HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

『近藤嘉宏ピアノリサイタル』

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 表記のリサイタルは、それに先立ちショパンに因んだ映画『別れの曲』を観賞した後で、演奏されるものでしたが、映画上映は午後すぐなので時間の都合が付かず、15時からのピアノリサイタルに間に合うように会場に駆け付けました。同じ日の夜は池袋の芸劇で反田、小林両ピアニストによる演奏会があるので、このリサイタル終了後、又駆け足で池袋に向かう必要があり、せわしい後半日となりました。 

【日時】202112.8.(水)15:00~

【会場】ひまわりの郷ホール(横浜・上大岡)

【演奏】近藤嘉宏(ピアノ)

【Profile】

川崎市生まれ。4歳からピアノを始め、桐朋女子高等学校(共学)を経て桐朋学園大学を首席卒業。1987年日本音楽コンクール第2位。大学卒業後ミュンヘン国立音楽大学マイスターコースにおいて名匠ゲルハルト・オピッツのもと更なる研鑚を積み、1992年ミュンヘン交響楽団との共演でデビュー、大成功をおさめる。国内では1995年に正式にデビュー。以来日本を代表するピアニストとして第一線で活躍。これまでDenon ,Philips、Deccaを始めとする数多くのレーベルから30タイトル以上のCD及びDVDを国内外でリリース、その内容はソロ、協奏曲、室内楽と多岐に渡る。
1998〜2008年にかけてフェスティバルホール(大阪)で行った合計20回に及ぶリサイタルシリーズや1999年、ショパン没後150年を記念して全国各地で行った大規模なツアーは驚異的な動員数とともに絶賛を博す。2001年、チョン・ミュンフンの主宰する「セブン・スターズ・ガラ・コンサート」に出演。以降多くのオーケストラと共演を重ねている。

【曲目】

〇ショパン

①ワルツ第3番イ長調Op.34-2「華麗なる円舞曲」

②ノックターン嬰ハ短調遺作

③幻想即興曲Op.66

④舟歌嬰へ長調Op.60

⑤バラード第1番ト短調Op.23

〇リスト

⑥悲しみのゴンドラ第1稿 S.200

⑦コンソレーション第3番変ニ長調S

.172-3

⑧「ノルマ」の回想S.394

【演奏の模様】

 近藤さんはあのオピッツの直弟子だったのですね。この人の演奏は過去に本格リサイタルではないのですが、彼が出演した音楽会で何回か聴いています。一番最近ですと、今年9月に銀座の王子ホールで開かれた『クラシック音楽が世界をつなぐ~(輝く未来に向けて~動物謝肉祭)」というタイトルの音楽会で、ショパンを二曲弾きました。その時の(hukkats記録201.9.16.)の中から関係有る箇所のみ抜粋して文末に再掲して置きます。

 さて今回は、All Chopin and Liszt   で、本格的プログラムなので、有名な曲を纏まって聴くことが出きるいい機会です。それに前回の演奏でミスをした近藤さんですが、その演奏をちょっと聞いただけで素晴らし才能を感じたので、今回の演奏はうまく弾いてくれるといいなと期待を持って聴きに行きました。

 ①~⑦までの個別感想は割愛しますが、結果は総じて素晴らしい音楽性と感性で、高度なテクニックを駆使して、見事にショパンとリストを演奏し切りました。特に⑤バラード1番はかなりの大曲ですが、それを力強く申し分ない表現で演奏し大きな拍手を浴びていました。①から④までは曲の特性を生かしたお洒落な曲の雰囲気も良く出ていたし、感性豊かなショパンの作曲性向まで感じ取れるいい演奏でした。

 リスト演奏の前にマイクを通して近藤さんは、❝この⑥悲しみのゴンドラは、リストがワーグナーの死を予感して、彼へのオマージュとして作った曲だとも謂われます❞と説明していました。そう言えば、ワーグナーの奥さんはリストの娘、コジマだったのですね。それに両者は同じ頃(181?年頃)生まれたのですが、ワーグナーは70歳で亡くなり、リストは75歳まで生きたので、ワーグナーの死を悲しむことが出来たのでしょう。確かにこの曲は暗くて不気味な響き、特に左手による不気味な轟音が死を予感しています。

⑦はシックな愛情あふれる曲ですが、近藤さんは何かショパンに相通じる様な演奏振りでした。

最終曲⑧は力の入った強打鍵も当じぃうする大曲でした。リストらしい曲の最後は大いに構えて腕を大上段に振りかざして振り下ろす渾身の演奏でした。演奏が終わると大きな拍手が満員の中規模ホールに鳴り響き、それに答えるかの如くアンコール演奏がありました。

