表記のR.Wagner『Der Ring des Nibelungen"Highlights《concert style》(楽劇「ニーベルングの指環」ハイライト演奏会形式』は、ワーグナーの書いた四部のオペラから成る超大作の中の、聴きごたえのある或いは見ごたえのある箇処のアリアやオーケストラ曲を、ハイライト的に抜粋して演奏する試みです。演奏はシティ・フィルハーモニック管弦楽団、その桂冠名誉指揮者である飯森泰次郎氏の傘寿記念演奏会として、飯森氏の指揮で行われたものです。チケットは 大分前に発売開始され、その後のコロナ感染状況により5月の東京は三回目の緊急事態宣言の延長が為されたため、この演奏会がどうなるのか、チケットを買った音楽愛好家達はやきもきさせられたのでしたが、結局、大規模催事の制限の緩和により、コロナ対策を十分施しての実施となったものの様です。
音楽愛好家の我々にとっては喜ばしい限りですが、これを聴きに来る聴衆の大部分は自分も含めて、まだワクチン接種も受けていないでしょうから、この音楽会につどったことが、感染力が強い変異種コロナ菌の増殖のお先棒をかつぐことに夢ゆめならない様、世間からの指弾を受けない様、細心の注意を払う必要があると思いながら聴きに行きました。
このワーグナーのオペラは、Ⅰ.Das Rheingold(約2.5時間)Ⅱ."Die Walküre(3.7時間) Ⅲ.Siegfried(3.5時間)Ⅳ.Götterdämmerung(4.2時間) 四部作から成り、それぞれが、一幕から三幕、最大(序幕+三幕)四幕から成る長大なオペラで、全部演ずるには14時間、即ち3hr/1day としたら5日間、4hr/1day としても4日間はかかる計算になります。「バイロイト音楽祭」でも、全曲演奏されたのは、2008年7月から8月にかけて、ティーレマン指揮で、当時の錚々たる歌手陣とバイロイト祝祭管弦楽団&合唱団によるものくらいでしょうか?(旧くは1968年にロリン・マゼールが振っている様です。)
2021年のこの音楽祭では、ワルキューレ(及びワーグナーの他の曲)の演奏が予定されている様ですが、昨年は中止になってしまい、今年はコロナの状況は大丈夫なのでしょうか?
今回の演奏会のプログラム概要は次の通りです。
【日 時】2021.5.16.(日)14:00~(18:40終了予定)
【会 場】東京文化会館大ホール
【管弦楽】東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
【指 揮】飯森泰次郎(桂冠名誉指揮者)
【合 唱】ワーグナー特別演奏会合唱団(男声合唱)
【合唱指揮】藤丸崇浩
【出演者】
- ブリュンヒルデ:ダニエラ・ケーラー(Brünnhilde : Daniela Köhler)
- ジークフリート:シュテファン・グールド (Siegfried : Stephen Gould)
- アルベリッヒ、ヴォータン/さすらい人、グンター:トマス・コニエチュニー (Alberich,Wotan/Wanderer,Gunther : Tomasz Konieczny)
- ハーゲン:妻屋秀和 (Hagen : Hidekazu Tsumaya)
- ミーメ:高橋 淳 (Mime : Jun Takahashi)
- ヴォークリンデ:増田 のり子 (Woglinde : Noriko Masuda)
- ヴェルグンデ:金子 美香 (Wellgunde : Mika Kaneko)
