昨今は毎日テレビをつけると大体、いつでもどこでもオリンピック競技ばかりなので、若干食傷気味なのですが、でもこれまで柔道と卓球は見ごたえがあったのでつい何時間も見てしまいました。あとはマラソンは見たいですね。たまたま今日の夜十時頃NHKBSプレミアムにスイッチを切り換えたら、一目で高級鮨と分かる映像が映り出し、あ~美味しそうと思って見ていたら『マエストロたちの晩餐会』江戸前鮨の職人たち』という番組でした。
おおよそ次の様な番組でした。
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[BSプレミアム] 2021年08月06日 午後10:00 ~ 午後11:00 (60分)
一度は食べてみたい憧れの料理人、いつかは訪れたい思う名店…。もしも彼ら同業者同士がプライベートな宴を開いたなら―それを実現させたのが「マエストロたちの晩餐会」
出演者ほか
【司会】モーリー・ロバートソン,【出演】すし職人…青木利勝,杉田孝明,尾崎淳,【語り】小野花梨
概要
名が通ったすし職人×3名のライバルが集まった。銀座、日本橋、六本木、新進気鋭の若手から大ベテランまで…同じ江戸前寿司なれど流儀は三者三様。▽司会のモーリー・ロバートソンが、切り込んで熱い寿司トークがさく裂。ひとネタごとに魚への仕込みからシャリの酢の秘密、そして店の経営、果ては江戸前寿司の未来まで。▽各店の自慢のつまみや、まかないも見どころ。道を究めた者だけが分かる江戸の職人の美意識がここにある。
この「マエストロたちの晩餐会」は、東京の銀座、日本橋、六本木で人気のある店の鮨職人(店主)がNHKのスタジオに参集し、実はそれぞれの腕を振るった「まかない料理」を三人三様、造って食すという表面的な目的の裏に、三人三様の江戸前鮨と江戸前鮨店のあり方を議論考察するという、しかも普通の座談会や討論会風の口角泡を飛ばすやり方でなく、互いに自慢の美味しい料理を作って食しながら和気あいあいと話し合うという良く考え抜かれた番組でした。ついつい最後まで見てしまいました。というのも一人は銀座人気店の2代目(60才代)、二人目は日本橋の伝統的江戸前鮨造りに誇りを持つ、中々予約できない程人気のある店の店主(50代)、三人目は六本木でSNSやInstagramを駆使して、大人気の鮨店主(50代)とそれぞれ考え方と江戸前鮨に対する考え方、生き方の異なる三人ですが、その話し合われた中身は、何も江戸前鮨に限ったことでなく、あらゆる伝統文化のあり方に共通する問題点を孕み、伝統と伝承、革新と変革という、音楽にとっても大変示唆深いものがあったからです。
番組を見て、音楽の伝統と変革の問題をどの様にアウフヘーベンしていくか、短絡的にすぐには結論は得られませんが、ただ一つ間違いなく言えることは、伝統は無視しえないことと変化は止められないということです。
最近鑑賞したオペラ『カルメン』でも伝統と変革の問題提起は、深いものがあって、もっともっと真剣に自分としても考え抜かなければならないと思っています(❛なかなか時間が無くて❜、などと言っておられませんね、これは)