①ショパン『ノックターンOp.9 No2』

②ショパン『別れの曲』

 

演奏終了は。17時近くになっていたので、駆け足で駅まで急ぎ、途中軽く夕食を食べて、何んとか池袋の芸劇に間に合いました。

 

 

///////////////////////////////////(抜粋再掲////////////////////////////////////////////////////『クラシック音楽が世界をつなぐ~輝く未来に向けて~動物の謝肉祭』

編集

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表記の音楽会は

「文化庁:大規模かつ質の高い文化芸術活動を核としたアートキャラバン事業」の一環として、「クラシックキャラバン」隊を組み全国各地の会場を廻って、音楽会を開催するものです。コロナ禍で、活動が停滞気味にあるクラシック音楽演奏及び音楽家の下支えのための文化庁補助事業の様です。一種の公的資金援助でしょう。

 今回は、「動物の謝肉祭」としてのプログラムで、前半は主にソロ演奏で、様々な器楽曲と歌が演奏され、後半は、サンサーンスの『動物の謝肉祭』が、サンサーンスの初演時の器楽構成のアンサンブルで、演奏されました。

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【日時】2021.9.23.(祝)15:00~

【会場】銀座・王子ホール

[司会]松本志のぶ (フリーアナウンサー)

[出演]

大江 馨(ヴァイオリン)
城戸かれん(ヴァイオリン)
徳永二男(ヴァイオリン)
田原綾子(ヴィオラ)
矢部優典(チェロ)
谷口拓史(コントラバス)
吉野直子(ハープ)
竹山 愛(フルート)
イシュトヴァーン・コハーン(クラリネット)
塚越慎子(シロフォン)
森山拓哉(グロッケンシュピール)
近藤嘉宏(ピアノ)
實川 風(ピアノ)
三舩優子(ピアノ)
山岸茂人(ピアノ)
安井陽子(ソプラノ)
中島郁子(メゾ・ソプラノ)
中鉢 聡(テノール)
宮本益光(バリトン)
松本志のぶ(司会)

【曲目】

①-1エルガー:愛の挨拶 Op.12

①-2モンティ:チャールダーシュ

(Vn徳永二男 Pf三舩優子)

         

②-1ショパン:幻想曲 Op.49

②-2革命エチュードOp.10

(Pf.Solo 近藤嘉宏)

 

③-1サルツェード:バラードOp.28

(Hp 吉野直子)

③-2マスネ:タイスの瞑想曲

(Hp.吉野直子 Vn.徳永二男)

 

④山田耕筰/北原白秋:からたちの花

 中田喜直:組曲「魚とオレンジ」~華やぐ朝

(Sop.安井陽子)

 

⑤-1黒い瞳(ロシア民謡)

⑤-2ドヴォルザーク/松本隆:眠りなさい

(Bar.宮本益光 Pf.山岸茂人)

 

⑥-1フォスター:夢路より

⑥-2黒人霊歌:アメイジング・グレイス

(Mez.中島郁子 Pf.山岸茂人)

 

⑦-1ナポリ民謡:カタリ・カタリ

⑦-2ディ・カプア:オー・ソレ・ミオ

(Te.中鉢聡 Pf. 山岸茂人)

 

《15分の休憩》

 

⑧サンサーンス:動物の謝肉祭

三舩優子、實川風(Pf.)竹山愛(Fl.)

イシュトヴァーン・コハーン(Cl.)大江馨、城戸かれん(Vn.)田原綾子(Va.)矢部優典(Vc.)

谷口拓史(Cb.)塚越慎子(Xylo.)森山卓哉(Glsp.)松本志のぶ(司会・進行)

 

【演奏の模様(抜粋)】

②の第1曲は、司会の松本さんの説明で「雪の降る街」のメロディとして取り入れられた、という旋律そのもので開始したのですが、どうもピアノの音が芳しく聞こえません。次第にテンポが速くなってくると奇麗なショパンのピアノ音になってきました。特に高音がとても澄んで聞こえました。速いパッセジもフォルテで力強く弾く箇所も近藤さんは表現豊かに弾いており、素晴らしいピアニストだと思いました、ただ惜しいかな途中二度程立ち往生してしまいましたが、これは熟練度が増すにつれてミスが少なくなるでしょうから、今後のさらなる向上、活躍が期待されます。