HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

映画『東京五輪音頭』鑑賞

 今秋来日公演予定のウィーンフィルの東京公演の日程が固まって来た様です。先日のサントリーホールのメールによると、

11/3(祝)~11/12(金)の間の夜に、ストラヴィンスキー、メンデルスゾーン、モーツァルト、シューベルトからの交響曲を二曲組合せて演奏、その間の日中に、ゲネプロ、青少年プロ、Vnマスタークラスなどを開く様です。 チケット発売はまだみたいですが、またまたチケ取りにひと苦労しそう。

 ところで、今日午前中に二回目のワクチン接種をしてきました。ここ数日は、体力を余り消耗しないよう温存し、また寝不足にならない様に気をつけて来ました。その甲斐があったのかどうか分かりませんが、今回の注射も1回目より痛くなかったし、その後の経過もまったく何ともなく嘘みたい、本当にワクチンが体内に回ったのかな?と不思議な気持ちです。抗体検査をすれば分かるのでしょうが。注射した看護師さんに、” 注射の副作用出る人ってホントにいるのですか?滅多にいないのでしょう?” と聞いてみたのです。彼女の話しだと、比較的若い人に強く出る様で、医療従事者の接種の時、(その看護師さんは、大学病院の人らしく、そこで接種したようなのですが)若い見習い医者が、注射した途端に、バッタリ倒れてしまったそうです。でも病院内で倒れても心配ないですよと、😊ながら言うのですが、しかし報道によると、ワクチンによるものかどうかは分からないけれど、注射後、2~3日以内に亡くなった人が、日本国内でも、何十人もいるそうですから、軽く考えてはいけません。自分の考えでは、何となくワクチンとの相性が体質的にあるのではなかろうかと思うのです。遺伝子的なものが。家族、兄弟、親戚を見ても、二回目を終わった者が何人もいますが、家内の弟の奥さんが、二回目の後、半日位7度程度の微熱が出た以外は、皆ちょっと注射したあたりが痛かった程度で何ともなかったのです。その奥さんは、持病として若いときからリューマチをもっていたせいかも知れません。いずれにせよ、ワクチンは出来る限り早くやった方がいいと思いました。でも最近は、足りなくなってきたというではないですか?やっはり、国産化を急がないと根本的な解決にはならないですね。これは国の安全保障に関わることです。

 さて、前置きはこのくらいにして、注射しても何ともなかったので、何処かに何か見に行こうと思い調べました。流石に遠出は何か生ずると困るので避けて、近場でと思ったのですが、横浜市内に二俣川というところがあります。ここの区立の施設で、「あさひ名画座」と称して、今日昼過ぎから『東京五輪音頭』という昔の映画を一回ポッキリ上映することが分かり、それを見に行くことにしました。概要は以下の通りです。

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 この映画は、1964年、前回の第18回東京オリンピックの前月に公開された日活映画です。

【監督】小杉勇
【キャスト】栗田勇=山内賢 藤崎ミツ子=十朱幸代 松宮れい子=山本陽子(新人) 青木正光=和田浩治/阿部弘=沢本忠雄 藤崎源造=上田吉二郎 青木キヨ=岡村文子 特別出演=古賀政男

特別出演=花柳秀舞踊団 

特別出演=東京母の会連合会福祉舞踊協会/河野コーチ=上野山功一 山本宗五郎=小泉郁之助 相原巨典 松宮房代=堺美紀子 漆沢政子 日出代=福田トヨ/谷雅江=森みどり 三船好重 大倉節美 糸賀靖雄 桂小かん シマナ マリア・ラーモス/松吉、三波春夫(二役)=三波春夫(テイチク)
【脚本】高橋二三 国分治
【音楽】
音楽/小杉太一郎 主題歌=テイチクレコード,NHK制作「東京五輪音頭」作詩 宮田隆 作曲 古賀政男 歌 三波春夫 挿入歌=「俵星玄蕃」「風の信州路」歌 三波春夫
その他スタッフ
【原作】石森史郎(「近代映画」掲載) 

【撮影】中尾利太郎 

【照明】吉田一夫 

【録音】八木多木之助 

【美術】西亥一郎 

【編集】近藤光雄 

【助監督】鈴木康久 製作主任/藪内善明 【スクリプター】大和屋叡子  

【特殊技術】金田啓治 

 