- フロースヒルデ:中島 郁子 (Flosshilde : Ikuko Nakajima)
【人物相関図】
【曲 目】
《Ⅰ》.序夜『ラインの黄金』より
①序奏~第1場「ヴァイア!ヴァーガ!…」~アルベリッヒの黄金強奪 (ラインの乙女たち、アルベリッヒ)
②第4場 神々のヴァルハラへの入城 (管弦楽)
《Ⅱ》.第1夜『ワルキューレ』より
①第3幕 第1場 ワルキューレの騎行(管弦楽)
②第3幕 第3場 ヴォータンの別れと魔の炎の音楽「さらば、勇敢ですばらしい娘よ!」(ヴォータン)
《Ⅲ》.第2夜『ジークフリート』より
①第1幕 第3場 ジークフリートの鍛冶の歌「ホーホー!ホーハイ!鎚よ、丈夫な剣を鍛えろ!…」(ジークフリート、ミーメ)
②第2幕 第2場 森のささやき(管弦楽)
③第3幕 第2場「上の方を見るがよい!… 」(さすらい人、ジークフリート)
④第3幕 第3場 「太陽に祝福を!光に祝福を!」(ブリュンヒルデ、ジークフリート)
《Ⅳ》.第3夜『神々の黄昏』より
①序幕より 夜明けとジークフリートのラインの旅(管弦楽)
②第2幕 第3場「ホイホー!…」~第4場「幸いなるかな、ギービヒ家の御曹司!」(ハーゲン、男声合唱)
③第2幕 第5場「ここに潜んでいるのはどんな魔物の企みか?…」(ブリュンヒルデ、ハーゲン、グンター)
④第3幕 第2場「それから小鳥は何と?…」~ジークフリートの死と葬送(ジークフリート、ハーゲン、グンター、男声合唱)
⑤第3幕 第3場 ブリュンヒルデの自己犠牲「太い薪を積み上げよ…」(ブリュンヒルデ、ハーゲン)
【演奏の模様】
Ⅰ-①では、弦のトレモロを背景としたHr.やFt.の調べで助奏が続く中、歌手が登場、アルベリッヒ役のトマス・コニエチュニー(以下、トマスと略記)と、三人のラインの乙女(増田、金子、中島)が小人アルベリッヒをからかって歌っているうちに、口を滑らし、ラインの黄金の秘密を漏らしてしまうのです。アルベリッヒは自分には黄金なんてちっとも価値が無いと最初は歌うのですが、ラインの乙女の話を聴いた途端、俄然世界を支配したくなって、女性に対する興味(愛情)を棄て黄金を奪って盗むのでした。これが「ニーベルングの指輪」の長大な物語のそもそもの発端となった事件なのです。アルベリッヒは、その黄金で指環を作ったのでした。
<ALBERICH>Eurem Taucherspiele nur taugte das Gold? Mir gält' es dann wenig!
<WOGLINDE>Des Goldes Schmuck schmähte er nicht, wüsste er all seine Wunder!
<WELLGUNDE>Der Welt Erbe gewänne zu eigen, wer aus dem Rheingold schüfe den Ring, der masslose Macht ihm verlieh'
<FLOSSHILDE>Der Vater sagt' es, und uns befahl er,klug zu hüten den klaren Hort,dass kein alscher der Flut ihn entführe: drum schweigt, ihr schwatzendes Heer!
<ELLGUNDE>Du klügste Schwester, verklagst du uns wohl? Weisst du denn nicht, wem nur alleindas Gold zu schmieden vergönnt?
