HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

自分勝手な文化満喫の日、第一弾『工藤和真テノールリサイタル』鑑賞

  今日は天気予報通り朝起きたら晴れて、久しぶりの秋空です。暖かな日になる予感がしました。そこで、11月の文化の日には、少し早いのですが、自分勝ってに「文化を満喫する日」とし、一日中上野公園界隈で文化三昧を決め込んだのでした。その第一弾として、表記のテノールリサイタルを聴きました。

 

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工藤和真

 横浜から上野に直行、リサイタルの当日券をゲットし、11時からの演奏会に臨みました。当日券は残り3枚だったので、ぎりぎりセーフでした。東海道線と東北線(or高崎線)の直行線が出来てから、乗り換え無しで、上野まで行ける様になって、時間が短縮され、非常に便利になりました。これは、三十歳代からそうなるといいなと、時々思っていたことです。難しいと思うことも、実現される日が来ることがあるのですね。駅の改札もそうです。改札係を無くすことは無理だと考えていましたが、難なく実現されました。
 こうしたブレイクスルーは、知ってしまうと、なーんだ、なる程と腑に落ちるものです。音楽の世界でも、将来何らかのブレイクスルーがあるかもしれない。
 さて余談はさておき、くだんのリサイタルですが、概要は以下の通りです。

【日時】
 2020.10.20.(火)11:00~
【会場】
 東京文化会館 小ホール

【出演】
 テノール:工藤和真 第17回東京音楽コンクール声楽部門第2位〈最高位〉及び聴衆賞

 ピアノ:竹内優香

【曲目】
①小林秀雄『落葉松』

②平井康三郎:『九十九里浜』

③山田耕筰『鐘が鳴ります』

④レオンカヴァッロ『朝の歌』

⑤トスティ『暁は光から闇を隔て』

⑥ガスタルドン『禁じられた音楽』

⑦プッチーニ『オペラ「トスカ」より「妙なる調和」』

⑧グノー『オペラ「ファウスト」より「この清らかな住まい」』

⑨プッチーニ『オペラ「トゥーランドット」より「誰も寝てはならぬ」』

 チケット は今年3月に販売されました。しかしその後のコロナ感染の影響のため、もともと全自由席だったものが、指定席に変更になったそうです。さらに、最近政府方針により、収容定員制限が緩和されたのに伴い、空席になっていた分が「〈注釈付き〉席チケット」として販売されたのです。
 工藤さんの歌は、昨年 1月に、『東京音楽コンクール優勝者コンサート』で聴いたことがあります。日本人にしては、大きな声量とズッシリ感じのある歌声で、まだ粗削りだけれど、将来性があるなと思った記憶があります。     
 今回は、直前になって演奏会があることを知り、午前中の演奏会だし、チケットも買わなかったし、当日まで、行く予定は全然ありませんでした。前日にネットでみたら、当日券の販売があることを知り、朝起きて行くことを決めたのでした。急に行くと言ったら”随分気紛れね”と家内は少しあきれ顔、”絶対コロナは貰わないで下さいよ。”と念を押されました。

【演奏会の模様】
①から③は、日本歌曲、④から⑥は、朝に関する西洋音楽、⑦から⑨は、有名オペラのアリアという説明を工藤さんは、トークで話していました。貫録ある堂々とした体躯で、なかなかユーモラスな話し振りで観客を和ませていました。”今日の様な短時間で多くを歌うことは、オペラで歌うよりきついです。しかも午前中ですから” とか、”コロナで演奏会がキャンセルになって暇だったので、動画を撮りアップしてネットで配信しました。帰ったら見て下さい。良く言って下さい”などと語っていました。

 歌の方は、声がよく透り厚みのある声で、①は朗々と、②は伴奏も激しくよく響く大声量で③では高く細い声も慎重に安定的に出していました。又④の「Mattinata」は、夜のセレナーデの対極にある歌で、朝歌う曲とも語っていました。

 ⑥は大好きな歌と、工藤さんは語っていました。以前、声楽の方面に進むかどうか迷っていた時、この⑥のセレナーデを聞いて、歌に進む踏ん切りがついたそうです。
 次のオペラのアリアは、特に有名な歌ばかりで、世界的テノールが歌うのを聴いて耳に残っています。⑨はパバロッティの得意とする歌で、それに比較するのは気の毒なのですが、良くいえば、二回りぐらいパバロッティを小型にした感じでしょうか?工藤さんの歌声は、やや喉から絞り出す感がします。喉に負担がかかっているのでは?つい最近見たパバロッティの映画でも、「呼吸法の重要性」が強調されていました。
 また、工藤さんは、⑧の練習が、かなり難しかったと語っていました。それは、きっと、フランス語だからでしょう。でも、割りとよく言葉は聞こえましたよ。伴奏の竹内優香さんは、奇麗なピアノの音で、そつなく演奏していました。とくに、⑧の時の音は奇麗で、清らかなものでした。

 大きな拍手に応えて、二曲アンコールがありました。オペラ椿姫より『乾杯の歌』と、コロナ禍の終息を願って岸洋子さんが歌った日本の歌謡『夜明けの歌』を歌いました。今度機会があれば、工藤さんがオペラでアルフレッド役を歌うのを聴いてみたいですね。

  ところで、昨日11月28日予定の『グリゴーロ来日公演』は、再延期になったとのメールが入りました。本来7月公演の筈が延期になっていたものです。いつになるかも分からないとのことです。がっかりです。

 愚痴ばかり言いたく無いのですが、本来であれば、今日20日は、『五嶋みどりリサイタル』が、サントリーホールで行われる筈だったのですが、中止になってしまい払い戻しをしました。かなり以前でしたけれど。
 一方ウィーンフィルの来日公演については、20日めどにその可否が分かるという情報がありましたが、今日の段階では、まだ関係箇所と調整中の模様でして、はっきりするのは、10月末になる様です。無理なのかな?