HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

『フェスタサマーミューザ・オープニングコンサート(@ミューザ川崎2010.7.23.15h~)』

 コロナの第2波か?と騒然となっている今日この頃、命がけで、久しぶりの表記オーケストラ演奏を昨日7/23(海の日)に聴いて来ました。チケットを買った頃は社会が活動再開に向けて動き出し、コンサートホールもやっと本格的にエンジンがかかりだし始めた時期だったので、まさかこの様な急激な感染拡大が起こるとは、予想だにしませんでした。家人にはもう何を言ってもそっぽを向かれるし、“もうコロナ菌は家に入れません。公園のベンチにでも寝たら?”と謂われる始末。“これが最後だから行かせて!いやもう一つあったかな?そしたら暫くは行きません。”とか何とか言って出かけたのでした。人との接触を避けるにはマイカーが一番いいのですが、最近運転に自信が無くなって来ています。ここ数年、運転するのは年に数える程で近いところへの買い物程度。ほとんど上さんに乗せて貰う状態です。昔は伊豆へドライヴに行ったり、一人で秩父まで運転して行ったりしたこともあったのですが、ペーパードライバー化している。まさか上さんに横浜から川崎まで乗せてとは言えないし、仕方なく出来るだけ空いていそうな電車の時間と車両を選び、結局京浜東北線に乗りました。この日は祝日のせいか昼前でも座席は8割方埋っていて、立っている乗客もちらほら。席を選んで座る前に必ず窓を全開にします。最近はさすがに密室の様に窓が全閉の車両は見かけず、あちこち空いているケースが多いのですがそれでもほんの僅かに少しだけ開いている場合がほとんど。車内放送で“窓がどうのこうの・・・”と言っている場合もありますがほとんど聞こえない、意味不明。鉄道会社によっては“車内の空調で換気は万全ですからご安心下さい”と社内放送している処も有りますが、あれって冷気を車内循環させて、コロナ菌を満遍なく社内に広げ、時々外に冷気を排気しているだけではないかな?果たしてコロナ菌の排出になっているのですか?それよりは窓を全開にして、走行している間外気の風で車内の空気を外に吐き出し続けた方が、効果的と考えた方がReasonableだと思うのですが。

 こういう感染拡大の時期には、始業前に鉄道会社が電車の窓を全部開けておけないのかな?梅雨時、窓から雨が入ってしまうとか冷房費用がかさむとか、言い訳はいくらでも言えるでしょう。でも座席に座った頭に雨が当たっても、土砂降りでなければ、“感染防止の為”と思って一時間以内程度だったら、我慢の出来る範囲ですね。私だったら我慢します。最近の感染ルート不明者が半数以上に登るのは市中感染が主と謂われますが、かなりのケース、満員電車での感染があると以前からにらんでいます。立証するのは困難だから何とも説得力がありませんが。第1波の時など、鉄道会社は当初何も対策を講じませんでしたからね。その後時差通勤とかマスク着用の呼びかけがなされ始め、駅にアルコールが置かれる様になった。当時よりは現在の方がまだましですが。それでも放送とか掛け声はされてもおざなりになって実効が上がっていません。アルコールなど撤去してしまった駅が多い。テレワークはやはり一部の、主に大手の会社とか情報関係の企業とかに限られ、相変わらず通勤時の混雑は感染レベルに達していると思います。会社が始まれば、従業員は勤務に行かなければならないのですから、企業ももっと工夫があっていいと思うのですが。事業所ごとにマイクロバス(あの幼稚園児を送り迎えする様な)で主な地区(通勤者が歩いて集まれる地区)から事業所まで従業員を運ぶとか、マイカー通勤を広く認め、駐車場確保にはお金を出す。出来るだけ職住接近の事業所へ従業員を再配置(転勤)させるとか、コストが嵩んでも対策をもっと何かやらないと、しかも早くやらないと、爆発的な感染にさらされ、さらに収益悪化に繋がる事態に至ってしまうでしょう。欧米諸国の様に。

 前置き、愚痴が長くなってしまいましたが、音楽会の方の様子を述べます。 

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 ミューザ川崎には、先週久し振りにオルガンコンサートを聴きに行ってから1週間ぶりです。長いエスカレータ(結構混むときは、脇に併設されている階段を上ります。)の上に会場が有り、開場10分前には結構な人が入り口前に集まっていました。開場まで離れたトイレに行ったり、少しでも人だかりに近づかない様注意しました。1分遅れで開場の音が鳴り、人々は受付に向かって行列を成しましたが、皆随分接近して並んでいる。放送も無くかなりの数のスタッフもいても、密にならない様にとの注意は全然ありません。結構な年配者も多かったと思いますが、気にしている様子などありません。自分は感染などしないと思っているのか?それとも忘れているのか?恐らく後者の方でしょうね。入口で検温していることをスタッフは何回も繰り返し告げていましたが。検温はやらないよりはましの程度の事でしょう。無症状の保菌者(陽性者)や感染したばかりの陰性者若しくは擬陽性の人が混じっていたら防げません。(感染初期は他にうつす感染力は弱いと言う人もいますけれど)