<WOGLINDE>Nur wer der Minne Macht entsagt,nur wer der Liebe Lust verjagt ,
nur der erzielt sich den Zauber,zum Reif zu zwingen das Gold
あんなに父親から口止めされていた秘密を、こんなにも簡単に漏らしてしまうなんて、物語として余りに不自然で合理的でなく感じます。もう少しアルベリッヒの策謀にかかって言ってしまうとか、ドイツ人お得意のスパイ白状手段、頭脳作戦を駆使したストーリーに出来なかったものか?もっと面白くなったかも? などと勝手に思ったりして。
ここで、3人の乙女役の日本人歌手は、それなりに、役柄を歌いこなしていましたが、何と言ってもあのローレライの歌の響く澄んだライン河ですから、特に、三人で合わせて歌う時の透明度がもっと高ければ、さらに良かったと思います。
一方、アルベリッヒ役のトマスは最初から快調の兆し、今日一人三役ですから、3人の配役を同じ歌声で歌うのか、歌い方を変えて歌うのか興味津々で聴き始めました。アルベリッヒを歌うその声は、苦味を含んだバスともバリトンともいえる重みのある声で、本格的な声量と響きは、世界的な(世界に通用する)ものでした。他の役柄をどう歌うか益々興味深くなった。
Ⅰ-②の
「神々のヴァルハラ城への入城」では、本来であれば、ヴォータン、フリッカ、ローゲ、ラインの乙女3人の歌が歌われるのですが省略されオケのみの演奏。フリッカ役やフロー役、ローゲ役がいなかったためオケのみの演奏になったのでしょうか?ここはやはり日本人歌手を立てても歌って欲しかった。
この曲に限らず、他の部分の曲でも、ワーグナーは金管楽器の調べをオーケストレーションの重要要素として取り入れその力を発揮させていますね。特に、通常の二管編成から三管楽~四管編成に拡大、特に金管楽器を4つのセクションに分け4和音を同じ音色で、それぞれのセクションが充実した和声を出すことができるようにしたり、工夫をしています。この曲以降でも今日は、大規模編成のだいご味が味わえました。最終曲の最後の最後、仲々オケが終了しません。ワーグナーも粘着性でしょうか?
それはさておいて、この辺のストーリーには、ちょっと首をひねります。アルベリッヒから黄金の指輪を取り戻したウォータンとローゲは、ヴァルハラ城の新築を請け負った巨人族の長に代金として黄金やその指輪まで与えてしまうのです。その指輪にはアルベリッヒの呪いが賭けられていたそうなのです。呪いは、オペラの他の各部まで、最後まで尾を引く程強いものです。普通の感覚なら『神=ウオータン』なら、呪い等簡単に解除出来る神通力を持っていても良さそうなのですが、この物語全体に渡って、ウォータンの神通力は非常に限定的だということが分かります。ギリシャ神話の全能の神ゼウス等とは大違いで、むしろ人間の限界に近い様な状態(特に精神の限界)も持っている。かといっていざという時には超人力を発揮し、自分のメンツは立てようとする。何なんだこのおっさんは?と思ってしまいます。「ヴァルハラ城への入城」の際、ウォータンは、 So grüss' ich die Burg sicher vor Bang' und Grau'n! er wendet sich feierlich zu Fricka! Folge mir, Frau: in Walhall wohne mit mir
等と歌います。新居を建てたサラリーマンが、うれしさ一杯に妻を伴い引っ越す様なものです。こうしたウォータンの限界が結局、最終章の 《Ⅳ》.第3夜『神々の黄昏』の、ヴァルハラ城の落城へと繋がって行く遠因なのでしょうか?
Ⅱ-①の
「ワルキューレの騎行」もオケのみでなく、ゲルヒルデやヘルムヴェーゲの ❝Hojotoho! Hoyotoho! Heiaha! Heiaha!❞ ❝Hojotoho! Hojohoto!❞と叫ぶ、元気な掛け声を聴きたかった。ここでもスタッフ不足でしょうかね?
この場面のオーケストラ演奏は、独立しても良く演奏される曲で、ポピュラ―曲と言ってもいいかも知れない。確かに勇壮な堂々とした動きを感じるアンサンブルです。
Ⅱ-②では、
この場面の直前、ウォータンが自慢の子、ブリュンヒルデが「甘んじて罰は受けますが、不埒な者たちが寄って来て辱めを受けない様に自分のいる岩場の周りを火で囲んで欲しい」と命を懸けての必死の訴えに、ウォータンが感動して歌う、別れの歌の場面です。ウォータンはブリュンヒルデの目に接吻して神性を抜き去り長い眠りにつかせたのです。ここのウォータンのアリアで、次の「ジークフリートの出現」を示唆しています。即ち、ein bräutliches Feuer soll dir nun brennen, wie nie einer Braut es gebrannt! Flammende Glut umglühe den Fels; mit zehrenden Schrecken scheuch' es den Zagen; der Feige fliehe Brünnhildes Fels! Denn einer nur freie die Braut, der freier als ich, der Gott!
