指揮者紹介のコーナーで、司会者がどの指揮者が好きかとゲストに訊いたところ、ゲストの二人が、グスタボ・ドュダメルとカルロス・クライバーを挙げていました。二人とも若い頃、スペイン系国家の雰囲気の中に住んでいて情熱的なのでしょうか?グスタボはべエズエラ、クライバーはお父さんがナチスから逃れてブエノスアイレス、コロン劇場の指揮者を務めた関係で、当地に一家で住んだことがあるのです。しかもクライバーは彼のアインシュタインと同じスイス工科大学を出てから指揮者になったというのですから、その異能振りは尋常ではありません。

 さて後半のプログラムは以下の通りです。

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9番目の曲の作曲者カール・ミヒャエル・ツェーラーはシュトラウス一家のワルツ曲独占的状況に挑戦したアンチテーゼ作曲家とみなされている様ですが、その実気は弱くシュトラウスを尊敬していたと聞くと、そうした対立は関係業界の利害によって作り出されたものと思えるのです。現代の芸能プロなどでも似たようなことがあるかも知れない。

  以上の第1部2部の演奏は、それはウィーンフィルのことですから「言う事無し、語る勿れ」の上物でした。