コロナ禍の昨今、音楽会には安易には行けないし、「Go to トラベル 」は見直されるというし、今日の朝日朝刊トップの写真では、鎌倉はごった返す人出ですし、どこか感染しないで出かけられる処はないか考えた末、庭園を見に行くことにしました。それも地元横浜の近場で。『横浜イングリッシュ ガーデン』というのが何年も前に出来たことは知っていましたが、一度も行ったことが無かったのです。
噂によれば薔薇の花が多いらしいし、面積は小さいというし、かって伊豆などの大掛かりな薔薇園に行った記憶が鮮明で、足を運ぶ気が起きなかったのでした。つまらないのではと思っていたのです。それだからこそこうした時期には、余り混まない場所だろうと考え、季節外れのポカポカ陽気に誘われて出掛けたのです。結論から言いますとそれが大当たり、まるで”秘密の花薗”その物、心が洗われて厄が落ちる感じでした。その理由は順を追って述べます。
イングリッシュガーデンの場所は、横浜駅から相鉄線で一駅目の「平沼橋」という駅です。駅から徒歩15分位でしょうか? 住宅展示場の先に在りました。
入場料金は大人700円です。映画よりも安い。
係員の話では薔薇の盛りは過ぎても、遅咲きのものが随分咲いているとの事でした。来場者は三々五々来場している様子、二人づれが多いですね。三密からは程遠い状態です。
中に入って進むと正面にアーチ状の洞門の様な植栽が見えます。
直進すると、様々な花等の植栽や植物が飾り建てられていました。
トンネルを抜けると様々な薔薇が見事に緑に映えて美しく咲いていました。
久し振りでこんなに大量の薔薇の花を見ました。両サイドが薔薇の木立ちに囲まれた小経が真直ぐに或いはカーブして続いています。
小経は木道の箇所もありましたし、また曲線を描く小経は次々と左右前後に薔薇の藪の中で繋がっていて、計画された迷路を進む様な気がします。時たま見物者が近寄ってもほとんどすれ違わないで別な小経を進むことが出来る。これなら接触感染の心配もありません。兎に角何百いや何千もの様々な薔薇の花の咲く藪を進むのは、他の大規模薔薇園では味わえないワクワクする気分になりました。
藪の足元には薔薇以外の多くの花も咲いていました。
薔薇の藪や灌木だけでなく大木もありました。
高い大木の木漏れ日がとても美しい。
部分紅葉した木の葉は黄色い花の様。
桜の木があって小さい花を沢山つけていました。10月桜でしょうか?今年は暖かいのですね。
さらに曲がりくねった小経を行くと東屋風の処があって中で一休みです。
その近くには小さな池も見えます。
勿論これまで進んできた小径のあちこちの適所に置かれた多くのベンチに腰を降ろし一休み出来ます。
灌木に混じって秋らしい木の実がいろいろと実っていました。
柑橘の実やカキの実までありました。
何の実でしょう?結構大きい赤い実。
秋の収穫も飾られていました。
ざっと一回りした後、一個一個の薔薇を良く見ながら、匂いも嗅ぎながらズームで写真に収めました。
黄色いバラにいい香りのものが多い様な気がしました。
一通り見物した後、藪と花に囲まれ正面から太陽の陽が暖かく当たるベンチに座り、持参した読み掛けの本「イギリス史」を開いて少し読みました。ポカポカ暖かい場所のせいか眠気を催しましたが、ふとベンチの手すり木を見ると、飛んできた小さいアブも日向ぼっこしている様子。なかなか立ち去ろうとしません。居眠りしているのかな?居眠りしているアブが自分を見ているのか、居眠りしている自分がアブを見ているのか、『夢に胡蝶となる』の感有り。
暫くそうしていたのですが、誰も前を通り過ぎませんでした。将に「秘密の花園」でした。
イングリッシュガーデンはこの横浜の展示用ばかりでなく、近年個人の住宅でも一種のブームだそうです。しかしこれらはやや日本化した、帰化した庭園で、本場の英国のイングリッシュガーデンとは異なっています。以前英国で写真に収めたイングリッシュガーデンを次に掲載しますが、かなり日本の場合とは異なっていますね。
尚、横浜イングリッシュガーデンへのアクセスは、冒頭に書いた平沼橋駅改札口を(南方向に)左折し、細い車道にぶつかったら右折して線路に平行して少し歩くと左手に「平沼神社」が見えてきます。
この日は、七五三のお宮参りをする人たちがいました。
さらに直進しますと跨線橋があります。
そこを登って線路を渡ります。跨線橋からは列車が走るのが見えました。左がJR線、右が相鉄線です。
跨線橋の対岸には東京ガスの大きなタンクが見えます。
渡り切ると左手に大きな住宅展示場があります。
線路と住宅展示場の間を直進すると「横浜イングリッシュガーデン」がありました。
結論として、あの薔薇に囲まれた藪の中でベンチに座って冥想すれば、物語「秘密の花園」を思い出すこと必定です。