の部分でウォータンが、神の自分よりも自由で強き者のみが、炎を越えてブリュンヒルデに近づくことが出来、彼女を花嫁にするのだと言っているのです。これは勇者、強者、英雄の出現の予告です。
ウォータン役のトマスは、バリトンの本領を発揮、声質の基本は変わらないのですが、アルベリッヒの時と比べて、音程も高い歌で、全体的に堂々と時としてはやや声を潜めたり、リート的な歌い方で歌うなど、表情(実際の表情も)豊かに表現していました。なかなか素晴らしい表現力を有する歌手だと思いました。ウォータンの苦悩がよく出ていた。
歌が終わった後の管弦の調べが、何とも言えない静かな眠りにつく雰囲気を表していました。次の場面でウォータンはローゲ(雷神)に岩場の周りを火炎で燃え上がらせよと命ずるのでした。ここではトマスは決然と強い口調で歌っていた。
《Ⅲ》.第2夜『ジークフリート』より
①第1幕 第3場(~3場の最後まで)で、ジークフリート役のシュテファン・グールドが登場、ミーメ役の高橋淳と魔剣(ノートゥングの剣)を鍛える場面での歌のやり取りです。
ジークフリートは「鍛冶の歌」を歌います。直前の第2場で、さすらい人を装ったウォータンとの問答により、ノートゥングの剣を鍛えることが出来るのは、「恐れを知らない者のみ」というヒントを得たミーメは、育て子のジークフリートをけしかけて、“恐れを感ずることが出来る場所に連れて行ってやる。「欲望の洞窟」に住む大蛇、ファフナーの処で、恐れを知るだろう。そのためにも急いで自分で剣を鍛えるのだ”とそそのかすのでした。鍛冶場でノートゥングの鋼の破片(これは、「ワルキューレ第2幕第5場」で、魔剣ノートゥングをウォータンが“In StÜcken das Schwert!(剣よ砕けよ!)”と叫んで、砕いたその時の金属片です)で以て、刀を鍛造すべく、凄い勢いで鍛冶仕事をしながら歌うのでした。『ホーホー!ホーハイ!鎚よ、丈夫な剣を鍛えろ!…』 ここで、グールドは、チェレスター形状の打楽器を前に準備して、それを叩きながらリズミカルに歌っていました、音とリズムが非常に印象的です。 一方、ミーメ役の高橋は早口で叫ぶが如くですが、日本人歌手としてもやや小ぶりの感があるかな?演技をする実演があれば小人のミーメ役は演ずるのに適役かも知れません。
グールドは、歌い始めの辺りでは、ヘルデンテノールとしてはやや声の力強さも十分には出ておらず、前評判が高かったことも有り、一瞬おや不調かな?と思いました。しかし時間と共に歌が進むと、落ち着いてきて力のこもった歌声が発揮されて来ました。
ここでミーメに対するジークフリートの態度についての自説です。ミーメは育ての親で、赤ちゃんの時から青年(まだ20前か?)になるまで養育して呉れて、その恩は非常に大きいものであるにもかかわらず、ジークフリートはミーメに対して酷い態度を取り続けるのです。常識ではありえない程酷い。最後には殺してしまうのですから。でもこれはよく考えると、ミーメが温情を授けたのもすべてジークリフトを英雄として成長させ、かっては持っていたニーベルング族の黄金の指輪を、巨人族から奪還させるための遠大な謀略の心からであり、計算ずくであることを、ジークフリートは何故か知っていたと考えればうなずけるのです。ウォータンからでも聞いたのでしょうか?それは分かりませんが、ミーメの根は腐りきった悪人そのものなのは確かでした。(こう考えてみても、それでもなおジークフリートの非情さはひど過ぎるという思いは残りますが。)
②第2幕 第2場 森のささやき(管弦楽)。ここはミーメに連れられて大蛇(ファフナー)を退治に森に踏み込んだジークフリートが、亡き母を偲んで感慨に更けている時、森の騒めきや小鳥の声に耳を傾ける場面で、本来は短いオケの前奏に続いて、ジークフリートの詠唱が入る場面ですが、どういう訳かオケのみの演奏で、グールドは歌いませんでした。フルートの音が鳥がさえずる様な感じ、オーボエ(クラリネットか?)も低い声で鳴っています。この後ジークフリートは、葦笛で小鳥たちに応じようとするもののうまくいかず、銀の角笛を取り出して吹くのです。すると大蛇が目を覚まし出て来る。
