最近、ヴェルディの『椿姫』の公演が随分目立って増えていますね。私が見ただけでも昨年のローマ歌劇場公演、今年1月の藤原歌劇「ラ・トラヴィアータ」、今月初めのトリエステ歌劇場公演、そして他の予定が一杯入っていて見られないのですが、明後日から12月にかけて新国オペラハウスの「椿姫」が始まります。来年はスカラ座まで来日し、椿姫をやるそうではないですか。一番人気のある(特に我が国では)オペラならでの過密上演ですが、主役ヴィオレッタ役のソプラノは、それ以前の名ソプラノと比べてどうでしょう?ティバルディ、カラス、ミレルラ・フレーニ、アンナ・トモア・シントウ、デセイ、ネトレプコなどに並び称されるかどうか?この演目はとにかく、Paris 、Paris、一色なのですが、ヴェルディはイタリア語の台本に作曲したのでしょう。原本がフランス小説ですから当然、フランス語の台本が無かった訳ではないでしょうに。ひょっとして、ヴェルディは仏語が出来なかった?(間違っていたら御免なさい)以上のソプラノの中ではデセイだけがフランス人です。フランス語のオペラだったらもっともっと、ヴィオレッタを歌い世界に名を馳せたフランス人が輩出したかもしれません。デセイほど国際的に活躍した訳ではないので、それ程日本には余り知られていないソプラノ歌手で、10年ほど前に亡くなった(サルコジニ大統領も哀悼声明を表した)レジーヌ・クレスパンは欧米では大活躍した、フランスの国民的名ソプラノと言っても過言ではないと思います。亡き今は録音でしか聞けませんが。