HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

『梅雨の合間』

   関東地方の梅雨入りは6月11日(例年より3~4日遅れ)もう二十日以上経ちます。雨が降るときはシトシトでなくザーとミニ台風の如く強い風を伴い窓に吹きかける。

 今日7/2は朝から爽やかないい天気でした。梅雨の合間(晴れ間)には夏かと思う程の強い日差しが照り付け、もう梅雨明けかなと錯覚するほどです。でも雨は今後まだ暫く断続的に続く模様。

 しかし梅雨の晴れ間は貴重なひと時、北原白秋が出身地の九州柳川を詠んだ『柳河風俗詩』の中でも詩っています。(この詩を合唱曲にした作曲家がいます。白秋の歌の中では何といっても「からたちの花」が好きですけれど。)

 

Ⅳ梅雨の晴れ間  

廻(まは)せ、廻せ、水ぐるま、

梅雨(つゆ)の晴れ間(ま)の一日(いちにち)を

せめて楽しく浮かれよと

廻り舞台も滑(すべ)るなり

水を汲み出せ、そのしたの葱の畑(はたけ)のたまり水。

 

 それにしても柳川はいい処ですね。若い頃その近くに出張で一度行ったことがあります。翌日が日曜日だったので、水郷地帯に足を伸ばし「どんこ舟」に乗ってのんびり川下りして遊びました。ヴェネツアのゴンドラなどとくらべると、やはり純日本的な雰囲気と趣きが何とも言えず風情が有りますね。元藩主の館や白秋記念館を見学後「うなぎのせいろ蒸し」を食し、関東のうな重とは随分異なっているなと思った記憶が有ります。そうそう記憶がイモ蔓式に出てきますが、出張の晩の夕食時には「シロ魚の踊り食い」というのが出ました。金魚鉢の如き大きな器に小さな魚が泳いでおり、それを柄のついた小網で金魚すくいの様にすくって、確かポン酢のような汁につけて飲み込むのです。初めてだったので口に入れて噛む勇気がなく、ゴクンと飲み込むと、喉をするっとすべって魚は下方に落ちて行きました。味が良かったかどうかは覚えていません。その魚料理が出たということは、季節は春だったのかな?。天気がとても良くて暖かくさわやかな季節だった記憶があり、桜は咲いていなかったので、多分「梅雨の合い間」でなく5月だったかも知れません。

 梅雨明けは平年で7月21日ということですから、雨の日はまだまだ続くのでしょう。

 梅雨といえば何といっても紫陽花、梅雨入りしてから撮り溜めた写真が幾つか有ります。 

 淡青みががかった紫陽花、これから色を深くしていくのでしょうか。

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 深い青色の紫陽花、これほど深い青はそうは見かけません。一つ一つの花びらも大きい。

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 そうそう赤味がかった紫陽花もありましたっけ。忘れてはいけません。

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 がく紫陽花もなかなか綺麗ですね。

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 白い紫陽花は貴婦人の如く気品があります。

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 路傍のアザミの花も負けずと咲いている。

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 紫陽花を見ながらふと顔を上げるといい香りがする。おやこれは何だろうと、香しい花香に誘われて路傍の横道に足を進めると、くちなしの花が黙々と白い花弁を広げていました。何と甘い甘い匂い!

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 道を戻し路傍に沿って足を進めると、民家の垣根越しに黄色い造花の如き花たちが顔を覗かせています。近寄ってよく見ると何という名のサボテンでしょうか?沢山の黄花をつけています。

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 少し先の擁壁から垂れている木は品のいいかほりを仄かに漂わせています。「すい葛ら」の木でした。

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 金銀花とも忍冬(にんとう)とも呼ばれる香ほり花。この花に類似した「定家葛ら」は、藤原定家と式子内親王の愛の歌を思い出させます。

 来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに 焼くや藻塩の 身もこがれつつ

 

 山深み 春とも知らぬ 松の戸にたえだえかかる雪の玉水