HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

出張サマー・ミューザ・コンサートⅡ

『神奈フィル All Tchaikovsky 演奏会』 

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 今日の演奏会は、神奈フィルがチャイコフスキーの代表的バレエ音楽を選んでひき、また小学生の吉村さんという子が、何とチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を弾くというオールチャイコフスキープログラムに惹かれて聴きに行きました。会場は、新百合ヶ丘の音楽大学付属大ホール、フェスタサマーミューザの出張扱いです。休日の夕方ということもあって、ミューザ本拠地の繁華街川崎駅周辺よりは、人出は圧倒的に少ない場末駅なので、コロナ感染のリスクは少ない筈とみました。自分としてはワクチン接種済みなので、人からうつされる確率は低いとしても、ウィルスのキャリアとして、他人にコロナ菌を振りまく可能性は無いわけではないので(即ち街で感染者がたまたま近くにいて、菌を振り撒かれ自分の身に付いたまま運び歩き、さらにその菌を他人にバラ撒いてしまう可能性)、感染リスクの高い新規感染者増が大きい処は避けたいのです(本当は、家に巣篭もり生活が出来ればいいのでしょうが、そうとばかりはいきません)。

 今日の会場はオペラも出来る大ホールですけれど5~6割の入りでしょうか。多分緊急事態宣言で上限の全席数の1/2程度のチケット販売だったのでしょう。結構密な座席の処と、ガラガラの粗の処があります。以前だったら、座席の振替表をロビーに張り出して市松模様の座席に変えていたと思うのですが、最近は面倒くさくなったのかそれもやっていませんね。音楽ホールでクラスターがこれまで出ていないと言う人もいますが、PCR検査で陽性になった人の半数以上は感染経路不明である現在、不明者の日時行動を膨大ではありますがデータを取って、ビッグ統計解析すれば、共通項があぶり出される可能性があります。科学的解析がなされないままでは、感染経路不明者が増える一方ですよ。だって考えてみれば、明らかです。あの狭いきつきつのホールに隣り合わせでびっしり長時間座っていて聴いていて、若し感染者がまぎれていたら(その可能性は大です)、飛沫を飛ばしたり、其れを吸ったりするリスクは高い、入口の体温測定では、無症状の感染者は引っかかりません。マスクをしていても、感染者が近くにいてクラスターが発生した例は多くあります。

 これまで自分がコロナにかからなかったのは、運が良かっただけ。少なくともキャリアにはなりたくないですね。昨日アイーダを見た東劇では、市松模様で座席を売っていました。それでも三分の一も観客は入っていませんでしたが。

【日時】2021年8月8日(日) 17:00~

【会場】テアトロ・ジーリオ・ショウワ
【管弦楽】神奈川フィルハーモニー管弦楽団
【指揮】渡邊一正

【独奏】吉村妃鞠 * Violin

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【プロフィール】

2011年生まれ、9歳。2歳半の頃からヴァイオリンを始め、第12回グリュミオー国際コンクール第1位及び特別グランプリ(ベルギー)、第26回ポスタッキーニ国際コンクール第1位及び特別賞(イタリア)、第20回シェルクンチク国際コンクール第1位(ロシア)、第2回コーガン国際コンクール第1位(ベルギー)等、国内外39のコンクールで全て1位。レーピンやヴェンゲーロフらを輩出させた世界的指導者ザハール・ブロン氏は「並外れた才能と信じられないほど高い技術はもちろん、彼女は様々な音色を表情豊かに演奏し、聴衆全てに感動を与えた」と評した。ザルツブルク音楽祭の他、ロシア、スイス、オーストリア、イタリア、ベルギー、ウクライナのコンサートに出演。これまで小林研一郎指揮東京交響楽団、スピヴァコフ指揮ロシア・ナショナル管、モスクワフィル、キエフ国立フィルと共演。2021年は新日本フィル、東フィル、仙台フィル、日本センチュリー響、山響、九響と共演予定。原田幸一郎、小栗まち絵、ザハール・ブロン、植村理葉の各氏に師事。慶應義塾幼稚舎3年生。使用楽器は宗次コレクションより貸与。

【曲目】
《オール・チャイコフスキー・プログラム》
①歌劇「エフゲニー・オネーギン」から ポロネーズ
②ヴァイオリン協奏曲 *
③バレエ音楽「白鳥の湖」から

序奏、ワルツ、4羽の白鳥、チャールダーシュ(ハンガリーの踊り)
④バレエ音楽「眠りの森の美女」から

パノラマ、アダージョ
⑤バレエ音楽「くるみ割り人形」から

花のワルツ、パ・ド・ドゥ、タランテラ、金平糖の踊り、コーダ、フィナーレ、アポテオーズ

【演奏の模様】

①ポロネーズ

オーケストラは二管編成弦楽五部10(or12)型、チエレスタやハープが置いてありますが、これは、③で使う楽器です。

 最初の演奏だからなのか、Vn群のアンサンブルが、研ぎすまされていない感がしました。何かしらまろやかさが足りない気がしました。低音弦、特にVcは音が一纏まりになっていて良かった。

②ヴァイオリン協奏曲

この音、この演奏が若干小学3年生位の低学年の子どもが繰り出しているとは、驚異的でした。後半は少し疲れたのか若干演奏が弱くなった箇所も散見されましたが、兎にも角にも全楽章を弾きこなした力量には、脱帽です。随分頑張り屋さんなのですね。生まれつきの天分が備わっているのですから、もっともっと美味しいものを沢山食べて体力を付けて、さらに体も気持ちも希望も大きくなって、もちろん腕はどんどんのばして、世界に羽ばたくヴァイオリニストになって下さい。          神奈フィルの演奏は、ソリストに寄り添った思いやりが伝わって来る演奏でした。ソリストに引っ張り回されてくたくたになるオーケストラ演奏の場合も往々にしてあり見ていて面白いのですが、今回はそれとは真逆でした。大変良いアンサンブルでした。ただ一つ気になったのは、管弦楽それぞれのアンサンブルは、中等以下の音量の場合は良く鳴っているのですが、大音量でフル稼働する管弦の大咆哮の時の各パートの融合がいまいちかなと思いました。要するに響きが良くなかった。

 ③今回のバレエ音楽は、曲が終わるごとに新たに譜面をめくり、一曲が終わったこと、次の曲に進むことが聞く人にすぐ分かったことが良かったと思われます。バレエ音楽は結構あちこちのオーケストラで弾かれますが、続けて多曲を弾かれると聞き手としては、知る人ぞ知ることとなってしまい、曲を初めて聞く時などプログラムを見ながらでも、どの曲なのか分からない場合がありますから。これは、指揮者の渡邊さんの采配なのでしょう。

 近いうちにバレエを見に行こうかなと思っていたので、よい勉強になりました。