③第3幕 第2場の詠唱、「上の方を見よ 」(さすらい人&ジークフリート)ここでは、ブリュンヒルデに会いに行くというジークフリートを、さすらい人(=ウォータン)が“Blick nach der Hof. Erlugst du das Licht? Es wachst der Schein,es schwillt die Glut; sengende Wolken, warbernde Lohe walzen sich brennend und prasselnd herab:ein Lichtmeer umleuchtet dein Haupt:・・・(上の方を見よ。光が見えるか。輝きは増し、灼熱の炎は膨れだす。火に焦げた雲、揺らぐほむら、燃え盛り、音を立てて下方に迫って来る。光の海がお前の頭を飲み込むのだ)”と歌って阻止しようとするのです。しかしジークフリートはブリュンヒルデに会いたさ一心で、さすらい人の槍を刀で切り捨ててまで進んで行くのでした。これでウォータンの神通力は無力化された可能性があるのです。
ここで歌ったトマスは、ウォータント同じ態度と歌声でした。僅かに声量を押さえていたかな?そもそもこの二人は同じ人物なのですから、同じ歌い方でいいのです。
この場面に続く間奏曲と次のハープで始まる第3場の導入曲、さらには冒頭のジークフリトが落ち着いて周りの情景を歌うアリアも聴きたかった気もしました。
④第3幕 第3場
この場面の冒頭、ブリュンヒルデ役のダニエラ・ケーラーが初めて登場、岩山の炎のバリアを乗り越えた後、寝て横たわるブリュンヒルデに遭遇したジークフリトは、接吻して眠りから醒めさせ、ブリュンヒルデと二人で歌う場面です。輝かしいオケの前奏に続いてゆっくりと。ブリュンヒルデは一体何十年寝ていたのでしょうか?全然年を取らない。同じ様なことがどこかの物語でもありましたっけ。
<BRÜNNHILDE> Heil dir, Sonne!Heil dir, Licht! Heil dir, leuchtender Tag!Lang war mein Schlaf; ich bin erwacht.Wer ist der Held, der mich erweckt'?(太陽さん、こんにちは、太陽に、光に祝福を!明るい一日に祝福を!私の長い眠りから醒めました。この英雄は一体誰?私を目覚めさせたのは?)
<SIEGFRIED>
Durch das Feuer drang ich, das den Fels umbrann;ich erbrach dir den festen Helm:Siegfried bin ich, der dich erweckt.(岩山の周りを囲う燃え盛る炎を越えて突進して来ました。君の堅牢な兜を切り除いた。私の名前はジークフリート。)
ケーラーの歌声は、将にワーグナー・ソプラノで、歌い始めから堂々と、伸びのある息の長い、安定した叫びを含んだ歌声を響かせていました。やはり素晴らしい。
この第3幕3場であれば、この後にブリュンヒルデの名曲とも言えるアリア、❝Ewig war ich,ewig bin ich,ewig in süß sehnender Wonn❞ から始まる恋人に懇願する気持ちを歌った長い甘い歌があるのですが、プログラムの曲名を見るとそれは明確に書いていなかったので、聞きたいけれど残念だなと思っていたのでした。ところが、上記の歌の後でそこまで含めた演奏をケーラーは(というより指揮者の指揮曲に入れてあって)歌って呉れました。もう満足しました。
さてこの辺で一旦終了し、次に聴いた《Ⅳ》.第3夜『神々の黄昏』からの歌は後日、時間があれば、<続き>として記するつもりです。