HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

『バッハの小宇宙…クリスマス・オラトリオ』

    クリスマスまであと1週間、この時期には、いつもバッハの「クリスマス・オラトリオ」を聴いています。カール・リヒター指揮ミュンヘン・バッハ管弦楽団(1965年)。随分古い録音ですが、いろいろ聴いてもこれが一番のお気に入りのクリスマス・オラトリオです。オケのテンポも冒頭から現われる合唱の雰囲気も、ソロのヤノヴィッツ他のソロも、全体的バランスも四拍子揃っている。もっと小編成のオケによる録音も持っています。シギスヴァルト・クイケン指揮ラ・プティ・バンドの演奏、このオーケストラはオルガン等の鍵盤奏者として有名なグスタフ・レオンハルトもクイケンと交代で指揮者を務めていました。仲々軽快な演奏です。その他ベルギーに行った時に入手した、ライプツィヒ、ゲヴァントハウスオーケストラ、及びライプツィヒ、聖トマス教会合唱団、指揮トマスカントールのジョージ・クリストフ・ビラーの演奏で聖トマス教会でのライブ録音を持っていますが、聴くとバッハの後輩が指揮し、バッハが当時のトマスカントールとして務めていた教会での生演奏ですから、ボーイソプラノの声も合唱の歌声も、聴いていて非常に感激するのですが、音楽としてはリヒーターの演奏に惹かれるのです。演奏会も何回か聴いており、昨年11月末には鈴木雅明指揮、バッハ・コレギウム・ジャパンの全曲演奏を聴きました。でもやはりカール・リヒターの演奏に軍配が上がります。
 「クリスマス・オラトリオ」は全部で第Ⅰ部から第Ⅵ部まで64曲という膨大な構成です。申すまでもないですが、クリスマスはキリストの誕生日(降誕節)、即ち日本の元旦の祝いに相当すると考えれば、第Ⅰ部がクリスマス当日12/25用、第Ⅱ部が12/26用、第Ⅲ部が12/27用、即ちクリスマス三が日用の礼拝のために、バッハが1734年に作曲し、聖トマス教会他で初演したものです。次の第Ⅳ部は1/1用、第Ⅴ部は1/2用(最初の日曜日用)第Ⅵ部は 1/3用(主顕現日用)として作曲されたものを、翌年にトマス教会等の礼拝の際初演されました。
 まさにバッハの築いた小宇宙ですね。

 ≪訂正≫ 12月18日付け記事『オペラ歌手の不都合な真実』の中でドミンゴの年を”90歳近い”と書きましたが、”80歳に近い”のミスタイプでした。すみません。