 ホールに入ってみると、座席の両隣の椅子は使わない様張り紙がしてある。ステージの前の席は黒い幕でおおわれている、と言った方式はこれは最近では普通になってしまった光景ですね。

 販売チケットは、全座席数約2000席のほぼ3/10(30%)である600席に限り、密な接触を回避する様に配慮されているそうです。楽団員も弦奏者はマスク着用という物々しさでした。ついでだから誰れか管楽器奏者用の飛散防止具(マスクではだめですね。フェイスシールドでは楽器がぶつかってしまうでしょうし)を発明してくれないかな?先々月のウィーンフィルの実験ではフルートが一番飛沫が遠くまで飛ぶそうですよ。

 今回のオーケストラ公演は指揮者のジョナサン・ノットが英国からの来日が不可能になり、録画による指揮という前代未聞の方式でベートーヴェンのシンフォニー3番を演奏するということなのです。この方式は既に先週東京オペラシティで別な曲目で同楽団が演奏会を行っている様です。演奏開始の前に楽団員(氏名が聞こえなかった)からプレトークがあり、この方式の練習に苦労したことを述べていました。ノット氏が来日出来ない時は国内の別の指揮者を立てるという案があって、ノット氏に打診したところ、どうしても自分が関わりたいとの意向だったそうです。リモート技術を使った遠隔指揮の方式も検討したそうですが、時差の関係で映像と音のずれが生じるので無理と分かり、結局今回の録画方式となったそうです。楽団員は練習の時、映像に合わせることは相当難しかったらしく、無指揮者でやった方が良いとの愚痴もあったとか。それでも何とかリハーサルまでこぎつけ、演奏会を開けたとのことでした。

 今回は演奏曲目3曲の内2曲は無指揮者(コンマスが若干の進行役を代行)で上記1曲のみが映像指揮となったもので、演奏はネット同時配信されるという最近流行りの方式がとられました。

演奏曲目は次の通りです。

 ①三澤慶『音楽のまちのファンファーレ』

ここ10年位この「サマーフェスタ ミューザ」の開催を告げるスタートとして演奏されているらしいのですが、今回初めて聴きました。ということはこのフェスタのオープニングコンサートを聴くのは、今回初めてだったのでした。例年だと他の演奏会が山とあったので、フェスタ初日は聴きに行けなかったのですね。

 プログラムの記載によると、ファンファーレを演奏した、Trp.Trb.Tb.Timp.Hrn.の各楽器の演奏は、ミューザや川崎の特徴などをモチーフとした調べで表現したそうです。

②ストラビンスキー『交響曲ハ長調』

 基本2管編成で、ピッコロ、チューバ各1、ホルンは4など、弦楽5部は1Vn8 2Vn6 Va8(2VnとVaは数え違えあるかも?)Vc4 Cb3 など変形数でやや小さい規模か。

楽器配置は左翼にCb、右翼にTimpが置かれたのが目立った程度。(いつも分からないのですが、曲によって楽器配置の違いによる演奏曲の聴き栄えの差というのはオーケストラでいろいろ実験して最良の配置を決めているのでしょうか?楽譜に書いてあればそれに従ってやるのでしょうけれど。) 

 この曲はストラビンスキーが家族を失い欧州から米国への移動の大変な時期に書かれたもので、

a.Moderato alla breve

b.Larghetto concertante.

c.Allegretto

d.Largo - Tempo giusto, alla breve

の4つの楽章から成っています。

 aの出だしはやや散漫な演奏の感じがしました。管と弦の纏まりが弱い。例えれば糸の切れた凧か?弦のアンサンブルのキレも良くない。最終局面の管楽器の移り代わりから弦への移行もややスムーズさに欠けたきらいがありました。弦とティンパニーでジャンジャンダンダンとここは歯切れよく終了。

b.オーボエが目立つ。フルートの演奏も優雅。弦はピッツィカートで合わせる。オーボエ奏者二人の重奏の部分も良かった。 この楽章は卒なく演奏していました・

c.種々の管の似た様な変奏の調べ、速度も楽器によって様々、緩急交えて弦も競うが、何かちぐはぐ感は拭えない。

d.ホルンの鈍い音でスタート、弦の響きは当初より良くなったと思いますが、重量感が少ない感じ。迫力が感じられません。弱々しいメロディが聞こえたと思う間もなく少し眠気を感じたのか気が付いたら終了していました。

 全体としての印象は、ストラビンスキーの軽快さ、きれの良さ、面白さを感じられない演奏でした。楽団もこの曲はそんなに何回も演奏したことのある曲ではないでしょうから、時々コンマスが弓を指揮棒の様にして拍子をとっていましたが、やはり指揮者に引っ張って貰わないとうまく演奏出来ない状態なのかも?