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オリンピック施設を観る一行

 【粗筋】

 東京下町の中央卸売市場で、ひときわ目を惹く仲買人「藤原」の一人娘・藤崎ミツ子(十朱幸代)は、明るく陽気で町内の人気者。大学ではオリンピック強化コーチがつくほどの水泳のホープで、連日猛練習をつづけているが、祖父の源造はミツ子が水泳選手になるのを極度に嫌っていた。親代わりの祖父の猛反対を押し切ってまで自分の意志を通すことができないミツ子は、祖父に気づかれないように市場の仕事をしながら密かに練習に打ち込んでいたのだった。三波春夫に似ていると評判の「松寿司」の主人・松吉(三波春夫ふた役)をはじめ、町内の人たちはミツ子がオリンピックに出場することを心から望んでいたが、頑固一徹な源造の手前、ミツ子がオリンピック候補選手に指名されたときも、源造にだけは知らさないよう協力していたのだった。ところがある日、とうとう源造の耳に入ってしまうと、カンカンに怒った源造は大学へ行き「藤崎ミツ子は今日かぎり水泳部をやめる!」とコーチ陣に宣言し、ミツ子を家に連れ帰ってしまった。一方的な仕打ちに、さすがのミツ子も抗議したが「スポーツって名がつくものは、でえ嫌えだ」の一点ばり。ある日「ミツ子を合宿へ入れたい」とやってきたオリンピック強化コーチ・河野にも、源造は取り合わないどころか怒鳴り出す始末。源造には、ミツ子を反対する理由があったのだった。

【感想】

 この映画を見た切っ掛けは、上記した理由の他に二点あって、Ⅰコロナ禍で、萎む一方の今度の東京五輪に比し、半世紀前の日本の伸び盛り直前の東京五輪がどんなに意気盛んなものであったか回顧的な気分になったこと。

Ⅱストーリーを主演する十朱幸代は、自分は隠れファンというか、昔から女優の中で一番好きだと思っていたのでした。といってもその映画一本見たことのないファンなのですが。映画俳優は、舞台俳優と違って直かに見る機会は無く、テレビとかで見るうちに、これはタイプだと思ってしまいました。ただ機会あるごとに周りの人に誰にでもそのことは隠さず話して来ました、勿論家内にも。でも家内はちっとも似ていないのです。そういう訳で、この映画を見に行く気になったのです。

 さてストーリーは粗筋にある様に他愛もないのですが、初めて銀幕の十朱さんを見て、しかもデヴューから数年の若かりし頃の初々しい姿を拝見し、やはりいいなーと思いました。

 それにこの映画が、山本陽子さんの映画デヴユーなのでしょうか?山本陽子(新人)と書いてありますね。和服が若い時から似合い、日本舞踊が上手なのには驚かされます。またタイトルロールを歌った三波春夫の歌の上手さにも驚きました。クラシックとは分野が違いますが、映画の中で一人二役の寿司屋の松吉が歌う民謡「新相馬節」の上手なこと、先ず音楽性が良い、声が良い。この人が最初からテノールをやっていれば日本的なオペラ歌手に育っていたかも?ついでに、こうした分野で歌が素晴らしいと思っているのは、美空ひばり、絶頂期の北島三郎。
 それから、青果卸売市場という、もともと威勢の良い場所が中心場面なのですが、そこに登場する人物、写っている街の情景、何れもそれ程清潔でないし豪華でも洒落たものではありません。しかしこれから将に日本が成長しようとする活気、迫力、意気込みが感じられるのです。その意気込み通り、東京オリンピックを契機に日本は高度成長の波に乗って行く訳ですから、如何に街の空気が何を語るか感じ取ることは重要だと思いました。

 今まさに東京オリンピックの直前で、見た目の東京は大きく育ったビル街に囲まれてはいますが、目に見えないコロナがその間の空間を独り占めし、人々は恐れおののき、オリンピックは火が消えた様な無観客の中で行われるという、そこから感じ取られるのは、あの縁起でもない、死者を送り出す目に見えない葬列のレクイエムの音と慟哭の声だけではないでしょうか。ベートーヴェンの葬列でもベルディの葬列でもこれほどの悲惨さを感じるものでは無かったでしょう、あの大戦終了後の悲しみを除けば。

 日本は失われた10年が20年、30年と延びていますが、それどころか下手すると50年、100年と失うばかりかも知れない。ユメユメ、国土を失うことが無いよう祈るばかりです。