HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

スタンダール『イタリア旅日記(1827年版)』精読(遅読)⑱

<ミラノ十一月五日>
 スタンダールは前回<十一月二日>の記述に続き、ドゥオモを毎晩午前一時頃に見に行っていると述べています。“美しい月に照らされて、この教会はこの世でもめずらしい心を魅了する光景を呈している”。“ドゥオモの半ゴティック様式の正面は美しくないが、しかしとてもきれいだ。夕陽の赤みがかった光に照らされるところを見なければならない。” 

確かにドゥオモは正面が西向きなので、夕日に照らされ白い大理石が真赤に燃え立つようなのです。
 次にスタンダールはマリニャーノという処に、セディオラで出掛けたと述べています。
ここでマリニャーノはフランソア一世(仏ヴァロア朝9代目の王。ローマ教皇の要請を受けた形でフランソワ1世は北イタリアに出兵、ミラノなどを再び占領して、1527年、神聖ローマ皇帝カール5世がローマ教皇に圧力をかけるためスペイン軍を派遣して行ったローマ劫略の後の北中部イタリア安定をはかった)が勝利を得た古戦場であり、セディオラは非常に大きな車輪を有する二輪馬車です。

その帰りに、アルプスを背景としたドゥオモとミラノの街の遠景を眺め、以下の様に述べています。
“ミラノのドゥオモの素晴らしい眺め。その白い大理石が、町のすべての家々の上に聳え、ペルガモのアルプスにくっきりと浮き出ていた。それは三十マイルの平野によって隔たっていたにもかかわらず、アルプスと触れるかのようである。この距離から見たドゥオモは完璧な白さであった。この大理石の尖塔の林立は、空に際立つアルプスの見事な輪郭線の絵のような効果を倍加している。”

 確かにドゥオモの白さは、ローマのサン・ピエトロにもパリのノートルダムにもフィレンツェのドゥオモにも見られない無垢な感じがしますね。

 ところで今日2020年6月6日の夜2時頃は、月が満月で、やや赤みを帯びて見えることもあるということで、ストローベリームーンとも呼ばれています。数時間早い時間の写真を撮りました。それらしく見えるかな?

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