 それにしても指揮者が必要と思われるこの曲でなく、何故次のベートーヴェンの「英雄」の指揮映像を送って来たのでしょう?想像するに、ストラビンスキーの「ハ長調」は映像指揮だけでは、この楽団はこなせないだろう。直かに細かい指揮指導をしないと演奏できないだろう。「英雄」だったら何回も演奏経験があるし、映像指揮を見ただけでも意図を汲み取ってくれるだろうと、ノットさんは考えたのではないでしょうか?穿った見方かも知れませんが。

③ベートーヴェン『交響曲第3番英雄』

 楽器群の位置が、②から若干の変更が有って、Timpが右サイドから通常の冗談正面に移動しました。

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指揮者を写す舞台上の四つのディスプレイに注目

 この曲を演奏した、録画指揮方式とは、写真にある様にステージ中央の指揮台近辺にヴィデオ再生装置を置き、演奏者方向に比較的大きいディスプレを三面(正面の弦、管、打楽器向けと左サイドの1Vn.Cb.向け、右サイドの2Vn.Va向けに、即ち天井から見たとしたらコの字型)に配置し、座席の方からも指揮が見える様に観客向きのディスプレイをもう一つ置いたものでした。

 その様にして演奏されたこの曲は、細かい点は省略しますが、結論的に②の演奏とは打って変わってピリット山葵が効いた様な見違える様ないいアンサンブル、各パートの響き、全体の統合性を発揮し、文句の付けようのない良い演奏が実現出来ました。久し振りに本物の管弦の響きが頭から腹にずっしりと入り込み、体のストレスが吹き飛ばされた感がありました。少し大げさな言い方ですが命がけで来たかいがあった。実際に指揮者が来日出来て指揮台に立ち、もっと大編成で演奏されたらどんなにか素晴らしい演奏になったことでしょう。

この様にして、録画による指揮も幾つかの条件[例えば指揮者と演奏者の間に信頼関係が築かれている。その曲を何回も演奏したことがある(知り尽くしている)。録画で演奏練習出来る時間的余裕が十分ある。練習の模様、疑問を指揮者にフィードバックし又その指示を受けることが出来るなどなど]が整えば、結構立派な演奏が可能となるのではないでしょうか。

 観客の拍手は随分大きく長く鳴り響いていました。

 ところで、今回のミューザ川崎に行ったついでに、中止になった10月初めの「ロンドン交響楽団」のチケット払い出し手続きをしました。そしたら係の人の言う事には、11月最後の日曜日予定の「バイエルン放送交響楽団」の来日演奏も中止が決定したということです。残念無念。ということは、その二つの演奏会に挟まれている11月初めの「ウィーンフィル」の来日演奏会も中止になるのでは?と聞いてみたら、まだ決定されてはいないそうですがその可能性大だと言っていました。いつまでこのコロナ禍が続くのでしょう?

 ここ数日の第2波とも思える感染の急拡大のせいかどうか、東京の主なホールの演奏会も軒並み、延期または中止の公告がH.P.でなされています。調べた限りでは以下の通り。

 

「東京芸術劇場】

◎『ワグネル・ソサィエティー・OBオーケストラ』第88回定期演奏会(2020年07月25日 (土)14:00~)中止・

◎『東京大学音楽部管弦楽団 百周年記念シリーズ 』第106回定期演奏会

(2020年07月26日 (日))中止

◎『東京都交響楽団 』第906回定期演奏会 (2020年7月30日)

中止

◎『東京都交響楽団』第907回定期演奏会(サントリホール)中止

(2020年7月31日(金)19:00~)

 

【東京文化会館】

◎2020年7月26日(日)

【公演延期】新都民合唱団第83回定期演奏会

◎【公演延期】テレマン協会 第271回定期演奏会

 その後文化会館は7月27日~8月5日まで全館休館。

 

【サントリーホール】

◎東京交響楽団 演奏実施。
第682回定期演奏会(2020年7月25日(土) 14:00/19:00開演) 会場大ホール

指揮者のジョナサン・ノットと、ロータス・カルテットは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴う出入国制限により来日できなくなりました。それに伴い曲目を変更し、1日2回公演(14:00開演、19:00開演)といたします。また、ジョナサン・ノットは映像での出演となります。

(曲目はミューザ川崎の場合と同じ)

 

 翌26日からサントリーホールの公演は軒並み延期若しくは中止になりました。

 

 こうした状況下、ミューザ川崎はサマーフェスティバルを今後続けられるのでしょうか?東京でなくとも神奈川の感染者数も過去最高を更新しているのですが。チケットは抽選方式で結構枚数当たって買っているので、聴きに行くか行くまいか悩ましいところです。